公大協
掲載事項(記事)一覧


2005年08月24日

公立大学教職員組合協議会、2005年度第1回委員会報告

北九州市立大学教員組合
 ∟●組合ニュース16号(公大協2005年度第1回委員会報告) 

公立大学教職員組合協議会 2005 年度第1回委員会報告

日 時:2005 年6 月25 日 (土曜日) 13:00-17:00
         26 日 (日曜日) 9:00-12:00
場 所:大阪市天王寺区 天王寺東映ホテル
出席組合:24 大学(組合)、全国大学高専教職員組合(全大教)
北九大学組合参加者:北美幸(25 日)・金貞愛(25・26 日)・中内哲(26 日)・後藤宇生(25・26 日)

6 月25 日・26 日の2 日間にわたり、大阪で開催された公立大学教職員組合協議会に参加しました。以下、協議会での各大学の報告ならびに配布資料を基に、第1 回協議会についてご報告します。

内容:
Ⅰ. 特別報告
講師:米津孝司氏(東京都立大学法学研究科教授:専門・労働法)
演題:「公立大学の独立行政法人化と教員の身分・労働条件
    ―公立大学法人首都大学東京の開設を例に―」

 東京都が2003 年8 月1 日に『都立の新しい大学について』を発表した後(都立大学関係者では.8.1 事変と呼ばれている)、都立大から首都大学東京に移行する際に起こった様々な行政サイドと教員サイドの衝突の歴史(任期制・年俸制の導入問題など)、現状の組織と将来的展望について報告された。
 特に、8.1 事変以降、首都大学東京への就任の意思確認書・就任承諾書提出をめぐる攻防、その提出と提出時期の違いによる昇任・昇給等の差別があることを詳細な資料を基に報告された。(*)また、東京都立大学・科学技術大学・保健科学大学・短期大学が合併して首都大学東京が開設されたことから、教員数過剰問題が発生しており、今後、教員のリストラが発生する可能性があること示唆。最後に、都立大学の独立法人化方式が、全国的に波及することを危惧されて講演は終了した。

*東京都立大学法人化に関する詳細な情報は、東京都立大学・短期大学教職員組合のHP を参照されてください。
URL: http://www5.ocn.ne.jp/~union-mu/

Ⅱ. 単組報告
平成17 年度4 月法人化移行大学からの報告

① 大阪府大学教職員組合
・ 法人化:2002 年2 月から議論スタート。2004 年3 月大阪府議会で可決。2005 年4 月1 日法人化。
・ 法人に承継され、教員は非公務員に。事務は公益法人派遣法等に基づき、大阪府から派遣。
・ 給料に業績を反映させる特昇の導入。
・ 10 年間で教員25%削減。職員、相当数の削減。
・ 組合は、弁護士と社労士を雇用し、労働協約(労使関係・団体交渉・争議行為・教育研究活動) の締結のため交渉中。2005 年5 月17 日には、36 協定(時間外・休日労働に関する協定)違反があったとして、理事長から教職員組合への謝罪を引き出した。

② 東京都立大学・短期大学教職員組合
・ 特別報告された米津孝司氏の補足。
・ 団体交渉(就任承諾書未提出者のボーナス・定期昇給の確保など。)結果、就任承諾書未提出者のボーナスは認められた。
・ 36 協定をまだ結んでいない。(違法性があり、訴える要素あり。)
・ 就任承諾書未提出者の重点研究費を拠出することはない。

③ 長崎県立大学教員組合
・ 2005 年度4 月より長崎県公立大学法人スタート。長崎県立大学・シーボルト大学により1 法人2 大学でスタートし、2008 年度に1 法人1 大学へ統合予定。
・ 任期制:同意する教員のみ。その他の教員は定年制。任期は5 年間で再任1 回まで可。現在のところ、任期制に同意した人はごく一部(県立大)
・ 任期制の継続について県が再考中。

④ 北九州市立大学教員組合
・ 法人化過程について報告。
・ 行政側の就業規則(案)作成が大幅に遅れ、2005 年3 月にすべての案を提示。
・ 教員評価制度の導入。(教育・研究・学内行政・社会貢献の4 領域の活動をポイント化)2006 年度に研究費配分に反映。2007 年度には昇任・賞与等にも反映させる可能性を報告。
・ 学部内決定:一部教員で構成される常任委員会を活用。
・ 人事権:教授会から教育研究審議会に移行。
・ 教員研究費・旅費の執行に関しては、法人化以前と比較して柔軟化傾向がある。
・ 検討課題:専門職大学院の設置・学部学科再編。

法人化を検討している大学
① 兵庫県立大学教職員組合
・ 2004 年4 月、神戸商科大学、姫路工業大学、兵庫県立看護大学が合併して、発足した。
・ 2005 年6 月に学長が懇談会にて『独法化しないこと』を言明。
・ 行政側も、法人化しないで法人化の内容を取り込む『兵庫方式』に自信。しかし、兵庫方式によっても、教学と経営の分離、成果主義、基礎的研究費の削減、任期制、学長への権限集中など、法人化と変わらない変化も。

② 愛知県立大学教員組合
・ 2007 年4 月より法人化予定。1 法人3 大学(愛知県立大学、愛知県立芸術大学、愛知県立看護大学)でスタート予定。
・ 2009 年4 月、県立大学と看護大学の統合予定。

③ 滋賀県職員組合・県立大学教職員協議会
・ 2003 年度に知事が法人化の意志表明。2006 年度4 月より法人化予定。
・ 組合活動により、学長と理事長の分離案の変更、教育研究評議会の構成メンバーに学部選出教員を加入、一律任期制の導入を見送る見解を引き出した。
・ 2005 年度の一般研究費傾斜配分について、県大教が学問領域の違い、学科・専攻の性格の違いなどの根拠にもとづいて、学科・専攻ごとに評価の自主性を認めるよう、強く学長に申し入れた。その結果、一部の学部・専攻において、学長案に一定の修正を加えた配分方法を認めさせることができた。

④ 和歌山県職員労働組合・医大支部
・ 2004 年5 月に県は、『和歌山県立医科大学改革基本方針』を打ち出す。
・ 2006 年度に法人化予定。
・ 任期制導入、年俸制の検討。

⑤ 名古屋市立大学教職員組合
・ 2005 年7 月8 日市議会で法人化に関する定款を決定予定。
・ 教授会の役割、学長選挙、労働安全衛生、事務体制等に関して検討中。

⑥ 神戸市立外国語大学
・ 2003 年9 月、2006 年4 月以降に法人化する方針を市長が表明。2005 年3 月に、法人化は2007 年4 月に変更。
・ 2004 年度における現管理職が法人化後も兼務することを発表。

Ⅲ. 事務局提出議案

 2004年度第2回委員会事務局提案において、『公立大学教職員組合協議会のさらなる組織充実の緊急性』が事務局から、提出され議論された。具体的には、公立大学教職員組合協議会を発展させ、『全国公立大学教職員組合』が結成する旨の提案がなされた。それを受け、今回の委員会においても、再度、現行の公立大学教職員組合協議会を、①交渉機能の充実(関係諸機関・団体との交渉)②交流活動(国立大学・私立大学)③調査・政策機能の充実(各種調査活動、各種資料作り、政策立案)等を目指し、加盟組合の上部組織とする『全国公立大学教職員組合(仮称)』を立ち上げるべきとの事務局からの提案を受けた。
 委員会出席者からは、『時期尚早ではないか?』『組合間の温度差がある。横浜市立大学が公立大協議会を脱退した時と同じようなことが起こり、脱退する組合が出てくる可能性がある。』『全大教との関係はどうなるのか?』『必要性と交渉力は本当にあるのか?』などの意見がなされた。
 これらの意見を受け、来年度の委員会で、再度、案を提出することを事務局から提案され、了解された。

Ⅳ. 公立大学教職員組合協議会第1 回委員会に参加して(雑感)

・ 今回、教研審議会・経営審議会などへの大学の組織変更や研究費の傾斜配分など、全国の公立大学(法人)の情勢が分かり、ようやくここ数年の北九大の動きの全体像が把握できました。大変勉強になりました。そうやって関心は高まったのですが、刺激が強すぎたのか、ここ最近、確実に自分が以前より「ウルサク」なっているのを感じます。今後は、今回学んだことをよい形で組合員の皆様にお返しできるよう頑張ります。(K)
・ 各大学の報告や意見を聞く中で、法人化の必要性・理念等に関する行政側の説明不足や法人化の準備不足をどの大学の教員も感じており、そのことが、余計に教員サイドの不安感を増大させていると感じた。しかし、各大学の報告は、法人化のデメリットを強調することばかりで、議論のバランスが悪いと感じた。デメリットの事例を蓄積し、今後の参考にすることも大切だと思うが、法人化のメリット部分を引き出すことについて議論する時間を持つことも大切なのではないか?と感じた。頑張りたい。(G)


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年08月24日 00:01 | コメント (0) | トラックバック (0)
URL : http://labor.main.jp/blog/archives/2005/08/20051.html