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2005年03月25日

横浜市立大学、個別任期契約に同意していない人が多数派 三学部で50%

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー(2005.3.24)
大学改革日誌(永岑三千輝教授)-最新日誌(3月24日)

横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー

(2005.3.24)

もくじ
●要求Ⅱを提出
●委任状の受け付け状況 同意していない人が多数派
●当局文書を批判する  同意書を提出しないのはあたりまえ
●看護短大学習会
●大学人の会、声明発表
●メディアが注目 各紙、市大問題を報道
●「2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求Ⅱ」全文(添付)
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要求Ⅱを提出
時間・兼業・就業規則などについて

 当組合は、昨日、当局に対し、要求書「2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求Ⅱ」を提出しました。
 前回8日の要求書の後半部分にあたるもので、おもに、勤務時間制度、兼業規程、その他の規程類、および就業規則本則についての要求と質問を掲げ、回答を求めています。
 全体として、教職員の活動を制限し、不利益を与える、もしくは与えるおそれのある規定・制度、本人の自由な判断に委ねられるべきことを、理事長の裁量権限のもとに置こうとする規定が数多く、労使対等の原則にもとるという問題点を中心に、数多くの問題点、許されない点を指摘しています。
 当局は早急に回答し、交渉に入るべきです。(全文を7ページ以下に掲載)


委任状の受け付け状況
 八景、同意していない人が多数派 三学部で50%

 当組合は、任期制への同意を保留するさいに、個人に不当な圧力がかかるのを防ぐために、執行委員長宛てに同意についての委任状を提出するよう呼びかけています(本紙2月28日号)。
 23日現在の集計の結果、組合で受け付けた委任状のうち、金沢八景三学部(商・理・国際文化)所属の教員からの提出数は60となり、三学部所属の全教員数から転出予定者および中西執行委員長を除いた数120人(当組合推計。管理職・管理職就任予定者を含む。)の、ちょうど50%に達しました。さらに、組合に委任状を提出しようと思っているが、まだ出していない人や、委任状は提出しないが任期制に同意しないという人が多くいることを勘案すると、金沢八景キャンパス所属の教員のうち、半数を相当うわまわる数の教員が、当局設定の期限であった22日までには、任期制同意書を提出していないことは明らかです。
 もちろんほかの部局の教員からも多くの委任状が集まっていますし、同意しないつもりであるという人もますます増えている模様です。
 仲間は多いのです。安心して同意書提出をみあわせましょう。

当局文書を批判する
同意書を提出しないのはあたりまえ

15日文書

 前号(3月)で報じたように、当局は15日付で、任期制への同意を求める文書を教員に配布しました。この文書には、形式にも内容にも重大な問題と欠陥があり、およそ有効なものとはいえません。

同意する必要はありません

 この文書に応じて同意する必要はありません。
 任期制度案の内容が変わって、労働者として十分に納得できるものになり、かつ当局の行動のしかたが誠実なものへと変化すれば別ですが、当面、同意することは不利ですし、以下に示すように、同意を拒否しても不利になる可能性はそれほど高くはありません。
 また、当局は来年度途中での同意書提出も可としていますから、今後も様子を見ながら、ゆっくり検討すればよいのです。

多数が同意せず

 実数は把握できませんが、多くの教員が昨日の締切までには同意書を提出していないと思われます。同意を保留するための委任状も、しだいに組合に提出する教員が増えてきました(前の記事参照)。

返事をしない・撤回する

 引き続き、返事をしない、同意はしない、少なくとも保留、という方針を貫きましょう。
 また、こんなこととは知らずについ同意書を出してしまったという人は、同意が無効ですので、撤回することは法的に可能です。「しまった、撤回したい」と思ったら、組合に連絡を取ってください。
 以下、当局文書の問題点と、わたしたちとして注意すべきと思われる点を示します。

○同意を求めたこと自体不当

 当局が、現時点で個別に任期制への同意を取り付ける作業に入ったこと自体、不当であります。任期制を含む労働条件の変更については、当組合と交渉中、というよりは、ようやく交渉の前提としての条件案提示を当局が終えたばかりです。当局に対する当組合の要求は、誠実な交渉をすることをめざして、可能なかぎり早期に提出しています(3月8日)。それにもかかわらず、当局は交渉のプロセスを無視して、今回の行動に踏み切ったのであります。これは、単に道義的に不当であるばかりではなく、労働諸法令の定める、誠実交渉義務を無視する、不誠実な行動であり、当組合として断固、抗議します。
 また、このように交渉が進んでいないこととあわせて、当局の提示する制度内容は、曖昧であり、さまざまな問題点をどのように解決するのか、示されていません。条件が曖昧なまま提出された同意書は、労働契約として不完全であり、その有効性に重大な瑕疵があります。

○医学部における配布のしかた

 この文書は、金沢八景キャンパスでは、各教員自宅宛てに簡易書留郵便で送られ、看護短大では各教員の研究室に事務側から直接届けられた。それに反して、医学部では「所属」の教授をとおして各教員に手渡すという方法が取られました。なにゆえ、医学部においてのみこのようなしかたになったのか疑問です。すでに解体されたはずの「講座制」を利用しようとするもののようにもみえ、不透明なありかたです。

○同意を求める文書の性質に問題

 同意書には、松浦最高経営責任者名による「任期の定めのある雇用契約への同意について」という、同意を求める文書とともに、同最高経営責任者名の「任期制運用の基本的な考え方について」(以下、「考え方」)、ならびに個人別の年俸推計額表を同封しています。
 このことにも、以下のように重大な問題があります。

○任期制への誘導・同意しない者についての不利益変更による脅しは許されない

 「考え方」において、当局は、さまざまな点で、任期制を受け入れると有利になると宣伝しています。しかし、このような宣伝は、逆に言うと、任期制に同意しない者は不利益になると脅して、同意へと誘導する行為である。不利な労働条件を押し付けることによって、同意へと誘導することは、法の趣旨に反し、違法性があり、不当です。
 他方、以下に示すように、任期制の有利な点として示された事項も、実現しえないか、不当であって、到底容認しえないものばかりなのです。そのような事項は、当組合が粘り強く抵抗するので、その実現は当局にとってきわめて難しくなります。

・裁量労働制を利用する差別は不当、不可能
 任期付雇用の教員についてのみ、専門業務型裁量労働制を導入するとしています。しかし、裁量労働制を導入するかどうかということと、任期付雇用か否かということは無関係であり、両者を結びつける根拠に欠けます。裁量労働制を使って差別を設けようとするのであれば、不当であります。
 なお、裁量労働制については、労使協定を結ばないと導入できないことになっており、労働者の過半数代表者もしくは過半数労働組合との合意が必要です。一方的に、使用者が裁量労働制を適用することはできません。ちなみに、金沢八景キャンパスでは当組合が過半数労働組合となる見込みです。
 裁量労働制を取らない教員については、現状どおりの時間管理制度を実施するよう組合は要求していますし、現状よりも不利な制度に変更することは法的に許されません。

・兼業についても不利益変更は不可能
 裁量労働制とのかかわりで、任期付雇用のほうが、「兼業の機会もひろがることが考え」られるとしていますが、任期付雇用を選ばない場合に兼業をしにくくすることは、不利益変更であり、不可能です。兼業については従来どおり認めることは先月末の教員説明会で当局も述べています。そもそも、その根拠としている裁量労働制は上記のとおり、一方的には導入できません。

・給料増額における差別は不可能
 任期制を受け入れた者は、再任時に給料相当分の「増額の機会が広がる」ことが考えられるとしています。しかし、再任のさいには増額しない、あるいは減額となることもありうるので、なんの約束にもなっていません。また、任期付雇用のもとにない教員の給与については、当組合と使用者側の労使交渉を通じて決まるものであり、増額しないと当局が一方的に決定することはできません。

・昇任にさいしての任期制同意強制も違法
 説明会では、任期付雇用を受け入れないと昇任がないと当局は述べていましたが、今回の文書では、やや変更し、昇任のさいには任期制による労働契約を結ばせるとしています。これは、任期制に同意しないかぎり昇任させないということを結局は意味しており、今まで昇任の可能であった雇用条件を、昇任のない労働条件に変更するという不利益変更であり、違法です。

・海外出張・長期研修・研究費の面での差別は許されない
 当局はまた、海外出張・長期研修・研究費の面でも差を設けるとしていますが、このようなこともすべて不利益変更にあたり、許されません。
 また、任期制を受け入れることと、研究費等の事項は無関係です。後者は本人の利益のために行なうのではなく、研究・教育の向上のために行なうものであり、任期制を受け入れるかどうかと関連づけることは、大学の健全な研究・教育の発展を阻害することにもなります。研究・教育を任務とする大学の根本的な理念に配置する措置であり、到底、許されません。

○給与推計額は同意と無関係

 年俸制を導入した場合を想定した給与推計額を示す表が同封されていますが、給与額は任期制の同意・非同意と無関係です。
 なお、年俸制についても当組合との交渉を経ていない現在、年俸制導入を決定することは不当であります。

○当局案の任期制はキケン

 本紙において当組合が何度も示してきたように、任期制には大きな危険性がつきまといます。とりわけ、現在の当局案は、どのような基準で再任があるのか、どのようなプロセスで再任審査をするのかなど、重要な部分で不分明な点があまりに大きく、任期付教員が不当に雇い止めにされてしまうおそれがあります。
 「考え方」において当局は、任期制は「任期の期間の雇用を約束するもので、教員のリストラを第一義の目的としたものではありません。」と述べて、この制度がリストラにも利用できるものであることを、かえって示してしまっています。
 教員各位におかれては、任期制に同意する前にこうした問題と危険性をよくよく考えられるよう、切にお勧めします。


看護短大学習会ひらかれる

 8日、看護短期大学部において、野村執行委員(看護短大)の準備により、看護短期大学部に所属する非組合員を含めた教員を対象に、学習会が開催されました。
 看護短大の教員から多数の参加を得て、活発な議論がなされました。
 特に関心の集中した点は、任期制および、任期制非同意の問題、組合の委任状の意味、育児介護休業制度に関連する問題点などでした。いずれについても具体的で、重要な論点が提出され、教員をとりまく状況が明らかになりました。
 今後も看護短大や他の部局で、部局単位のこのような学習会を持ちたいと執行部では考えています。

大学人の会、声明発表

 昨日、「横浜市立大学を考える大学人の会」(呼びかけ人、久保新一氏ほか)は、声明「横浜市立大学の教員全員任期制・年俸制・評価制導入の撤回を求める 研究・教育の劣化を押しとどめるために」を発表し、中田市長、小川学長、宝田理事長予定者、松浦大学改革推進本部最高経営責任者に対して提出しました。
 全員任期制・年俸制・評価制の問題点を指摘し、その撤回を求めています。


メディアが注目 各紙、市大問題を報道

 本紙でも『朝日新聞』に市大の問題を報じる記事があったことを伝えましたが、今週に入り、各紙が市大問題に注目して報道しています。
 22日付け『毎日新聞』神奈版は、「横浜市大:教員の任期制導入で混乱」と、全員任期制導入にともなって現在、生じている問題を報じ、昨日付け『東京新聞』は、「競争力つくはずが・・・ 横浜市大 改革の責任誰に?」と、受験生志願倍率低下の問題と、教員流出の問題を報じています。
 わたしたちの直面する問題が、社会に広く認識されるようになってきたといえるでしょう。

「2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求Ⅱ」全文(添付)


投稿者 jinkenyogo : 2005年03月25日 10:04

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