(国)富山大
掲載事項(記事)一覧


2002年03月27日

富山の国立3大学、統合協議へ合意書調印、基本理念など確認

日本経済新聞(2002/03/27)

 富山大学(滝沢弘学長)、富山医科薬科大学(高久晃学長)、高岡短期大学(蝋山昌一学長)の富山県内の国立三大学の学長は二十六日、再編統合を推進するとした合意書と基本的確認事項に調印した。二〇〇三年十月の統合を目指し、正式に協議を始める。
 調印式は同日午前、富山医薬大で開かれた。調印後、同大の高久学長は「納税者、県民に満足いただけ、国際的にも羽ばたける大学を考えていく」と述べた。
 基本的確認事項は基本理念、教育研究で重視すべき項目、管理運営体制の三つで構成。基本理念には地域と国際社会への貢献などを掲げた。教育研究では生命科学を中心とした国際水準の大学院の新設や時代・社会の要請に応える学部・大学院の編成、地域産業との連携などを挙げた。
 管理運営では教員に対する評価を重んじるとし、評価に応じた人的、物的資源の配分、任期制の採用など六項目を盛り込んだ。
 これらの確認事項に基づき、三大学は四月から具体的な協議に入る。

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2002年02月20日

県内国立3大学統合学長懇談会 教官の任期制導入など合意 /富山

毎日新聞(2002年2月20日)

 富山大、富山医薬大、高岡短大の県内国立3大学の再編統合問題を話し合う学長懇談会が19日、富山市杉谷の富山医薬大で開かれた。

 懇談会は5回目で、滝沢弘・富山大学長、高久晃・富山医薬大学長、蝋山昌一・高岡短大学長ら約20人が出席し、再編統合に関する基本的事項について協議。その結果、生命科学を中心にした国際水準の大学院の新設や教官に任期制を導入することなどついては合意したものの、大学の管理運営について意見が分かれた。

 次回は3月上旬に開催される予定。


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1997年04月25日

富山県大学等教員有志、大学教員等の任期制「法制化」に反対する

(出所)都大教ホームページより

大学教員等の任期制「法制化」に反対する

富山県大学等教員有志アピール

昨年10月29日、大学審議会は、「教員の流動性の向上による教育研究の活性化」をはかるためとして、「大学教員の任期制」導入のための法制の整備を答申しました。「十年一日の講義ノートで論文も書かない教授が住む『愚者の楽園』」(96年9月27日付朝日新聞社説)というのが日本の大学の一般的な姿であるとは思いませんが、現在の大学が、様々な問題に対して十分な自浄能力がなかったり、「ぬるま湯的」であることは否定できません。その意味で、「自己改革を怠り、外部から任期制という劇薬を処方される事態を招いた大学人は、不明を恥じるべきではないか。」(同社説)という指摘は真摯に受け止めなければならないと思います。しかし、いま準備されている任期制の「法制化」は、大学における教育研究の活性化に資するというよりは、むしろより多くの弊害をもたらすものであるとわれわれは考えます。

大学教員の解雇合法化につながる

文部省は、現在開会中の通常国会に、大学教員等への任期制の導入を可能にする法案を提出しようとしています。現行法制下では、大学教員に任期制を導入しようとすると、(1)国立大学教員に任期をつけて雇用することを禁じている国家公務員法・人事院規則、(2)1年以上の期間を定めた労働契約を禁じている労働基準法第14条(私立大学教員の場合)の2つに抵触するためで、おそらく特別立法という方法でその法整備をはかるものと考えられます。これによって、任期が切れた時点で大学教員を合法的に解雇することが可能になります。これは、戦前の反省に立ち、学問の自由と大学自治を守る上での重要な柱として戦後確立された、大学教員の身分保障を制度的に崩壊させるものです。すべての職階を対象にする任期制は世界に例がない
 大学審議会答申は、任期制の対象教員について、「制度上は、教授から助手まですべての職を対象にし得る」としています。すべての職階を対象とするような任期制は世界に例がなく、労働者・生活者としての大学教員の身分は極めて不安定なものになります。

任期満了と同時に退職が原則に
任期制が導入されても、「一定の研究業績等の基準を達成していれば再任される」という理解が一般にはなされているようですが、大学審議会答申は、任期切れ後の再任について、「再任とは再びその職に採用するということであることから、通常の採用手続きに基づき、選考を行うことになる」と述べています。これは、任期切れと同時に退職が原則で、教授から助手までのすべての職を対象に、任期切れ毎に、一般公募して、そのポストの選考を一からやるということです。それまでその職に就いていたからといって優先されるわけではないのです。

大学教員のリストラの手段にされる
任期切れと同時にそのポストが改組等でなくなってしまった場合は、同じポストに再任されることはなくなります。これを悪用すれば、大学教員のリストラを合法的にやることができます。18歳人口が減少し、大学が生き残り競争に突入している現在、任期制が「法制化」されれば、私立大学を中心に、大学教員の大規模なリストラの嵐が吹き荒れることは必至です。国立大学の民営化の動きも出てきている中、国立大学教員のリストラもないとはいえません。

大学の教育研究は疲弊する
任期制による大学教員の身分の不安定化は大学の教育研究に何をもたらすでしょうか。
(1)優秀な人材が大学に集まらなくなる
分かりやすく言えば、大学教員は、住宅ローンも組めないような不安定な職業になるわけですから、優秀な人材が大学に集まらなくなり、大学の教育研究を人材面から掘り崩すことになります。
(2)地道で息の長い研究ができなくなる
文科系など、分野によっては研究の質を評価する基準が必ずしも確立されていない現状の下では、もっぱら業績の量を追求する悪しき業績主義がはびこることが危惧されます。また、任期中に形になる研究業績をあげることが求められるため、大学でなければできないような、地道で息の長い研究ができなくなり、長期的にはわが国の研究に退潮傾向をもたらすことになるでしょう。
(3)教育がないがしろにされる
教育活動の評価は研究業績以上に評価が困難であり、また、その成果は外からは見えにくいものです。したがって、学生教育に注ぐ労力は最低限に押さえて、あとはすべて研究業績づくりに励むという研究偏重・教育軽視の風潮が広がることが危惧されます。一つの大学に腰を据えて、熱心に学生教育に当たるような教員はいなくなるのではないでしょうか。大学院の博士課程などでは、5年間の在学中の途中で指導教官が他大学へ移動することなども頻発することになり、継続的な学生指導などできなくなります。

真に教育研究を活性化するためには
教育研究を活性化するためには、国立大学でいえば、低く押さえられてきている基礎的研究費や、国内学会に1回参加できるかどうかの研究旅費の増額、諸外国と比べて極端に少ない研究補助員の配置の改善等、物的、人的条件の改善が必要なことはいうまでもありません。しかし、最後は、われわれ大学教員の努力如何にかかっているといわなければなりません。そして、大学全体としての教育研究の活性化は、学生教育のあり方や改善方策、研究業績の公正公平な評価方法、採用人事・昇任人事における選考のあり方などに関して、われわれ大学教員が不断に自己点検を行い、改善の努力を積み重ねていくなかでしか実現できないのではないでしょうか。教育研究の活性化とは、本来、各大学におけるこのような自律的自発的営為の中でこそ遂行されるべきものであると考えます。大学教員の身分を極めて不安定なものとする任期制「法制化」は、学内行政への無関心や教育軽視の風潮を助長するものでこそあれ、教育研究の活性化に資するものだとは思われません。われわれは、以上の立場から、大学の学問、研究、教育の発展を阻害する大学教員の任期制「法制化」に強く反対するものです。

1997年4月25日
呼びかけ人
富山大学
人文学部
梅村智恵子(教授)中純夫(助教授)中河伸俊(教授)中本昌年(教授)永井龍男(助教授)丹羽弘一(講師)矢澤英一(教授)若尾政希(助教授)
教育学部
淡川典子(助教授)榎沢良彦(助教授)椚座圭太郎(助教授)内藤亮一(助教授)広瀬信(助教授)室橋春光(教授)山根拓(講師)横畑泰志(助教授)渡辺信(助教授)
経済学部
飯田剛史(教授)小倉利丸(教授)角森正雄(助教授)小松和生(教授)坂口正志(助教授)篠原巌(助教授)竹川愼吾(教授)堂谷昌孝(助教授)星野富一(教授)
理学部
川崎一朗(教授)小林武彦(教授)近堂和郎(助教授)鈴木邦雄(教授)竹内章(助教授)浜本伸治(教員)安田祐介(教授)山田恭司(教授)
富山工業高等専門学校
岩井正雄(教授・教職員組合委員長)田島俊彦(教授)
以上36名
賛同者
富山大学、富山県立大学、富山国際大学、富山女子短期大学、富山工業高等専門学校教員339名(含呼びかけ人)。内、富山大学、富山工業高等専門学校については、過半数の教員の賛同を得た。大学教員への任期制の導入は、大学教員の身分を不安定にするとともに、大学の教育研究に重大な悪影響を及ぼすことが懸念されます。われわれは、大学教員の間での合意形成をまったく行わないままに、現在国会に上程されている「大学教員等の任期に関する法律案」を強行成立させることに強く反対します。
事務局930富山市五福3190/富山大学教育学部/広瀬信/TEL・FAX45-6366


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1997年04月10日

富山大学教職員組合、声明「富山大学への教員任期制の導入に反対する」

富山大学への教員任期制の導入に反対する

富山大学教職員組合中央執行委員会
1997年4月10日

富山大学教職員組合中央執行委員会は、昨年12月の学長交渉における現学長の任期制に関する見解および、先頃閣議を通過したいわゆる「任期制法案」について、以下のような見解を中央執行委員会でまとめた。

96年12月の学長交渉における学長の見解に対する批判

はじめに
 昨年12月18日に行われた学長交渉において、小黒学長は、任期制導入について、「(大学審議会の)答申がでた以上、反対する、賛成するという問題ではない」と述べ、「国大協としては教員の流動性を高めるという大義名分には、逆らえない」という表現で、事実上任期制導入の流れには逆らえないとする立場を明らかにした。
 たしかに、任期制導入の動きは、大学審議会の答申として出され、さらに文部省は法制化のための具体的な作業をおこない、その法案が閣議を通過した現状をみたとき、任期制の法制化の危機が高まっていることは事実であろう。
 しかし、教員の教育、研究、生活の条件すべてにわたって根本的な変更を伴う任期制の導入を、大義名分には逆らえないとか、状況からいってその是非を議論している時ではないなどといってすますことはできない。任期制の導入が、文部省や大学審議会が主張するような、大学教員の研究・教育の向上をもたらすという見通しにどれほどの客観的な根拠があるのか、また、富山大学の現状からかかる任期制の導入が果たしてどれだけの意味があるのかについて、議論を重ねその是非も含めて判断する必要がある。
 大学審議会の答申でも法案でも、任期制導入は、大学全体に一律に行われるわけではなく、選択的任期制の導入という名目で各大学の実情に応じてその導入の意思決定は各大学に委ねられるとしている。その導入については、各大学の判断に委ねられるという内容になるはずであり、任期制の導入については、それを拒否することも受け入れることも、各大学の判断に任されている。とすれば、文部省の意向に唯々諾々として従うのではなく、富山大学として独自の意思決定をすることが可能であり、また、それがなによりも求められているのである。
 わたしたちは、昨年暮れの学長交渉における学長の判断をふまえて、現状において、また近い将来において、富山大学において、教員の任期制を導入する必要性はない、と考える。その理由を、学長交渉における学長発言への批判及びその他慎重に検討すべき課題に即して、述べる。

学長による現状評価について
(1)任期制導入が大学審の指摘する諸問題の解決策となる理由が示されていない大学審議会が指摘した大学の現状における問題点とは、教官の教育が学生のニーズ、社会のニーズに対応していない、国際的な競争に耐えうる研究水準が達成されていない、学生の知的好奇心を触発・持続させる充実した授業内容が少ない、伝統的な学問分野の枠組みにとらわれすぎた研究体制になっている、自由な競争的雰囲気の欠如、能力のある若手研究者の大学離れ、民間企業流出や海外流出が生じている、自校出身者比率が高く人材交流に乏しい、といった諸点である。わたしたちは、学長交渉において、上記の問題点を逐一とりあげて、富山大学の現状はどうなのかについて学長の判断を求めた。(富大職組ニュース38号参照)学長の評価では、部分的に妥当するとはしながらも、総じて緊急に改善しなければならない深刻な問題としての認識は示されなかった。また、任期制導入が富山大学が抱える現状の諸問題の解決に寄与するとする論理的な筋道も示されなかった。たとえば、任期制の導入が現状以上に学生や社会のニーズに対応できるものであり、学生の知的好奇心を触発する教育システムとなりうる理由は示されなかった。また、人事の流動化が現在以上に進展することによって、富山大学のような地方の国立大学において現在以上に優秀な人材が集まるという保証があるといえる理由についても、明確な発言はみられなかった。

(2)企業のリストラと同様、単なる財政支出削減策なのか
 しかし、学長は、企業のリストラを引き合いに出して、「国立の教官で何年も何もしていない人もいることは確かだ」と指摘した。これは、一般論として「国立の教官」を指しているのか、あるいは、富山大学の教官を念頭に置いているのか定かでなく、客観的な裏付けのある発言ではなく、学長の単なる主観的な感想であると理解している。
 企業のリストラは、コスト削減のために行われるものである。任期制導入もまた、文部省、大蔵省の財政支出削減策として行われるということなのであろうか。もしそうであるとすれば、大学審の答申ではこうした観点は全く示されておらず、非常に問題である。表向きは、大学審答申の理屈を掲げつつ、現実には財政支出削減策としての任期制の導入ということであれば、任期制導入を大学の研究・教育に意味あるものと評価する立場の教官、大学関係者をも裏切るものである。
 そもそも企業のリストラを大学の機構改革に当てはめることには大きな誤りがある。企業のようにコストを削減して利益を確保することが必要な組織のリストラは、「利潤」という基準があるが、国立大学のビヘイビアはそうした市場原理に支えられたものではない。研究・教育は、市場原理やそれに基づく競争原理によって評価しうるものではない。
 もし、企業のリストラを引き合いに出すというのであれば、わたしたちは、企業のリストラで優秀な労働者たちが職を奪われた多くの事例を想起せざるをえない。経営者の判断する優秀かどうかという基準はわたしたち働く者の立場に立つ労働組合が採用する基準にはなり得ないということを指摘しておきたいと思う。
 学長は、「国立の教官で何年も何もしていない人もいることは確かだ」と語っているが、何もしていない教員はいない。「何年も何もしていない人」という言い方は、多分「何年も研究業績を発表していない人」という意味であろう。しかし、こうした従来の教員への評価のあり方自体を大学審議会は批判していたのではなかったか。研究業績の数(質ではない)が少ない教員は、それだけをもって何もしていないとはいえない。教育活動の評価や、地域社会への寄与など多角的な視点での判断が必要なはずである。

いくつかの危惧すべき点
以上の他、学長交渉の席上学長から示された見解ではないが、大学審議会の答申に関して、以下の問題点を指摘しておきたい。
(1)教員評価は正しく行われるか
以上のように、任期制の状況に精通しているとおもわれる学長の場合ですら、教員の評価については、必ずしも正しい判断にたっているとは言えない。任期制が導入された場合、再任するか、任期切れで退職をすることになるか、という判断を常に行うことになる。特に、任期制のポストに採用されている教員が再任を希望しながら、人事組織では再任を拒否するといったケースが生ずることも大いに考えられる。こうした場合、いかにして公正な措置をとりうるか。少なくとも現状の人事制度ではこの点で問題がないとはいえない。
(2)財政支出削減策としての任期制導入でしかないのではないか
各部局等にたいして、現在定員削減の割り当てが行われているのと同じように、機械的に任期制ポストが導入されるおそれがある。これは、任期制による研究・教育効果についての適切な評価にもとづく導入とはいえず、人員削減や経費削減のための手段として任期制が利用されることになる。
(3)まず導入して、それから問題に対処するという危険性がある
教養部改組の場合、改組の決定が先行して、様々な問題が先送りにされたことで教養教育に大きな問題を残した。同様に、任期制導入でも、慎重な議論なしに、まず導入という大枠の方針を決定するといったやり方は、結果的に教員の犠牲を強いることになる。
(4)地方大学にとって、任期制導入はむしろデメリットになる
同じ地区に多くの大学が存在し、同一地域の他大学等へ転出する可能性のある大都市部とちがって、地方大学では、任期制を導入した場合、遠方への転居にともなって、研究・教育は完全に中断してしまう可能性がある。そのため、転出してしまえば、学生、院生への指導は中断し、学生への教育効果上は大きなマイナスとなる。また、研究成果をあげるのに長期の時間がかかるような研究は着手しにくくなり、地方大学における研究対象の選択の幅が大都市部の大学に比べて狭められることになる。

文部省による任期制法案について
大学審議会答申を踏まえて、4月8日に、文部省は任期制法案を閣議に提出し、了承された。この法案について、下記の点で問題があると考える。
法案の目的についての問題点
目的として、「大学等において多様な知識又は経験を有する者を教員等として確保すること」(第一条)とあるが、こうした多様で豊富な経験者の採用は任期制によってしか確保できない理由はどこにあるのか。こうした不安定な雇用でしかも給与等の条件も悪くなる任期制ポストで果たして「多様な知識又は経験を有する者」を確保することができるのであろうか。逆に、任期制は、優秀な人材の使い捨てにならないとも限らない。

任期制を導入するポストについての条項の問題点
(1)任期を定めることができる要件を第四条で定めている。その第一項で、「先端的、学際的又は総合的な教育研究であることその他当該教育研究組織で行われる教育研究の分野又は方法の特性にかんがみ多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき」とある。どのような学問であれ、「先端的」であることを目指すのは研究者として当然のことであるとすれば、すべての研究職に任期制が導入されるというこになる。また、最近の富山大学における学部改組、大学院設置等の中で、学際的な研究が重視されるケースが増えていることをふまえると、「学際的又は総合的な教育研究」への任期制導入条項は、新たな改組等にともなう任期制導入の根拠とされる危険性がある。
 同時に、「先端的、学際的又は総合的な教育研究」に取り組もうとする野心的な教員や、学部の専門教育分野の枠組に含まれない研究教育分野を担当する教員ほど任期制のターゲットとなり、不安定な身分を強いられるということになりかねない。
(2)同上第二項には、「助手の職で自ら目標を定めて研究を行うことをその職務の主たる内容とするものに就けるとき」とある。あえて、助手というポストを指定する意味がどこにあるのか。法案の目的である「多様な知識又は経験を有する者を教員等として確保する」という趣旨と一体どのように整合するのか不明である。
(3)同上第三項には、「大学が定め又は参画する特定の計画に基づき期間を定めて教育研究を行う職に就けるとき」とある。任期内に終了する短期的なプロジェクトをどのように大学で決定し、どれだけの教官定員をかかるプロジェクトに振り向けるかといった現実の運営を念頭に置いた場合、従来の学部における研究教育システムの大幅な変更を強いることになる。本来、こうした短期的なプロジェクトを組んで研究者を招聘する場合に、教官定員を利用することには無理がある。むしろ客員研究員等に制度を充実させることが必要なのではなかろうか。
助教授以下のポストにいる現職にも導入される可能性がある
文部省による「法律案の概要」のよれば、任期制の導入は、「新たな任用(採用、転任、昇任等)を行う際に任期を定めることとする」と説明されている。とすると、現在助手、講師、助教授が昇任する場合、学部の改組等で他の講座等へ配置替えになる場合などの際に任期制が導入される恐れがあるということである。教授の場合も、そうした恐れがないとはいえないが、昇任はありえないので、その危険性はかなり低くなる。
 人事が教授のみを構成員とする人事教授会に委ねられている現状をふまえたとき、場合によっては、助教授以下の若手の構成員にとっては、今回の法案が成立した場合には非常に不利な立場に置かれる可能性がある。

まとめ
 以上のように、任期制については、大学審議会答申および文部省による法案ともに、多くの疑問点がある。法案にいたっては、審議会答申の内容とも食い違い、恣意的な運用が可能な曖昧な表現に終始しており、とうてい是認できる内容とはいえない。また、富山大学の現状を見た場合にも、任期制を導入しなければならない必然性は見当たらない。むしろ、任期制導入がもたらす研究教育上のデメリットの方が大きいと判断せざるを得ない。
 富山大学教職員組合中央執行委員会としては、大学審議会の答申、任期制法案に基づく任期制の導入は、教員の身分および研究、教育を著しく不安定にするものであると判断せざるを得ない。また、現学長との交渉でもこの点の危惧を払拭することのできる見解を得ることはできなかったと判断している。
 従って、富山大学教職員組合中央執行委員会は、現学長、次期学長候補、そして各学部の学部長にたいして、任期制法案の成立に反対し、また富山大学への導入を行うことのないよう要望するものである。
 大学教員に対する任期制導入の問題について、執行部としては以上の通り見解表明を行います。この見解内容に対してご意見、ご批判など有りましたら、ぜひ中執までお寄せ下さい。組合ニュースへの投稿も歓迎いたします。


Posted by 管理者 : 掲載日時 1997年04月10日 12:53 | コメント (0) | トラックバック (0)
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