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1997年05月12日

京都府立大学人間環境学部教員団、「大学の教員等の任期に関する法律案」反対声明

(出所)都大教ホームページより

「大学の教員等の任期に関する法律案」反対声明

 今、国会には「大学の教員等の任期に関する法律案」が上程されています。この法案は、大学における教育研究を活性化するとの名目のもとに、大学教員の任期付き任用を進めようとするものです。この法案に対し、全国の大学関係者をはじめ各方面から「任期を決めてしまうことは学問の構築の害になる」「任期満了時の身分保障がなく教員の生活をおびやかす」「今回の法案は難点が多く、目的としてかかげている大学の活性化にもつながらない」など様々な問題点が指摘されています。私たちはこの法案の最大の問題点は、「教員の任期を定めることによって大学の活性化はできないばかりか、逆に大学における教育研究の正常な発展を阻害するものである」という点にあると考えます。
 この四年間、京都府立大学では新しい時代にむけた大学像を模索し、さらなる教育研究の活性化のため、基本目標と将来計画を策定しました。この中で、地域に根ざした個性的で、府民に魅力ある学部、学科を新設しました。同時に公立大学として生涯学習に寄与し、急速に変化する社会のニーズに対応して教育、研究の高度化をはかるために大学院の整備を目指した大学改革を進めています。
 私たち人間環境学部の教員はこの間、教育研究の活性化について様々な議論・検討を行ってきました。私たちも、法案第一条に「目的」としてかかげてあるように「大学等において多様な知識又は経験を有する教員等相互の学問的交流が不断に行われる状況を創出することが大学等における教育研究の活性化にとって重要であること」と考えます。しかし、大学教員に任期制を導入することが、大学の教育研究を活性化する方策として有効であるとの考え方には同意することができません。
 つまり、教育研究の活性化にとって「多様な人材」は必要ですが、大学の中に安定した教育研究の機会と環境が保障されなければ、優れた人材を集められないばかりか、新時代に対応し、市民の学習研究意欲に応える体制を充実・整備することもできません。このため、教員の身分保障を徒に不安定化する危険の大きい、この任期制導入による人材の流動化は、むしろ教育研究機会・環境を悪化させ、大学の全体的な活動を不安定なものにする恐れが大きいと考えられます。
 この法案は、大学の教育研究の発展を目指すとしながら、機会・環境の改善、制度の充実・整備の必要性に何ら具体的に応えることなく、「教員の任期に関する制度」のみを定めることをねらっている内容です。私たちは大学における教育研究の進展、活性化を脅かす危険をもつものとして、この法案の成立を深く憂慮しています。よって、ここに政府文部省の「大学の教員等の任期に関する法律案」の国会上程に抗議し、同法律案に対する反対を声明いたします。

1997年5月12日
京都府立大学人間環境学部教員団


Posted by 管理者 : 掲載日時 1997年05月12日 14:30 | コメント (0) | トラックバック (0)
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