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2006年03月13日

横浜市立大学全員任期制問題、「知的伝統が破壊され 実に腹立たしく悲しい」

横浜市立大学教員組合
 ∟●組合ウィークリー(2006.3.9)

新執行委員長就任挨拶

岡 眞人(国際総合科学部人間科学コース教授)

……

 大学当局は一貫して「教員全員任期制」を大学改革の目玉にしています。全員任期制は大学教員任期法はじめ関連法規の精神に全くそぐわないもので、教員の身分を不安定にし、教員が安心して教育・研究に取り組める環境を破壊しています。その結果、とどまるところを知らない人材の流失が進行しています。研究棟の廊下を歩くと空室が目立ち、まるでシャッターを閉めた店が連なる崩壊寸前の商店街のようです。横浜市大が長い歴史の中で脈々と育んできた知的伝統の森は乱開発で根こそぎなぎ倒されているように感じます。実に腹立たしく悲しい想いです。

 横浜市立大学から公立大学法人への移行に際して、教員の身分は法に基づいて継承されました。当局は任期制への同意を求める文書を各教員に送りつけましたが、多くの教員は正当な法的権利に依拠して任期制受け入れを拒否し、従来どおり定年までの雇用保障の権利を維持したまま勤務しています。しかし、ここに再び重要問題がもちあがりました。教授や準教授への「昇任」を契機に、任期付きの新しい労働契約を迫るという事態です。これは定年までの期間の定めのない雇用保障を放棄することになるので、実に重要な労働条件の変更になります。組合との協議は不可欠ですが、当局のやり方は一本釣り方式で新契約締結を強行しようとしているように見えます。その上、当局は契約期間終了後の「再任」について何ら説明をしていません。まるで白紙委任状の提出を求められているのに等しく、5年ほどの任期が切れたら「契約期間満了」という名の「雇い止め」になる可能性も否定できません。これではリスクが高すぎて「昇任」という甘い香りに誘われて任期付き契約に同意することは賢明ではないと言わざるを得ません。

 この問題は法人化後、新規に任期付きの条件で採用された教員が数年後に直面する問題でもあります。すでに任期制に同意した人であっても、教育と研究に継続的に安心して取り組める環境は必要不可欠です。新規採用になった教員に聞いたところ、「任期制に同意できますね」と口頭でいわれただけで、労働条件の文書による提示はなく、再任ルールの説明もなかったそうです。これでは落ち着いて教育・研究に打ち込むことはできないでしょう。当局は「普通にやっていれば再任される」と以前説明したことがありますが、その「普通」の定義は曖昧なまま放置されています。

 ここに任期制に同意していない人も同意した人も、全ての教員が直面する切実な課題があります。これこそ教員組合が当面取り組むべき最大の課題だと思います。組合の基本的立場は、任期付き雇用に同意することなく教授等への昇任を実現することです。大学当局は、全員任期制が改革の目玉なので絶対譲れないという立場に固執しています。これは関係法規の条文と精神に照らして誤っているだけでなく、大学運営の現実論から見ても人材の大量流失を招き、本学の教育・研究の質的低下を引き起こすという間違いを犯しています。そもそも、現場の教員の声を無視して、トップダウン方式で横浜市立大学の全てを一挙に変えるのが改革だといわんばかりの蛮行を犯したツケが回ってきているのです。……


投稿者 jinkenyogo : 2006年03月13日 00:01

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