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1997年03月28日

岩手大学教職員組合、大学教員の任期制法制化に反対する声明

大学教員の任期制法制化に反対する声明

1997年 3月28日

岩手大学教職員組合常任委員会

 大学審議会は昨年10月29日に「大学教員の任期制について」を政府に答申しました。政府は現在この答申を受けて、今期通常国会において特別立法をもって大学教員への任期制の導入を強行しようとしています。事態は予断を許さない状況となっています。

 答申は、任期制導入のねらいがあたかも「教育研究の活性化」や「若手教員の育成」にあるかのような言辞を弄していますが、その真のねらいは、大学における学問研究の自由を奪い、併せて大学の自治を奪い取り、国民のための大学から財界に奉仕する大学へと転換させることにあります。産官学共同ならぬ産官学一体化路線とでも言うべきものです。そのためにこそ特別立法措置を講じ、これまで公務員や教育公務員特例法あるいは労働基準法や学校教育法などによって築き上げられ、また、守られてきた教職員の身分保障と労働者の保護規定を否定し、大学教員の雇用に「規制緩和」を導入するということなのです。しかも、このねらいは大学教員に止まるものではなく、公務員一般ひいては労働者全体に押し広げられる危険性があり、従来の日本型雇用を解体し、いつでも解雇可能な労働市場を形成しようとするものに他ならないのです。

 そうしたねらいが隠されているからこそ、昨年9月に「審議の概要」が発表されて以来、国立大学協会をはじめ大学関係諸団体の意見は、明確に反対を表明したものや任期制の危険性を指摘し、導入に慎重さを求めたものがほとんどを占めているのです。例えば、国大協は任期制導入の問題点として、長期的な教育研究計画が困難になること、学問研究の自由が脅かされる危険性があること、業績主義に陥りやすいこと、再任を認めない場合失職するしかないことなどを挙げているのです。

 政府はこうした大学関係者の意見に耳を傾ける事なく、秘密裏に任期制の法制化を準備しようとしており、そのことは文部省が今もって法案の内容を一切明らかにしていないことにも現れています。

 私たちは、大学教員の「生活権」を奪い、大学における学問研究の自由を奪い、そして大学自治の崩壊を招きかねない「任期制法制化」を断固として認めるわけにはいきません。またこうした動きが、全労働者へと拡大される危険性を座視する訳にもいきません。特に、大学教員の権利や身分を不安定にすることによって、そうなりたくなければ競争しろとでも言うべき脅迫まがいの任期制は、私たちの研究教育の基盤とも言うべき人間性を冒涜するものであり、まさしく歴史を逆行させる行為であると言わなければなりません。

 岩手大学教職員組合常任委員会は、大学教員の任期制の法制化が大学教員や大学の有り様に、さらには日本の労働者全体や日本の将来にとって、極めて重大な危機をもたらすものであることを広く国民に訴えるとともに、「大学教員任期制の法制化」の反対運動を引き続き進めていくことをここに表明致します。


Posted by 管理者 : 掲載日時 1997年03月28日 12:01 | コメント (0) | トラックバック (0)
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