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2006年05月
掲載事項(記事)一覧


2006年05月29日

横浜市立大教員組合、教員全員任期制の導入など人事関連事項について回答を求める

横浜市立大教員組合
 ∟●組合ウィークリー(2006.5.25)

2006年5月22日

公立大学法人 横浜市立大学 

理事長 宝田 良一 殿
横浜市立大学教員組合 

執行委員長 岡 眞人

団体交渉の文書回答項目に関する要求書

4月25日に行われた団体交渉において積み残しとなった項目につきまして、その後、文書による回答をお示しいただきました。つきましては、これに関する当組合の見解を以下項目ごとに申し述べますので、再度ご回答いただきますようお願い申し上げます。ご回答は、再度の団体交渉の開催、もしくは文書により、6月上旬までにお示しいただきますよう要望いたします。

一 現在、大学当局が進めている教員昇任人事および関連事項に関する要求

1.現在、大学当局が進めている本学教員の昇任人事プロセスは不透明かつ説得力に乏しく、教員間に不安や疑念を引き起こしている。今回は特に昇任候補者の推薦が誰のどのような判断基準に基づいて行われたのかについて明快な説明を求める。さらに、今後どのようなプロセスを経て昇任決定に至るのかについて具体的な説明を求める。

当局側回答 4月25日団体交渉で回答済み。

組合の見解 4月25日には、申し入れ書の後の推移を中心とした説明はなされたが、申し入れ書で求めた「昇任候補者の推薦が誰のどのような判断基準に基づいて行われたのかについての明快な説明」は依然として不十分であると考える。より明確で透明性のある説明をするよう努められたい。

2.今回の大学改革における教員全員任期制の導入は関連法規の条文と付帯決議、法曹界での議論にてらして違法性が極めて強いばかりでなく、関係教員の労働条件の一方的な不利益変更にあたるというのが当教員組合の一貫した基本的見解である。横浜市立大学から公立大学法人への移行に際して、教員の身分は法に基づいて継承されている。この身分継承者が教授等への昇進に際して、すでに獲得している定年までの期間の定めのない雇用保障に関する権利を放棄するよう強制されることは重大な労働条件の不利益変更に当り違法である。したがって、昇任有資格者と認定された者に対して、任期制受け入れの諾否に係らず速やかに昇任の発令をすることを求める。昇任の機会を利用して任期付き雇用契約への同意を強制することは、重大な違法行為であると当組合は考えていることを通告する。

当局側回答 通告なのでコメントはありません。

組合の見解  「重大な違法行為であると当組合は考えていることを通告」したのに対してコメントがないというのであれば、当組合の主張する違法性を認めたと解される。ただちに、昇任人事にあたって任期制受け入れを条件とする方針を撤回したことを文書で確認することを求める。もし、当組合の主張を受け入れず違法性の認識がないというのであれば、当局は合法性の論拠を明確に述べる義務があり、このような回答では団体交渉における誠実交渉義務を果たしているとは言えない。期間の定めのない雇用における昇進の機会がある制度からその可能性がない制度への変更は、重大な労働条件の不利益変更に当たるという組合の再三の指摘に、当局はこれまでなんら明確な反論をしていない。再度の回答を求める。

3.任期付の雇用契約を教員が受け入れた場合、どのようなメリットとリスクが生じるかについて、雇用主としての公立大学法人は詳細な説明を行い、労働契約条件を文書で示し、しかるべき考慮・検討時間を保証する必要がある。このプロセスを欠いた労働契約は無効であるというのが当組合の基本的見解である。この立場を踏まえ、次の事項を要求する。

昇任後の賃金、労働条件について文書で明示することを求める。

当局側回答 雇用契約書及び労働条件通知書を示し、雇用契約を結ぶ手続きを行いますので、その際に賃金等について明示されます。

組合の見解 「任期付の雇用契約」を受け入れる以外に昇進はないという提示のしかた自体に問題があると考えているが、さしあたり当該契約について以下の点を求める。
 (i) 雇用契約書及び労働条件通知書の雛形を組合に提示されたい。
 (ii) 今年度の昇任人事における賃金算定基準についての原則ないし考え方を説明していただきたい。

昇任人事に際して昇任候補者に推薦された教員が任期つき労働契約の締結を検討しようとする場合、「再任」の基準・条件が明示されていない状況においては、契約締結の諾否について適切な判断を当人が行うことは困難である。これに関して「普通にやっていれば再任される」という趣旨の発言が以前の当局説明会においてなされたが、「普通」とは具体的に何を意味しているのか曖昧なので具体的で明確な説明を求める。

当局側回答 再任手続きの詳細については、現在検討中ですが、再任は説明会でもお話ししましたが、普通にやっていれば再任されるという考えを基本としております。詳細についてはしかるべき時期になりましたらご説明します。

組合の見解 「具体的で明確な説明を求める」とした当方の要求に答えていない。「しかるべき時期」はすでに法人化をした昨年までに過ぎ去っており、現在再び昇任人事に際して問題になっている。これ以上曖昧なまま引き延ばすような態度は認められない。

4.今回の昇任人事に関する規程および内規は平成17年12月20日施行とされているが、当組合がその存在を確認したのは平成18年2月1日の団交時であり、全文入手にはさらに数日を要した。教員の身分や労働条件に関する重要事項について、当局が当組合に速やかな周知を行わなかったことは労使間の誠実で信義ある関係を損なうもので極めて遺憾である。このような事態の再発防止を強く求めるとともに、今回の昇任人事規程および内規について内容を再検討するための協議を当組合と速やかに行うことを求める。

当局側回答 一般的に施行日と手続き開始時期は、ずれます。なお、学内における情報共有システムについては検討を進めており、夏前にはご説明できるものと考えております。

組合の見解 組合が提起している問題に対する回答になっていない。以下の点を含めて再度の回答を求める。
(a) 規程第104号「教員昇任規程」(平成17年12月20日施行)の決定は、いつ、どの機関によってなされたのか。
(b) 各「教員昇任内規」(平成18年1月24日施行)の決定は、いつ、どの機関によってなされたのか。
(c) これらの規程がただちに全教員に対して周知されなかったのはなぜか。
(d) .昇任人事の推薦を求めた際、推薦者およびそれを補助する教員管理職にこれらの規程は示されたのか。示されたとすれば、その際、これらの規程を他の教員に明らかにしないように指示したのか。指示したとすれば、それはなぜか。
(e) これらの規程の決定に当たって、教員組合との協議を経なかったのはなぜか。
(f) これらの規程の内容を再検討するための協議を当組合と速やかに行う用意があるか。


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2006年05月25日

優秀者を終身雇用 北陸先端大が新制度 「5年試用」人材を発掘 文科省採択

http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20060524003.htm

 北陸先端科技大学院大は今年度、若手研究者を五年間の”試用期間”を経て、優秀な者だけに対し終身雇用のお墨付きを与える新しい人事制度を導入する。文部科学省の科学技術振興調整費「若手研究者の自立的研究環境整備促進」(総額二十五億円)に同大など九大学が選ばれた。任期制を採用する北陸先端大では、再任が一回に限定される助手の場合、最長八年しか在職できない例もある。新制度の導入で、将来性ある人材を発掘し、同大に定着させることを狙う。……

Posted by 管理者 : 掲載日時 2006年05月25日 00:02 | コメント (0) | トラックバック (0)
URL : http://labor.main.jp/blog/archives/2006/05/post_192.html

2006年05月15日

九州大学教職員組合、新助手・助教への任期制導入に反対します

九州大学教職員組合
 ∟●新助手・助教への任期制導入に反対します(2006.5.10付)

新助手・助教への任期制導入に反対します

1. 九大の助手は教育研究を支えている教員です。
 九大の助手職は、これまでその高い教育研究能力によって、学生と教授・助教授との間をつなぎ、授業はもちろんのこと、様々なプロジェクトや学内行事で重要な役割を果たしてきました。
 今回、教員組織の変更にあたり、この助手職が廃止されて助教職が新設されようとしています。助教は、昇任可能で独立した教育研究職とて助手を位置づけ直そうというもので、その考え方は大変評価できるものです。
 ところがこの助教職の導入に当たり、九大は助教職に一律に任期を付けようとし、再任についても適切な制限を設けるとしています。今回の教員組織変更は、大学設置基準改定要綱に基づいていますが、そこでは、助教への任期制の導入は言及されておらず、助教を任期制とするのは九大の独自の方針であることが分かります。助手は、無条件に任期付きとなる助教に移行するか、教育研究者とはもはや認められない新たな助手職を選ぶしかありません。助教への移行に伴う審査を含め、再任審査の詳細が全く不明なまま、助手は平成19年度から、任期付きポストへの移行を事実上強制されることになります。
 現行の助手に対するこうした大学の取り扱いは、助手をあまりにも軽視していると組合は考えます。

2. 任期制は助教の趣旨に反します。
 助教の導入理念は、教育研究能力の高い現行の助手職を教授の秘書的業務から解放し、独立した教育研究職として位置づけるところにあります。しかしここに任期制が導入されると、こうした理念の実現は困難になるでしょう。
 任期制は、任命者によって雇用の継続が任意に延長される制度です。つまり再任拒否は通常の労働法上の解雇ですらなく、たんに雇用を継続しないという通告でしかないのです。どれほど業績をあげてもそのときの都合で簡単に首を切ることを法的に実現する制度が、教員任期制なのです。
 助教が再任を期待して、どれほど研究に努力し教育に熱心であったとしても、それが報われる保証はどこにもありません。裁判所は、業績をあげてもなお首を切られたある国立大学教員の地位回復の訴えに対し、その請求を「たんに再任を期待したにすぎない」の一言で退けています。すなわち任期制は、再任の可能性が組織の改変や方針変更により大幅に変化する、業績とは別の評価基準を有しています。任期を越えるスパンの研究や外部との提携を計画することが困難であるばかりでなく、研究を必然的に再任審査に有利な方向に向け、自立して研究を行うより既存のプロジェクトや継続が約束されている研究に従属する立場を取らざるを得ません。どうして教育研究の活性化につながるでしょうか。

 また研究以外でも、再任に影響を与える他の教員との関係が常に意識され、人事権を持つ教員への人格的従属を引き起こしかねません。こうした状況を誘起しうる体制は、助教を自立して教育研究を行う者と位置づける導入理念に反するものであると組合は考えます。

3. 助教任期制は九大への貢献を困難にします。
 今回の助教職の導入には多くの問題が残されています。これまで助手が行ってきた事務作業や教育上の補助、研究プロジェクトの補佐などの仕事を誰が負担するかという問題です。最悪の場合、現行の助手の仕事はそのままに、さらに授業・学生指導という重い責任が助教に課せられることも考えられます。十分な措置がとられないかぎり、助教が研究に割ける時間は現行よりはるかに少なくなる可能性があります。
 しかも助教は再任審査にさらされるので、これまで以上に研究業績を上げることに専心しなければなりません。助教が、再任審査に先立他のポストにも移れるよう、自己の研究以外のあらゆる要素を犠牲にする気風が生じれば、それは、九大にとって大きな損失となります。また、こうした状態は、とりわけ女性研究者の出産・育児をきわめて困難にし、男女共同参画の実現を難しくするでしょう。助教は、大学のために積極的な貢献をしたくとも、困難な状況に追い込まれるでしょう。
 こうした精神状態に現行の助手を追い込むことは、自己の直接的利益を超えて初めて維持される大学ののびやかな活動とその発展を著しく阻害することになると組合は考えます。

4. 現行の助手を任期つきポストに移行することは契約法理の原則に反します。
 任期制は教員を雇用継続に関する無権利状態に追い込むものです。それが一方的に適用されるならば、雇用形態の強制的な変更であり、労働者の持つ基本的権利の侵害に当たると組合は考えます。そもそも期限の定めのない労働契約に合意したはずが、一方的に期限の定めのある労働契約に変えられてしまうという事態になります。こうした変更が許されるならば、社会一般の当然の原則である「契約法理の原則」に反することになります。論理的には、教授・準教授にも、同様の手続きで任期制が導入できることになります。一度この任期制導入の論理を認めれば、次からそれに反対することは著しく困難になるでしょう。
 加えて今回、九大は、助教に一律に、そして再任について制限を設け、任期制を適用しようとしています。大規模総合大学としての九大は、部局独自の実情と特色に合った運営がなされ、それが総体として九大の教育研究の発展につながってきました。一律に任期制を適用しようとするならば、混乱が生じることは明らかでしょう。
 今回の助教に対する任期制の導入は、教育研究者全体が保持する基本的な権利の性格にかかわる重大な問題だと組合は考えます。

5. もう一度任期制について考えてみて下さい。
 大学教員はみな、教育研究に情熱と夢を持ちその道へ進んでいます。教員それぞれが挑戦する意欲を持ち続け、その能力を最大限に発揮し、九大の教育研究が発展していくために、全員でこの問題を考えてみることが大切です。

2006年5月10日
九州大学教職員組合


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