(国)三重大
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2003年03月11日

三重大医学部に任期制 実力強化狙い5~10年、16日決定/三重

朝日新聞(2003年03月11日)

 三重大は16日の評議会で医学部、同付属病院の教授、助教授、講師、助手に5~10年の任期制導入を決める方針だ。他学部の教員にも広がる可能性もある。実力強化がねらいというが、恣意(しい)的な運用を懸念する声もあり、同大の教職員組合は勉強会を始めた。

 医学部が教員に示している案では、任期は教授10年、助教授・講師7年、助手5年。計約280人が対象になる。再任は新設する評価委員会が、論文数、国から受けた研究費、学生指導力について教授の三段階評価――の3点を基に決める。

 97年8月に「大学の教員等の任期に関する法律」が施行され、本人の同意があれば、任期制は認められる。文部科学省によると全国99国立大の約半数が導入済みだ。


 ●カンフル剤

 医学部教授会は6月に導入を決めた。大学運営の決定機関の評議会に16日、諮られる。医学部の若山実総務課長は「レベルアップのためのカンフル剤になる」。

 医学部はまず助手から同意書を集めようと見本の用紙を配った。「断ると白い目で見られ、研究室にいられなくなる」と話す助手もいるが、若山課長は「反対は聞いていない」。

 ある教授は「一度ポストを得たら、何もしなくても定年まで働ける今のシステムはおかしい」と賛成だ。

 別の教員も「まともに教えない教官がごく少数いる。辞めてもらった方がいい」。


 ●行財政改革

 国は教員の多様性、流動性を広げようと来年1月、国会に国立大法人化法案を提出する。行財政改革の一環でもあり、04年開始目標で約12万人の教職員を国から切り離す。教職員は雇用契約を結び直し、兼業・兼任、ワークシェアリング、業績重視の給与体系が可能になる。任期制も拡大の見込み。いずれも国際競争力向上のためという。


 ●不安の声も

 2日夕、人文学部教職員組合が「国立大学法人化と教員の法的地位について」をめぐり勉強会を開いた。約20人の教員らが出席した。「すぐに業績が出せる研究や国が気に入る研究しかできなくなる」「教授が恣意的に教員を辞めさせるのではないか」と懸念する声が出た。

 生物資源学部の教職員組合も18日夜、弁護士を講師に招き、労働者として法的にどう守られるのかなどについて学ぶ。

 同大教職員組合連合会の組織率は約15%と低い。「大学側のいいように押し流されないよう、組織率を高める必要がある」と委員長の八木規夫教育学部教授は話す。

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1997年04月25日

大学教員の「任期制」法制化に反対する三重大学教員アピール

(出所)都大教ホームページより

大学教員の「任期制」法制化に反対する三重大学教員アピール

 政府はこの4月8日、大学教員に任期制を導入するための法案を国会に提出しました。
この法案は、大学教員に数年の任期をつけて雇用する制度を可能にしたものです。任期を定められて任用(採用・昇任・配置換えなどを含む)された教員は、期限が来たらいったん退職となり、あらためて公募等による「採用審査」に合格しなければ再任されないことになります。任期付き教員が採用されるポストは、きわめて恣意的に決められる可能性があり、実質的にはすべての教員にひろげていくことができるものです。たとえば現在の教員が昇任したり他部局へ配置換えになったりする際にも適用されることが十分起こりえるものになっています。大学教員の驚くべき「解雇法案」といえるでしょう。
 大学が研究教育を活性化させ、社会的な責任を果たしていくことは私たちの願いです。その意味で、現在大学の研究教育活動は問題を多く抱えているといえます。大学の研究教育活動を活性化させたいという善意の素朴な「任期制賛成論」も配慮されなければならないのも事実です。しかし、法案やそのもととなった大学審議会の答申がいうような、問題の根本が「人事の停滞」にあり、したがって人事の流動性を高めなければならず、そのために任期制を導入するという論理にはにわかにはうなずけません。私たちは任期制の導入が、次に述べるいくつかの点から、大学に大きな弊害をもたらし、問題の解決をかえって遅らせるものと懸念し、強く反対を訴え、法案の撤回を求めるものです。

1.大学の研究教育をほんとうに活性化させるためには、直接学生や地域の人々、国民の声を汲み上げながら、私たち自身の創意と熱意を集約していく大学のシステムを創り上げていく教員の努力がまず何よりも重要でしょう。これまでも私たちは共通教育や専門教育の改革、あるいは三重県や国連といった地域社会や学外機関との共同研究などにとりくんできました。こうした努力をいっそう多様にまた広範に進めていく意志をもっています。そしてそのためにこそ研究費や研究旅費、施設・設備、事務職員や技官といった研究支援体制など、予算と定員をそれにふさわしく充実させることが必要です。
2.任期制のもとでは、大学教員の身分と生活が不安定なものとなり、安心して研究教育に専念できなくなります。そのため継続的、系統的な教育研究の基盤が揺るがされ、長期的な活動のうえに成果が現れるような基礎的研究や独創的研究、あるいは地域に根ざした研究はむしろ衰退します。身分保障のない大学にはかえって有為な人材が集まりにくくなるでしょう。その結果、ほんとうに地域や国民に貢献しうる学問研究の発展が阻害されてしまいます。
3.「任期制」のもとでは、今以上に、業績の適正、公平な評価がなされず、若手が研究教育内容について自由な発想で発言していく雰囲気が抑えられ、短期間で論文の量を競うような「業績主義」が蔓延することが予想されます。そうなれば、系統的な学生教育に対する手抜きも生まれます。そのことは地域や国民の声を反映させる努力に水をかけることになります。それが国民にとって大きな損失となることは明らかでしょう。
4.「任期制の導入は大学の選択による」とされています。しかしこれまで私たちが経験してきた大学改革の経緯から考えても、また法案のもとになった大学審議会の答申が「導入する大学には財政的な措置をとる」ことをはっきりうたっていることからみても、いったん法制化されれば、実質的には導入を強制されることは間違いないでしょう。そうなれば、大学の研究教育活動にとって本質的に重要な「権力からの自立」が今以上に脅かされることになります。
5.この法律は、「1年以上の期限をつけて雇用する」ことを禁じた労働基準法の精神を崩すものであり、これが突破口となってすべての労働者の「任期つき雇用」に道を開くおそれがあります。
6.ユネスコが今秋に採択を予定している「高等教育教職員の地位に関する勧告案」には、「終身在職権は学問の自由を保障するために不可欠である」と謳われています。研究者を競争させて「課題」をこなさせようとするムチの発想ではなく、学問研究の自由を保障しつつその能力を最大限発揮させるにはどうするかが考えられなければならないでしょう。たとえば、若い助手時代には必ず一年以上の研究留学を保障するなどの施策の方が、「任期」をつけるよりもはるかに有効なはずです。今回の「任期制」の法制化は、そのような教員の地位確立と研究条件や待遇の改善をはかっていく世界的な趨勢に逆行します。

 以上のように、今回の「任期制」導入のための法制化は、私たち大学人にとっても、そして国民にとっても重大な問題をはらんでおり、認めることはできません。私たちはここに三重大学教員としての意志を発表し、大学関係者ならびに国民のみなさまのご理解をお願いするものです。

1997年4月25日

三重大学教員有志
第1次賛同者
麻野雅子(人文)阿閉義一(工)泉琉二(教育)伊藤隆司(教育)
岩城俊昭(生資)上垣渉(教育)上野達彦(人文)内田富儀(教育)
大野研(生資)河崎道夫(教育)川島正樹(人文)児玉克哉(人文)
佐久間美明(生資)櫻谷勝美(人文)佐藤廣和(教育)佐藤年明(教育)
佐野和博(工)島津秀典(人文)関口秀夫(生資)高山進(生資)
武田明正(生資)田中晶善(生資)田中啓勝(教育)丹保健一(教育)
鶴原清志(教育)手塚和男(教育)冨野孝生(教育)那須弘行(工)
中村哲夫(教育)新居淳二(教育)西川洋(人文)西村智朗(人文)
野崎哲哉(人文)野田明(人文)波場直之(工)東晋次(教育)
平石賢二(教育)平田元(人文)平野喜一郎(人文)廣瀬英一(人文)
藤田達生(教育)星野貞夫(生資)本田裕(教育)松永守(工)
森俊一(人文)森脇健夫(教育)山田康彦(教育)山根栄次(教育)
渡邉守(教育)渡邉保博(教育)(五十音順)


Posted by 管理者 : 掲載日時 1997年04月25日 10:37 | コメント (0) | トラックバック (0)
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