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2006年02月06日

横浜市立大、准教授から教授への昇格・昇任 任期制同意者に限定か

大学改革日誌(永岑三千輝氏)
 ∟●最新日誌(2月3日)

 昨日の夕方、教員組合定期総会があった。出席者・委任状を含めると組合員の9割くらいが定期総会の議題に関心を持ちまた、総会の結論に賛成したことになる。任期制・年俸制問題、研究教育条件の問題など、難問が山積しており、多くの教員が切実な関心を持ち、組合に期待していることが伺われる。まさにその教員組合の存在意義・力量に直接関わるような回答が、当局側からあったようである。

 正式の内容はいずれ組合ニュースなどで知らされるだろう。しかし私の理解したかぎりでは、「准教授から教授への昇格・昇任者には任期制を承認させる(任期制同意者のみを昇任させる)」との回答だったようである。これは繰り返し教員組合が、「やらないように」と求めてきたことであったことは、ウィークリーなどから明らかだが、その根幹的な要求を拒否した内容のようである。

 私の考えでは、これは、大学教員任期法が規定した限定的な研究教育活性化のための任期制ではなく、昇格者全体に任期制を昇任と引き換えに強制しようとするもので、大学教員に対する任期制の不当な適用であろう。組合執行部は顧問弁護士とも相談しながら、法的措置も含めて本格的に検討を開始するということで、今回の団体交渉における当局側答弁によって、まさに教員組合の存在意義と力量、全大教など全国教員組織の力量とが問われる事態となったように感じられる。

 法律に基づいた大学教員の任期制のきちんとした制度設計がないままに、制度の承認だけを迫る(「承諾しなければ昇任なし」というのは最大の強制である)、内容の分からない不透明な制度に同意しなければ昇任させないというのは、これは不当なことではないか? 重大な不利益措置、不当労働行為ではないか?

 これは一般的な公序良俗にさえも反し、憲法の諸規定に反することではないか?

 昇任者・昇格者という弱い立場の人間(大学教員全体から言えば、当面の事例に即しては少数者マイノリティ)を差別し、各個撃破しようとするものではないか?しかるべき研究教育業績を上げ、しかるべき大学運営に貢献した実績が客観的基準で示されれば昇任する、というのがこれまでの本学、そして全国の大学の教員の昇任のあり方だったからである。この根本を転覆しようとするものであろう。

 それは不利益措置でなくてなんであろうか?

 こんなことが通用するのか?労働基準局はどう反応するのか?

 任期制導入の本来の趣旨、任期制適用の精神である大学の研究教育の活性化とどのように結び付くのか、経営側の説明責任が問われる。

 「上から」任命された学部長の下では、「権限なし」、「審議権なし」などと教授会は開催されないとしても、代議員会は憲法や学校教育法で規定された教授会の権限を行使するために、きちんと議論すべきではないか?

 他方また、昨日の時点では、昇格基準に関しては明文規定(公明・公開の規定)が示されないままに、候補者をコース長が選ぶ、という。いつの時点で基準が公開されるのか、その基準の適用をコース長だけが行うとすればどのような問題が発生するのか、大変な問題になりそうである。

 その他、総会では、数理科学科廃止に伴い数理科学科の教員の配属問題が宙ぶらりん状態になっているようである。形式上は、4名が基盤科学コース、4名が環境生命コースに割り当てられているようだが、それは本人たちの同意・合意なしのようである。そうした事態が発生したこととの関連で、改革の目玉とされた研究院・学府構想の崩壊(文部科学省で拒否されたこと)がある。研究院は一応教員全員が所属するものとして、位置づけられているが、その実権・実務処理分野がほとんど皆無なので、名ばかりの研究院所属、となっている。その活性化・機能強化も、改革理念を大切にするなら検討すべき(学則改正など)だが、それは問題提起に留まるか、端緒についたばかりというところだろう。


投稿者 jinkenyogo : 2006年02月06日 00:42

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