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2005年03月26日

横浜市立大学教員組合、 任期についての素朴な疑問Q&A

任期についての素朴な疑問Q&A
 <シリーズ第2弾>

2005年3月24日発行
横浜市立大学教員組合

Q4 職場を変わりたいときには現在のように自由に異動できますか?

今提案されている就業規則(案)では、退職しようとする6ヶ月前までに理事長に申し出ることとされています。翌年の4月に新任地に赴任すると仮定すると、この条件ではその前年の9月には内定していなくてはならないことになります。異動先の大学などの事情にも左右されますから、9月時点での転出確定は現在でも容易ではありません。
 これでは任期付きであるか否かに関わりなく、全ての教員にとって他大学などへの移動の自由がひどく制限されてしまいます。
 期間の定めのない雇用の場合には、解約を申し入れて2週間後には雇用関係は終了することになっています(民法第627条)ので、6ヶ月という定めは不法・不当です。

Q5 任期付きの場合の離職はどうなりますか?

 法律上は、期間の定めのない教員に比して大きな制約条件が付されています。 労働基準法上の期間を定めた雇用の場合、期間には二種類あります。3年の場合と5年の場合です。
 3年任期の場合には、契約が始まった最初の1年間は転職できず、その後の2年間は「いつでも退職できる」ことになっています(労基法第137条)。しかし、最初の1年間は拘束され、かつ、さきの6ヶ月の規定がそのままだと移動がきわめて不自由になります。
 5年任期の場合にはこの第137条が適用されませんので、期間の定めのない場合には認められている「辞職」が通常の理由では認められにくくなっているのです。ですので、5年任期のケースでは、労働者からの契約解除の申し入れに対しては損害賠償責任が求められる可能性が残ります。

Q6 でも、ほかの大学の理工系・医学系では任期付きでもけっこう異動している人いるのですが、どうしてですか? 任期法と労基法でちがいがあるのですか?

 他大学で行われている任期制は通常、教員任期法(大学の教員等の任期に関する法律)にもとづくものです。それに対して、横浜市大で当局が導入しようとしているのは、労働基準法第14条にもとづく任期制です。おっしゃるように、教員任期法と労基法14条では大きな違いがあるのです。
 教員任期法にもとづく任期の場合には、1年以内の異動はできないのですが、労基法14条による任期制に比して、しばりは少ないのです。学問研究の性格上、大学教員の場合には必要とあれば自由に異動して研究環境を変化させるという選択肢が保障されている必要があります。
 労基法14条による任期制では、この点での制約条件が、Q5へのお答えで示したように、たいへんに強いのです。「全員任期」ということ自体が学問教育の性格を無視した発想ですが、それを、労基法14条にもとづいて実施しようという当局案が、二重三重に大学と学問教育の性格に反するものだといわなければなりません。

Q7 自分が3年任期か5年任期かなど、条件が明確でないのに、任期に「同意」しても大丈夫ですか?

 Q5でみたように、3年任期と5年任期とでは身分的拘束の条件が異なっています。ですので、自分の契約する任期が3年であるのか、それとも、5年であるのかという具体的な契約条件が個々人に提示されていることが「同意」するかどうかを判断する最低限の条件のひとつです。
 私たちが商品購入の契約をしようとするとき、その商品の基本的な属性をつまびらかにしていなければ契約を結びはしません。私たちは、教育研究労働を提供することでその対価を得ようとするわけですから、商品の提供者には情報提供の義務があり、教員にはそれを知る権利があります。 条件がつまびらかになり自分が納得できなければ「同意」する必要は全くないわけです。
 <シリーズ第1弾>に指摘しましたが、任期への「同意」がなくても現在の任期なしの身分は承継されます。

Q8 任期付きの雇用は将来、経営不振などで人員整理に使われませんか?

 率直に言ってこの点はたいへんに心配です。当局は「リストラが第一義的な目的ではない」などと言っていますが、企業の場合には、経営不振の時にまず整理の対象とされるのが、期限付労働者であるという事実から目を逸らすわけにはいきません。
 法人化した横浜市立大学の大きな収入源は横浜市からの「運営交付金」ですが、これが年次的に縮減されることがすでに示されています。また、教育事業は営利目的になじまないので、授業料収入の大幅増を前提にするわけにもいきません。法人の経営体としての課題は山積し、かつ、十分な見通しを立てられているわけではありません。
 この条件のもとでは、ご心配のように任期が「人員整理」に使われていく可能性を否定できません。少なくとも、人件費がふくらむ高次のポスト設定に経営側が積極的になる条件は多くはないでしょう。 むろん、教員組合は、いかなる形であっても人員整理を許さぬよう全力を傾注します。


投稿者 jinkenyogo : 2005年03月26日 14:25

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