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2008年07月10日

千葉大学、テニュア・トラック制導入の問題点

千葉大学ユニオン
 ∟●ユニオンニュース、第39号(2008 年6月25日)

テニュア・トラック制について:その問題点

 平成20 年度科学技術振興調整費「若手研究者の自立的研究環境整備促進」プログラムに、千葉大学から申請されていた「優れた若手研究型教員の人材育成システム」が採択されました。
 「若手研究者の自立的研究環境整備促進」プログラムとは、「若手研究者が自立して研究できる環境の整備を促進するため、世界的研究拠点を目指す研究機関において、テニュア・トラック制(若手研究者が、任期付きの雇用形態で自立した研究者としての経験を積み、厳格な審査を経て安定的な職を得る仕組みをいう)に基づき、若手研究者に競争的環境の中で自立性と活躍の機会を与える仕組みの導入を図る」ことを目的とするものです。
 これによって優秀な若手研究者が安定した環境で研究を行うことができるとすれば、一見望ましい制度のように見えるのですが、ここには看過しがたい矛盾が含まれています。テニュア・トラックとは、プログラムの公募要領にもあるとおり、「審査を経て安定的な職を得る仕組み」を指すはずです。しかしながら、現段階においては、千葉大学の一部の部局では任期制を導入しており、この分野でかりに優れた業績を上げてテニュア准教授(教授)に任用されたとしても、そこに待っているのは「安定的な職」ではありません。…


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1996年11月21日

千葉大学教職員組合、大学教員の任期制に反対する

(出所)都大教ホームページより

大学教員の任期制に反対する

1996年11月21日千葉大学教職員組合執行委員会

 大学審議会は10月29日に「大学教員の任期制について」と題する答申を行なった。答申は、大学における教育研究の「活性化」のために教員の「流動性」を高めることが必要であり、その方策として任期制の導入が有効であるという。しかしながら任期制は、現在の大学のかかえる問題を解決するどころか、逆に研究と教育のさらなる貧困化を招くものである。私たちは、いかなる形の任期制をも決して容認することができない。
 現在の大学における研究と教育が、十分に行なわれているとは私たちも思っていない。予算と人員が貧困なままで、大学改革の名のもとに課せられる仕事が増える一方であり、近年、大学教員の多忙化は著しい。このうえに任期制が導入されれば、短期間に成果があがるような研究テーマを選ぶようになり、基礎的な研究や長期的な展望のもとでの研究はおろそかになりかねない。いたずらに競争原理を導入し、表面上の「活性化」を追い求める先には、研究と教育の枯渇が待っている。研究費と定員の充実により、ゆとりある環境を整備することこそ、独創的な研究成果を生み出し、すぐれた人材を育成する唯一の道なのである。
 答申は大学教員の「流動性」を重視する。だれしも、自分の研究内容に見合った設備やフィールドのある環境へ移りたいものである。しかし、現状では研究・教育条件に関する大学間格差が存在し、あえて条件の悪い大学へ移ろうとするものはいない。大学間格差が解消されれば、対等な人事交流が増えることだろう。しかしそれは、あくまでも結果であり、「流動化」それ自体を自己目的化して任期制を導入するのは本末転倒である。なお、わが国の貧困な住宅事情も人事交流の障害となっていることを付け加えておく。
 答申は、「選択的任期制」が適切であるという。これは、任期制を導入するか否か、また、どの職種に導入するかを、各大学の判断にゆだねるというものである。しかし、これまでの大学政策からみて、新しい組織や定員の要求に際して任期制の導入が付帯条件とされかねない。そうなると「選択的任期制」も有名無実となる。任期制導入の理由のひとつとして、答申は「いったん教員に採用された後は、業績評価がなされないまま、年功序列的な人事が行われ」ているという。実際はそうではなく、助手をはじめ若手教員に対しては、昇任の際に業績審査が行なわれている。それにもかかわらず、答申は「特に、若手教員の育成の観点から、助手への任期制の導入は重要である」という。若手の育成のためというよりも、むしろ、若手の使い捨てのための任期制といわざるを得ない。
 答申は、任期制の導入にあたって「公務員関連法制や労働関係法制等との関係」について「所要の措置を講じることが必要である」という。すなわち、任期制は現行の労働法制に抵触するものであり、ひとたび任期制導入のために関連法制が改悪されれば、これは他の公務員、そして民間労働者へと波及しかねない。私たちは労働者の人権を守る立場からも、任期制の導入に反対する。
 千葉大学では、当局が各部局に対して任期制に関するアンケートを実施した。その結果は反対意見が多数で、賛成意見もほとんどが条件付きであった。丸山工作学長は6月の評議会で、「本学においては現時点では任期制を採用しない」との見解を表明された。さらに10月の本組合との会見においても、学長は「若いうちに自主的にいろいろ渡り歩くのはよいと思うが、制度として縛るのは研究・教育に悪い影響の方が大きい」と述べられた。私たちは、学長の見識に敬意を表し、この姿勢を堅持されることを希望する。私たちもまた、任期制を許さないたたかいに全力をつくす所存である。


Posted by 管理者 : 掲載日時 1996年11月21日 12:57 | コメント (0) | トラックバック (0)
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