(公)国際教養大
掲載事項(記事)一覧


2007年05月17日

国際教養大の雇用打ち切り 外国人教員、賠償提訴へ

■東京読売新聞(2007/05/16)

 秋田市雄和椿川の国際教養大(中嶋嶺雄学長)の外国人教員が、雇用契約を更新しないとする大学側の決定を不服として、大学側を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こすことが分かった。
 教員が加盟する「秋田コミュニティ・ユニオン」によると、教員10人は一律500万円の損害賠償を求めていたが、大学側は拒否。教員側の相談を受けた県労働委員会は、大学側が一律100万円と再就職が決まっていない5人の雇用保険(3か月分)の計約1336万円を支払うとする仲介案を双方に示したが、「違法はない」(同大)などとして、不調に終わっている。

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2007年05月16日

国際教養大、教員慰謝料請求 あっせん不調に終わる

http://www.sakigake.jp/p/akita/national.jsp?kc=20070515e

 国際教養大(中嶋嶺雄学長、秋田市雄和椿川)の外国人教員10人が、4月以降の雇用契約の更新を拒否した大学側の決定を不服とし、連合秋田の「秋田コミュニティ・ユニオン」を通じ、中嶋学長に1人一律500万円の慰謝料の支払いなどを求めていた問題で、県労働委員会(阿部譲二会長)によるあっせんが14日までに不調に終わった。

 同ユニオンによると、県労働委はさる12日、大学側に対し、教員に総額1336万円の「解決金」を支払うようあっせん。1人当たりの支払額を100万円としたほか、現在求職中の5人に対しては、3カ月間分の雇用補償として61?70万円を上乗せした。

 これに対し、同ユニオンは「複数の教員が大学幹部から契約更新に期待を抱かせるような話をされていたとの当方の主張が認められたことは、十分評価できる」として、県労働委の案を受け入れる姿勢を示したが、大学側が不服としたという。


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2007年04月04日

国際教養大、慰謝料支払い拒否 契約打ち切り問題、教員側に回答示す

■秋田魁新報(2007/03/21)

国際教養大、慰謝料支払い拒否
契約打ち切り問題、教員側に回答示す

 国際教養大(中嶋嶺雄学長、秋田市雄和椿川)の教員十人が、新年度以降の雇用契約を更新しないとの大学側の決定を不服とし、連合系の「秋田コミュニティ・ユニオン」を通じ、中嶋学長に一律五百万円の慰謝料の支払いなどを条件とする和解を申し入れていた問題で、同大は二十日、同ユニオンに「和解の必要性はない」などと回答、要求を拒否した。
 大学側と教員側が開学時の平成十六年四月に結んだ雇用契約では、全教員に対し三年間の任期制を適用。大学は昨年七月、任期切れとなる教員二十七人全員に十八年度末での契約打ち切りを通告するとともに、契約更新を希望する場合は再応募するよう求めた。これに対し、同ユニオンは▽契約書は、大学の定める業績評価の結果などにより再契約できると規定している▽複数の教員が大学幹部から契約更新に期待を抱かせるような話をされている▽契約更新しないとの大学側の判断基準が明確でなく、有期労働契約について規定した労働基準法に違反する―などとし、「契約の打ち切りは明らかに無効」と主張していた。
 同大事務局は「契約や手続きに何ら問題はない」としている。


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2007年03月16日

国際教養大、教員10人が慰謝料要求 雇用非継続に不服

http://www.sakigake.jp/p/akita/politics.jsp?kc=20070315e

 国際教養大(秋田市雄和椿川)の教員10人が、新年度以降の雇用契約の更新をしない大学側の決定を不服とし、連合系の「秋田コミュニティー・ユニオン」を通じ、一律500万円の慰謝料などを求める要求書を同大の中嶋嶺雄学長あてに出していたことが14日、分かった。10人は教授、助教授らで、ほとんどが外国人。

 大学と教員が開学時の平成16年4月に結んだ契約では、全教員に対し3年間の任期制を適用。再契約については「契約者双方の合意」を前提に、大学が規定する評価制度の結果などにより判断するとしている。

 契約更新を見送られた教員の1人は、「昨年12月中旬に大学から一方的に更新しない旨のメールが送られた。学長にただすと、『新規雇用の先生があなたの授業をカバーできる』などと説明された。急な話で就職活動もままならない。ショックで怒りが収まらない」と話している。この教員に対する大学の評価は、在職期間を通じて高かったという。

 同ユニオンは今月12日付で要求書を提出し、有期労働契約の期間・条件などについて規定した労働基準法や判例を根拠に、「本件は明らかに無効」と主張。

 同大事務局は「期限を設けた有期の契約で、手続き上の問題はない。(教員側の主張する)契約更新の『期待権』にも、具体的な根拠がない。ユニオンからの要求については内容を検討中」としている。


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2007年03月11日

秋田国際教養大学における任期制問題-大学運営のトップへの集中は危険である-

都立大・短大教職員組合
 ∟●手から手へ、第2444号(3月8日)

秋田国際教養大学における任期制問題
-大学運営のトップへの集中は危険である-

 大学教員の任期制が持つ問題が浮かび上がってきている。秋田県の国際教養大学には、文部省から副学長兼事務局長が派遣されていた。この大学は3 年任期制、年俸制をとり、今年度がその3 年任期の終わりであった。朝日新聞の昨年12 月17 日付の記事などによると任期満了になる教員27 人のうち11 人が再任を拒否された。この数は全教員の四分の一に当たる。
 教員は採用時に「更新の可能性有りの3 年契約」で雇用された。しかし、研究や教育における業績不足、特に博士号未習得を理由に、今年度末に英語集中プログラム教員の14 人中7 人(全員アメリカ国籍)、それ以外では35 人中4 人(そのうち2 人は外国人博士、2 人は日本人修士)、合計11 名が再任を拒否された。(goo Wikpedia)

教学を浸食する経営サイド
 この大学はどのような運営体制をとっているのであろうか。法人の理事長は学長を兼務する。「理事長は、法人が設置する大学の学長となるものとする」(定款第10 条)。理事長は、経営審議会の理事3 名、教育研究審議会からの2 名による選考委員会で決められ、県知事により任命される。したがって、経営審議会が優位に立つ。理事は理事長の任命で、そのうち常務理事1 名は理事長の指名である。
 この大学は、教授会には教員の選考権がなく、また評価権もない。人事の決定権限は学長=理事長を含む理事などによる大学経営会議の権限である。この経営会議は、学部、課程の改廃、教育課程編成の基本的方針に関わる事項など教学に関することも審議、決定する。さらに、「教職員の人事及び評価に関する事項」(定款第16 条)がこの経営会議の審議事項である。教育研究会議、教授会には教員の人事権はない。教育研究会議に「教育研究の状況の評価に関する事項」(定款21 条)があるのみである。
 教授会は、授業科目、学生の身分、賞罰、厚生補導、学位に関する事項の審議をする権限しか与えられていない。そして、学長は重要事項の直接の執行者である。かつ、教授会を主宰し、その議長は学長、または学長が指名する者である。
 ようするに、この大学は教学部門の権限が狭く限定され、経営部門が教学部門を浸食し、かつ理事長=学長が理事の選任、教授会の運営に決定的とも言える権限を持っている。民主はなく理事長・学長への集中のみが保障されている。

2年間の評価で非再任を決定
 再任に当たる評価は、まず課程長(二つの課程がある)から提出された各教員の評点を学長(=理事長)が評価査定・調整を行い、運営会議に諮る。学長の調整の際に職階に応じたスケールに従って最終評価が下される。職階の上位の者ほど評価基準点が高くなるという。
 評価は教育・研究・地域貢献の総合評価である。研究面、地域貢献面に関しては定められた評価基準に照らして各教員から報告された事項について評価者が質的な面も含めて査定し評点を出すことになっている。(平成17年度自己点検・評価報告書)評価項目、配点、評価基準表は別掲。
 この体制の中で、今回の事態が起こったのである。この事態が不透明なのは、非再任の理由が業績不足、博士号未取得があげられたにもかわらず、役職者は修士号さえ持たない者も含め全員再任されたことにある。
 さらにもうひとつの問題は、3 年任期であるにもかかわらず、再任するかしないかの評価は二年間の評価でしかないことである。というのは、再任しないことは、該当者の最終年度の昨年7 月に伝えられたからである。ようするに最終年度の評価は意味をなさない。

標準の評価でも再任されない
 それでは、業績評価はどのような基準なのか。業績評価はS,A,B,C,D,E,X の7 段階からなっている。このうちS が期待値より想定外に良く、A,B がプラス評価、C が標準、D,E がマイナス評価、X がD、E にも達していないことになっている。
 2004 年度と05 年度の業績評価の結果は下記の通りであった。(平成16 年度及び17 年度自己点検・評価報告書より)

 標準C に達しなかった者は、2004 年度で5 人、2005 年度で2 人である。2005 年度の二人が2004 年度からいた人だとすると、2005 年度評価で、9 人が標準点C となる。
 もし仮に、2005 年度のD と評価された者が2004 年度にC 未満に評価された者に含まれていたとすると6 人が両年度C 評価でも再任されなかったことになる。
 このように、C 評価でも再任拒否された者は多い。しかも、朝日新聞の記事によると2005 年度に前年のC からB になった人も対象になっている。そして、実は非再任者は16 名おり、この16 名に新人事の応募資格を与え、15 人が応募し、外部からの公募者約400 人と競わせた結果11 名が残ることが出来なかった。(朝日新聞2006/12/17)
 この結果について中島学長は「今回の新規採用でさらに学内が活性化すると信じている。形だけの公募でないし、優れた教員が獲得できた」と言っている。(産経新聞2006/12/26)これを読んで笑ってしまった。なぜなら、再任を拒否された教員のうち再度採用された者がいたわけだから、その教員は再任拒否という評価をされるべきでない「優れた教員」だからである。自らの評価が間違っていたことを言っていることになる。したがって、どうもどのような評価の結果、再任されなか ったかが外部者にははっきりしない。外部者だけでなく、該当者にも納得がいかないようで、朝日新聞の取材に一該当者は、こう言っていたという。
 「『教員として成績が上がっていたのに、大学を去るなんて想像できなかった。』退職が決まった米国人教員の一人は、今回の結果にため息をつく。学生の授業評価などがもとになる勤務評定は、04 年度は中ぐらいだったが、翌年度は1 ランクアップ。『これなら更新できる』と思っていたという。」
 課程長から学長に教員評価が出される段階で、評価者と教職員は個別面談を行い、評価案について意義がある場合は、面談後一〇日以内に、理事長・学長に対して文書にて異議申し立てが出来ることになっている。しかし、評価の最終結果についての異議申し立ての制度はないようだ。

教授会の権限強化が必要
 以上のことを整理してみよう。
① 任期3 年は、実質的に任期2 年である。最後の1 年は非再任者にとって、失業しないための就職探しの期間である。
② 非再任者にとって、最後の1 年は針のむしろに座るようなものである。なぜなら、教員として不適格という烙印がおされて、教育に当たらないといけないからである。
③ なぜ再任されなかったが、不明確であり、標準の評価でも再任されない。
④ 最終評定は、「学長が個別の評価査定および調整」をおこなう。したがって、学長の権限が大きい。かつ、学長=理事長の大学運営権限が専決的におおきく。それは評価の最終決定に大きく作用している。
⑤ 最終決定に意義を申し立てる時間と制度がない。
このうち、特に問題にしたいことは、③と④と⑤である。すなわち、運営権が一部に集中していると、評価の決定の過程で案が該当者に提示され、教育活動における同僚評価があっても、最終的に再任、非再任の決定の理由がよくわからないのである。そのうえ、最終決定に対し意義を申し立てる時間も制度もないから、再度任用を希望すると公募に応募しなければならない。
 以上のことを我々の大学に引きつけてみると、評価権を学長、学部長などの管理職に集中させてはならないこと、彼らないし管理職のグループに日常の運営でも全面的に専決権を与える慣習を作ってはならないことである。そのためには、教授会の人事権、管理職の選考権を確立しなければならない。
 最後に、秋田国際教養大学の年度評価は年報に反映されている。評価S は120%、A は110%、B は105%、C は変わらず、D は115%、E は90%、X は80%となる。ちなみに、理事長=学長の年俸は、2422 万円、理事は非常勤で360 万円である。


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2007年01月17日

国際教養大学の全教員任期制・年俸制と横浜市立大学の類似点、TOEFL進級基準・教授会の人事権剥奪など

 秋田県の国際教養大学で採用されている全教員任期制について,開学後初の契約更新で4分の1の教員が再任を果たせず退職に追い込まれた事件を最近の記事で紹介した。いま,同大学の人事を含めた組織運営について強い関心を持つ。

 この問題について,Wikipedia(国際教養大学)は,「教員陣は開学時に「更新の可能性ありの3年契約」で雇用されたが、個々の教員の研究や教育における業績不足、特に博士号未取得を理由に、2006年度末には英語集中プログラム(EAP)の教員の14人中7人(その全員がアメリカ国籍)、EAP外では35人中4人(その内2人は外国人博士、2人は日本人修士)が1期生の卒業も見届けられないまま解雇される。これらのポストの後任者は2006年夏、秋の2度にわたるThe Chronicle of Higher Education(en:The Chronicle of Higher Education)などの国際専門誌、および各種国際学会・研究会のウェブサイトやメーリングリストを利用した大規模な公募で決定された。
 解雇の根拠とされた教員評価の手法の公正性、最高学位が修士であるTESOL(en:TESOL)において実務経験よりも博士号の有無や博士課程に在籍中か否かを重視することの意義、その一方で博士号どころか修士号さえ持たない日本人教員が豊富な実務経験を理由に部門責任者などの役職を更新されている事実などが明らかになり、学内外で議論を呼び起こしている」と説明している。

 また,BLACKLIST OF JAPANESE UNIVERSITIESは次のように報告している。

Akita International University

Despite wanting PhDs (or the equivalent) for faculty, AIU offers 3-year contracted positions with no mention of any possibility of tenure, plus a heavy workload (10 to 15 hours per week, which means the latter amounts to 10 koma class periods), a four-month probationary period, no retirement pay, and job evaluations of allegedly questionable aims. In other words, conditions that are in no visible way different from any other gaijin-contracting "non-international university" in Japan. Except for the lack of retirement pay.

 これを読む限り,再任の基準はそれほど明確ではないようだ。加えて,週10コマの講義ノルマ。 参考資料として,Chronicle Forums での議論もある。

 同大学の場合,全教員に教員評価制度を導入し年俸制を採用する。この点について新聞報道は次のように書いている。

「2004年4月の開学当初から、教員の年俸制、任期制とともに、人事評価制度も導入している。課程長ら責任者が教員の自己評価や同僚、学生の評価を判断材料に、教育や研究、地域貢献などの項目ごとに点数化。これを基に、学長が最終的にS、A~E、Xの7段階で絶対評価する」(読売新聞2006/10/28)

「正規の教職員はすべて三年の任期制で、年俸制が適用される。教員については、授業に関して学生、同僚、自己がそれぞれ評価を行う。学生は学期ごとに授業評価表を提出、同僚教員は月に一回程度、二、三人で評価にあたる。そのうえで、課程長ら責任者が総合的に判断する。授業以外の教員の活動については、報告を受けて判断する。
 評価は教育活動や研究活動などについて、百点満点で採点。その点数により、A―Eの五段階に分ける。実績によっては、これをさらに上回るSと下回るXとする。Sは翌年の年俸が二割増となり、Xは二割減となる仕組み。」(読売新聞2006/02/11)

「評価基準には「研究活動」や「地域貢献」など六つの項目があり、学生らは5分の1以上の配点が敷かれる「教育活動」講義部門の評価を担当。教材や授業の分かりやすさ、質問への受け答えなどを判断する。本人申告も含めた評価は所属長が総合評価し、最終的に学長が判断するという。」(毎日新聞2004/02/11)

文科省、公立大学の法人化を契機とした特色ある取組(詳細)

(公立大学法人国際教養大学)
○教員については、業績評価、事務職員については業績評価および能力評価(スタッフ層のみ)を実施している。評価期間は暦年(1月~12月)とし、最終評価は翌年2月中に行われ、3月に各人へ通知することとなる。業績評価は通常5段階評価であるが、特別な業績がある場合には、さらに2段階の特別評価枠が加わり、これら評価結果に応じて翌年度の年俸が上下最大20パーセントの範囲内で変動する。大学側の契約時の期待を満たすことが標準評価(プラス・マイナス・ゼロ)となる前提であり、契約時の合意年俸額が維持されることとなる。

公立大学法人国際教養大学役員報酬等支給基準(PDF:41KB)
公立大学法人国際教養大学教職員給与規程(PDF:141KB)

 これらを読んでいくと,国際教養大学は横浜市立大学と非常に類似した大学のように思える。類似点は,まずどちらも公立大学法人で,国際教養を教育の柱に掲げていること,全教員を対象にした任期制を導入していること(因みに,全教員任期制は全国国公立大学で他に「北見工業大学」「首都大学東京」「横浜市立大学」「長崎県公立大学」の4大学),全教員対象の年俸制を導入していること(因みに,全教員年俸制は他に「首都大学東京」「横浜市立大学」),学生にTOEFL取得を強制的に義務づけていること,教授会の人事権を剥奪していること(国際教養大では,「人事の決定権も、教授会による合議制ではなく、学長を含む8人の理事(長)・委員による「大学経営会議」が決定する」と報じられている(朝日新聞2004/02/07),などである。国際教養大学の場合,まともな教授会が機能し,自治が確立しているのだろうか。

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2007年01月11日

国際教養大学全教員任期制、開学後初の契約更新 教員4分の1退職へ

 秋田県の国際教養大学は,全教員を対象にした任期制(3年契約)を採用する数少ない大学の一つである。開学時に採用された教員の契約が今年度末で切れる。結局のところ,同大学の任期制では,契約更新対象者27名のうち12名を退職させることになったという(約半数近い)。
 この退職者数は,下記新聞にもあるが,全教員45名のうちの4分の1に当たる。自分が関わった学生の卒業を見ることなく退職させる,こうした極めて流動性の高い人事を実施して,学生に責任をもった教育はができるのだろうか(無理であろう)。先進性を売り物にする大学であるが,実質はいわばパートタイマー教員大学のように見える。
 他方,大学行政に忙しいはずの役職者は全員再任されたという。「契約更新しなかったのは、もっといい人材がいると思ったからだが、何をどう頑張れば更新されるのかを、もっと明確にすることが今後の課題だ」という同大担当者によるコメントを読む限り,契約更新(再任)基準がそれほど明確ではないようだ。いずれにしても,全教員任期制の本質をものの見事に表す事例と思われる。
 因みに,同大学の教員構成はここ

教員、4分の1退職へ 国際教養大、開学後初の契約更新 /秋田県

■朝日新聞(2006/12/17)

 国際教養大学(秋田市雄和椿川)で、開学した04年に採用された教員27人のうち11人が、今年度末で退職することになった。全教員45人の4分の1にあたる。同大では3年契約で教員を採用しており、今年度末が初めての更新期。契約書には「契約更新も可能」と書いてあることから、退職教員の中には「更新できるだろう」と思っていた人もおり、学生の間にも波紋が広がっている。

 「教員として成績が上がっていたのに、大学を去るなんて想像できなかった……」

 退職が決まった米国人教員の1人は、今回の結果にため息をつく。学生の授業評価などがもとになる勤務評定は、04年度は中ぐらいのランクだったが、翌年度は1ランクアップ。「これなら更新できる」と思っていたという。
 同大によると、今年度末で契約が切れる27人には今年7月末、「カリキュラムなどの変更を見越し、人事を刷新する」と明言して、「自動的な契約更新はしない」と伝えた。
 しかし、管理職などの教員11人については契約を更新した。残りのポストについては、契約更新しない16人にも応募資格を与えた上で公募した。
 16人のうち15人が、外部から応募した約400人とともに受験した。4人は合格したが、11人は大学を去ることが先月末に決まった。
 「ほかの先生より学生の関心を引きつけるのがうまかったのに」。退職する教員に教わったことのある1年生の女子学生は、突然の展開に戸惑う。
 中嶋嶺雄学長は「契約が3年で切れるというのは大前提で、何度もそう伝えてきた」と話す。今回は開学して初めての更新期。大学による一方的な「解雇」と誤解されないよう、「教員の任期制など、本学の特色を理解してほしい」と学生向けに通知文を出した。
 ただ、「更新も可能」という契約書のニュアンスを巡っては、大学と教員の間で温度差があったようだ。同大の担当者は「契約更新しなかったのは、もっといい人材がいると思ったからだが、何をどう頑張れば更新されるのかを、もっと明確にすることが今後の課題だ」としている。



評価制導入の国際教養大 更新かなわず 教員4分の1退職

■産経新聞(2006/12/26)

 ◆レベル競い合い学内活性化

 公立大学法人として全国で初めて大学教職員の任期制を導入した国際教養大(秋田市、中嶋嶺雄学長)が実施した初の契約更新で、全教員45人のうち教授、助教授を含む12人を退職させることが25日までに分かった。大学教員の任期制は各地で導入され始めているが、実際に“大量退職”が実施されるのは異例。大学教員の競争はますます激しくなりそうだ。
 (大坪玲央)
 大学教員の任期制は一般に、特定のプロジェクトの教員などに適用されることが多いが、国際教養大は平成16年の開学から教職員全員に任期3年の契約制度を適用。来年3月末に最初の雇用契約が切れる。
 大学では今年7月末に、19年3月で契約が切れることを全教員に通知。教員評価作業を進める一方で、その後、国際専門誌などで教員募集をしたところ、米国をはじめ世界各国から402人が応募。研究や教育実績で書類選考し、34人が同大で実際に模擬授業や面接などを行い、20人と新たに契約を結んだ。この結果、契約が更新されずに退職させられる教員は、全教員45人のうち約4分の1の12人(外国人10人、日本人2人)に達した。
 国際教養大では毎年春と秋の各学期後に講義の内容などの教育活動、学術著書の執筆や学術会議の主宰などによる研究・国際貢献活動など、37項目で教員評価を実施。学生も各学期後に教材の分量や課題の内容、成績評価など27項目で授業を評価している。
 今回の契約更新では、以前から在籍していた教員については、学生や学長らによる評価が加味されたが「学生の評価がすべてではない。論文執筆などの実績や模擬授業などで総合的に評価した」(同大)という。再任用されないことに学生から不満の声が上がった教員もおり、学長が直接、学生たちに説明した一幕もあったという。
 中嶋学長は「残念ながら、3年間で1本も論文を書かない教員や、教え方のレベルが、トップクラスの大学を目指す国際教養大としては通用しない教員もいた。今回の新規採用でさらに学内が活性化すると信じている。形だけの公募ではないし、優れた教員が獲得できた」と話している。

 全教員に任期制を導入する試みは、地方で動き出している。国立大学法人・北見工業大(北海道北見市、常本秀幸学長)は、16年度から新規の全教員に5年任期制を適用した。
 常本学長は「地方では、学生にとって魅力ある大学にするためには内部からの競争、改革が絶対に必要だ」と訴える。北見工業大では、学生の評価が契約更新だけではなく、任期中の研究費配分にも直接響く。厳しさを背景に「学生の授業評価や研究評価は年々上がってきている」(常本学長)という。


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