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2005年03月
掲載事項(記事)一覧

2005/03/26 横浜市立大学教員組合、 任期についての素朴な疑問Q&A
2005/03/25 横浜市立大学問題を考える大学人の会、「横浜市立大学の教員全員任期制・年俸制・評価制導入の撤回を求める」
2005/03/25 横浜市立大学、個別任期契約に同意していない人が多数派 三学部で50%
2005/03/19 横浜市立大学、新たな差別を生み出す任期(有期雇用)契約への同意書
2005/03/19 横浜市立大教員組合、「待ってください! 任期制に同意する必要はありません」
2005/03/18 横浜市立大、最高経営責任者 松浦敬紀:(1)「任期制運用の基本的な考え方について」 (2)同「任期の定めのある雇用契約への同意について」(同日付)
2005/03/17 横浜市立大教員組合、任期制についての委任状を組合に!  任期制に同意する必要はありません
2005/03/09 横浜市立大学教員組合、小川学長宛「2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求」
2005/03/08 北九州市立大教員組合、教員評価制や任期制の導入に反発
2005/03/08 全大教、横浜市大・都立4大学の問題について総務省へ要望書を提出し会見
2005/03/03 横浜市立大学教員組合、「有期雇用契約(任期制)に同意する必要はありません! 組合に委任状提出を!」
2005/03/02 横浜市立大、第2回教員説明会 「任期制に同意しない者は昇任対象としない」

2005年03月26日

横浜市立大学教員組合、 任期についての素朴な疑問Q&A

任期についての素朴な疑問Q&A
 <シリーズ第2弾>

2005年3月24日発行
横浜市立大学教員組合

Q4 職場を変わりたいときには現在のように自由に異動できますか?

今提案されている就業規則(案)では、退職しようとする6ヶ月前までに理事長に申し出ることとされています。翌年の4月に新任地に赴任すると仮定すると、この条件ではその前年の9月には内定していなくてはならないことになります。異動先の大学などの事情にも左右されますから、9月時点での転出確定は現在でも容易ではありません。
 これでは任期付きであるか否かに関わりなく、全ての教員にとって他大学などへの移動の自由がひどく制限されてしまいます。
 期間の定めのない雇用の場合には、解約を申し入れて2週間後には雇用関係は終了することになっています(民法第627条)ので、6ヶ月という定めは不法・不当です。

Q5 任期付きの場合の離職はどうなりますか?

 法律上は、期間の定めのない教員に比して大きな制約条件が付されています。 労働基準法上の期間を定めた雇用の場合、期間には二種類あります。3年の場合と5年の場合です。
 3年任期の場合には、契約が始まった最初の1年間は転職できず、その後の2年間は「いつでも退職できる」ことになっています(労基法第137条)。しかし、最初の1年間は拘束され、かつ、さきの6ヶ月の規定がそのままだと移動がきわめて不自由になります。
 5年任期の場合にはこの第137条が適用されませんので、期間の定めのない場合には認められている「辞職」が通常の理由では認められにくくなっているのです。ですので、5年任期のケースでは、労働者からの契約解除の申し入れに対しては損害賠償責任が求められる可能性が残ります。

Q6 でも、ほかの大学の理工系・医学系では任期付きでもけっこう異動している人いるのですが、どうしてですか? 任期法と労基法でちがいがあるのですか?

 他大学で行われている任期制は通常、教員任期法(大学の教員等の任期に関する法律)にもとづくものです。それに対して、横浜市大で当局が導入しようとしているのは、労働基準法第14条にもとづく任期制です。おっしゃるように、教員任期法と労基法14条では大きな違いがあるのです。
 教員任期法にもとづく任期の場合には、1年以内の異動はできないのですが、労基法14条による任期制に比して、しばりは少ないのです。学問研究の性格上、大学教員の場合には必要とあれば自由に異動して研究環境を変化させるという選択肢が保障されている必要があります。
 労基法14条による任期制では、この点での制約条件が、Q5へのお答えで示したように、たいへんに強いのです。「全員任期」ということ自体が学問教育の性格を無視した発想ですが、それを、労基法14条にもとづいて実施しようという当局案が、二重三重に大学と学問教育の性格に反するものだといわなければなりません。

Q7 自分が3年任期か5年任期かなど、条件が明確でないのに、任期に「同意」しても大丈夫ですか?

 Q5でみたように、3年任期と5年任期とでは身分的拘束の条件が異なっています。ですので、自分の契約する任期が3年であるのか、それとも、5年であるのかという具体的な契約条件が個々人に提示されていることが「同意」するかどうかを判断する最低限の条件のひとつです。
 私たちが商品購入の契約をしようとするとき、その商品の基本的な属性をつまびらかにしていなければ契約を結びはしません。私たちは、教育研究労働を提供することでその対価を得ようとするわけですから、商品の提供者には情報提供の義務があり、教員にはそれを知る権利があります。 条件がつまびらかになり自分が納得できなければ「同意」する必要は全くないわけです。
 <シリーズ第1弾>に指摘しましたが、任期への「同意」がなくても現在の任期なしの身分は承継されます。

Q8 任期付きの雇用は将来、経営不振などで人員整理に使われませんか?

 率直に言ってこの点はたいへんに心配です。当局は「リストラが第一義的な目的ではない」などと言っていますが、企業の場合には、経営不振の時にまず整理の対象とされるのが、期限付労働者であるという事実から目を逸らすわけにはいきません。
 法人化した横浜市立大学の大きな収入源は横浜市からの「運営交付金」ですが、これが年次的に縮減されることがすでに示されています。また、教育事業は営利目的になじまないので、授業料収入の大幅増を前提にするわけにもいきません。法人の経営体としての課題は山積し、かつ、十分な見通しを立てられているわけではありません。
 この条件のもとでは、ご心配のように任期が「人員整理」に使われていく可能性を否定できません。少なくとも、人件費がふくらむ高次のポスト設定に経営側が積極的になる条件は多くはないでしょう。 むろん、教員組合は、いかなる形であっても人員整理を許さぬよう全力を傾注します。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月26日 14:25 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年03月25日

横浜市立大学問題を考える大学人の会、「横浜市立大学の教員全員任期制・年俸制・評価制導入の撤回を求める」

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●「横浜市立大学の教員全員任期制・年俸制・評価制導入の撤回を求める」(2005年3月23日)
大学改革日誌(永岑三千輝教授)-最新日誌(3月24日)

「横浜市立大学の教員全員任期制・年俸制・評価制導入の撤回を求める」
-研究・教育の劣化を押しとどめるために-

 横浜市立大学は、4月から商学部・国際文化学部・理学部を廃して「国際総合科学部」に統合し、医学部と共に地方独立行政法人化した新大学として再出発する。しかし、その再出発は、それぞれ誇るべき歴史と伝統を持ち性格も違う3つの学部を、特別な理念もないまま強引に1学部に統合し、教授会から人事権のみならず教学権まで剥奪するという、まともな大学がどこもしなかった暴挙をあえて行った上で、どたんばで前代未聞の教員全員任期制・年俸制・評価制の導入を強行しようとしている。これらの制度の導入は、大学の最大の資産である「優秀な人材」の確保を保証しないばかりか、大学の存立根拠である「研究・教育の自由」を奪う怖れが極めて強く、ひいては市民の「言論の自由」の侵害にも道を拓きかねない危険性を持つものであり、認め難い。

(1)新大学への応募倍率の低下
去る2月末新大学に学生を迎える初めての入試が行われたが、前期試験の応募倍率は、理学系の5.6倍から2.1倍への低下をはじめ、医学部を除くすべての系で半減または激減する結果となった。この数字は、教員や関係者の多くの反対にもかかわらず強行された「改革」が、受験生からも予想以上に厳しい評価を受けたことを示唆している。

(2)止まらない教員の流出
ある新聞が「隠れFA宣言」と報じたように、横浜市大からの教員の流出も止まらない。定年前に横浜市大から流出した教員は、商学部で26.4%(2002年3月現員比率、以下同)、国際文化学部で24.1%、理学部で16.4%、木原生物学研究所で22.2%に及ぶなど、高率の教員流出が続いている。流出者の中には、若手教員や現・前学部長など、大学の中核を担うと期待されていた人材が少なからず含まれていることは特に注目される。

(3)再三行ってきた批判と検証
 「横浜市大問題を考える大学人の会」は、2003年4月15日「『横浜市立大学のあり方懇談会』答申に関する訴え」を出し、任期制の問題点を明らかにしたことを始めとして、同年11月25日には「横浜市立大学の新たな大学像について」に関する声明を発表し、横浜市が導入しようとしている教員全員任期制は、特に教授会による自治が保障されない状況の下では、研究・教育の自由を侵害するおそれが強いことを指摘した。また、「教員全員に任期制を導入した場合、適任と思われる人材が応募をためらい、注目される教員は任期制でない他大学に引き抜かれるなど、研究・教育水準の低下が懸念される」と危惧を表明した。
 さらに、「大学人の会」は2004年3月28日に、成果主義賃金制度に詳しい経営コンサルタントや米国の大学での管理職経験者等を招いて「任期制・年俸制・教員評価制度の導入は研究・教育にいかなる影響を与えるか」に関するシンポジウムを行った。その結果、①民間企業でも成果主義賃金制度はうまく機能していない。原因は評価制度が社員の労働意欲を低下させてしまっている点にある。②任期制を先行導入した国立研究所では、目先の成果が上がりそうな研究テーマを選ぶようになり、仲間との交流も減った。③アメリカの大学は任期制ではなく、テニュア(終身在職権)制である。⑤日本型任期制は、京都大学の井上事件に象徴されるように「業績のある教員」を排除する制度にもなりうること、等が明らかにされた。

(4)批判と教員大量流出の現実を無視した「教員全員任期制・年俸制・評価制」の導入強行
上に記したわれわれの批判と教員の大量流出にもかかわらず、横浜市は市大における教員全員任期制・年俸制・評価制の具体案を発表し、導入を強行しようとしている。われわれは、この具体案が今後の市大における研究・教育に重大なマイナスの影響を与えるものであることを痛感し、「教員全員任期制」と「年俸制」、提案された「評価制度」の導入を停止し、以下のような措置をとることを求める。

(5)教員組合と協議しその了解を得ること
 雇用者は被雇用者(教員)の身分や労働条件の大幅な変更をともなう「改革」を行う場合には、事前に被雇用者の過半数を代表する組織の了解をえることが義務付けられている。にもかかわらず、昨年12月末に至ってようやく一部の案を提示し、本年の1月25日に初めて説明会が持たれたことが示すように、教員との協議により「改革」を進めようとする姿勢が欠けている。横浜市は性急な「改革」の強行を止め、教員組合と協議しその了解を得て「改革」を行うことをまず、要望する。

(6)「全員任期制」では、優秀な教員を採用・確保できず、教員の流出は止まらない
 京都大学再生医科学研究所における任期制(有期雇用)をめぐる裁判で明らかになったように、任期制のもとではいかに優れた研究成果をあげていても、雇用者は「再雇用をしない」ことが可能である。ほとんどの研究者にとって任期終了による失業は、避けたい事態である。先のシンポジウムでも示されたが、アメリカの大学で終身雇用保障を与える終身在職権(テニュア)制度が拡大したのは、大学間競争の中で大学が優秀な人材を確保するためであった。世界の有力大学で「全員任期制」を採用している大学が皆無であるのは、当然のことである。すでに進行している横浜市大からの人材流出が示唆するように、優秀な人材が任期制ポストへの応募をためらい、在職教員が終身雇用を保障する他大学に移出してゆくのは自然であり、横浜市の「導入の目的」(12月28日付資料)とは逆に「全員任期制」は「優秀な人材の確保」を困難にするであろう。

(7)大学における成果主義(年俸制、評価制)の導入は、研究・教育意欲を向上させない
 すでに「成果主義の導入が企業の生産性上昇を阻害する」ことは、かなり有力な学説となっている。最近の日本能率協会や労働政策・研究機構の調査でも、従業者の多くは、成果主義の導入による「勤労意欲の上昇はない」と回答し、「評価に対する納得度は低下した」と答えている。民間企業の場合、評価者は被評価者とおおよそ同一内容の業務をしており被評価者の仕事内容がかなりよく分かるはずであるにもかかわらず、評価が適切だと納得している従業員は少ない。
 大学の場合は、教員間の専門性の違いは大きく、専門分野ごとに標準的な研究や教育の方法も成果の出方も異なる。この違いを無視して共通の評価基準を作ることはほとんど不可能である。また、専門分野を知らない評価者による評価が被評価者を納得させることは難しい。正当だと思われない評価に基づいて年俸を決められた場合、研究・教育意欲の低下はまぬがれない。まして、市大の場合評価は「相対評価」で行われるから、どんなに努力して業績を上げても、何らかの理由で下位にランクされた教員は、再任の途を断たれるか減俸の対象になる。
 成果主義賃金制度を導入した数少ない大学の一つである北陸大学の場合、制度の導入によって「意欲が高まった」と答えた教員は回答者中の4%に過ぎず、63%は「低下した」と答えている(北陸大学教職員組合調査による)。「不透明、不公平、恣意的な業績評価、それに基づく人事考課は不信と諦めを生み出すだけだ」という意見は、アンケートにみる代表的な意見である。意欲の低下に加え、結果が予想できない困難な研究課題への挑戦を避け、数年で消費され尽すような研究であっても、短期的に成果が予想できる課題を研究テーマに選ぶようになる可能性は高い。

(8)研究・教育の自由を奪う制度
 横浜市立大学の場合、評価を担当する学部・コース・研究院などの組織の長は、教員によって選出されるのでなく、「上から」の一方的任命である。全国の国立大学法人や首都大学東京でさえも、「教員人事に関する事項」は教育研究審議会(評議会)の審議事項であるが、横浜市立大学定款では、教員人事は教育研究審議会(評議会)の審議事項から除外されている。理事会は、横浜市長が任命する理事長がほとんどの理事を決められる制度となっており、横浜市の意向を体したもののみが教員組織の長に任命される、という事態を防止する制度的保障は全くない。憲法が保障する学問の自由と、大学の自治や「大学には重要事項を審議する為に教授会を置く」とする学校教育法の精神に反した制度になっている。
 このように「上から」選ばれた組織の長が、教員の活動の評価者となるため、横浜市の行政に対する忠誠度や思想、個人的関係など学問外の要因が評価に影響する可能性は小さくないし、被評価者が、そうした非学問的な要因や第一次評価者の主観的判断が評価に影響していると推測する可能性は高い。
 まして、横浜市立大学の場合、この評価制度は任期制と結合した「相対評価」だから、威力は相当なものになるであろう。その結果は、評価を上げて再任されるために、教員は、評価者や横浜市の意向に、学問的に、政治的に、社会的に、擦り寄ることを強要されることになりかねない。評価者や設置者の顔色をうかがい、批判的精神を失った研究・教育を行う大学は、大学が社会から負託された社会的責務に応ええないものに変質するといわなければならない。

(9)全員任期制の承認を踏み絵にしてはならない
 横浜市は、任期制度の導入を強行するために「任期制に同意しない教員については(助教授から教授などへの)昇任を認めない」方針である、と伝えられている。教員の昇任は、当該教員の研究・教育の成果に関する専門性をもつ教員集団を中心とした評価と適格性の判断によって決められるべき性格の問題である。「任期制に同意しないと昇任させない」という筋違いの条件をつけること自体、任期制が研究・教育の自由を侵害する怖れが極めて強いものであることを物語っている。

(10)「教員全員任期制・年俸制・評価制」の導入強行に反対し、中止と撤回を求める
 以上、私たちは、横浜市による市大への教員全員任期制・年俸制・評価制の導入強行に反対し、その中止と撤回を求める。それは「研究・教育の自由」を侵害するのみならず、市民の「言論の自由」の抑圧に道を拓くことになる可能性が強いからである。人事制度の変更については教員組合の同意をえること、教員の人事権、教学権については教授会に戻し、教授会の自治ならびに大学の自治を回復することを強く訴える。

2005年3月23日

「横浜市立大学問題を考える大学人の会」(・印呼びかけ人)
相原光(横浜市立大学名誉教授)、浅野洋(神奈川大学特任教授)、伊豆利彦(横浜市立大学名誉教授)、板垣文夫(横浜商科大学教授)、伊東昭雄(横浜市立大学名誉教授)、・伊藤成彦(中央大学名誉教授)、・今井清一(横浜市立大学名誉教授)、・久保新一(関東学院大学教授)、・田中正司(横浜市立大学名誉教授)、玉野研一(横浜国立大学教授)、津久井康之(専修大学教授)、土井日出夫(横浜国立大学教授)、田畑光永(神奈川大学教授)、中川淑郎(横浜市立大学名誉教授)、長谷川宏(東京都立大学教授)、平塚久裕(横浜市立大学名誉教授)、本間龍雄(東京工業大学名誉教授)、宮崎伸光(法政大学教授)、安田八十五(関東学院大学教授)、・柳澤悠(千葉大学教授)、矢吹晋(横浜市立大学名誉教授)、・山極晃(横浜市立大学名誉教授)、吉川智教(早稲田大学大学院教授)


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月25日 10:05 | コメント (0) | トラックバック (0)
URL : http://labor.main.jp/blog/archives/2005/03/post_143.html

横浜市立大学、個別任期契約に同意していない人が多数派 三学部で50%

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー(2005.3.24)
大学改革日誌(永岑三千輝教授)-最新日誌(3月24日)

横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー

(2005.3.24)

もくじ
●要求Ⅱを提出
●委任状の受け付け状況 同意していない人が多数派
●当局文書を批判する  同意書を提出しないのはあたりまえ
●看護短大学習会
●大学人の会、声明発表
●メディアが注目 各紙、市大問題を報道
●「2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求Ⅱ」全文(添付)
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要求Ⅱを提出
時間・兼業・就業規則などについて

 当組合は、昨日、当局に対し、要求書「2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求Ⅱ」を提出しました。
 前回8日の要求書の後半部分にあたるもので、おもに、勤務時間制度、兼業規程、その他の規程類、および就業規則本則についての要求と質問を掲げ、回答を求めています。
 全体として、教職員の活動を制限し、不利益を与える、もしくは与えるおそれのある規定・制度、本人の自由な判断に委ねられるべきことを、理事長の裁量権限のもとに置こうとする規定が数多く、労使対等の原則にもとるという問題点を中心に、数多くの問題点、許されない点を指摘しています。
 当局は早急に回答し、交渉に入るべきです。(全文を7ページ以下に掲載)


委任状の受け付け状況
 八景、同意していない人が多数派 三学部で50%

 当組合は、任期制への同意を保留するさいに、個人に不当な圧力がかかるのを防ぐために、執行委員長宛てに同意についての委任状を提出するよう呼びかけています(本紙2月28日号)。
 23日現在の集計の結果、組合で受け付けた委任状のうち、金沢八景三学部(商・理・国際文化)所属の教員からの提出数は60となり、三学部所属の全教員数から転出予定者および中西執行委員長を除いた数120人(当組合推計。管理職・管理職就任予定者を含む。)の、ちょうど50%に達しました。さらに、組合に委任状を提出しようと思っているが、まだ出していない人や、委任状は提出しないが任期制に同意しないという人が多くいることを勘案すると、金沢八景キャンパス所属の教員のうち、半数を相当うわまわる数の教員が、当局設定の期限であった22日までには、任期制同意書を提出していないことは明らかです。
 もちろんほかの部局の教員からも多くの委任状が集まっていますし、同意しないつもりであるという人もますます増えている模様です。
 仲間は多いのです。安心して同意書提出をみあわせましょう。

当局文書を批判する
同意書を提出しないのはあたりまえ

15日文書

 前号(3月)で報じたように、当局は15日付で、任期制への同意を求める文書を教員に配布しました。この文書には、形式にも内容にも重大な問題と欠陥があり、およそ有効なものとはいえません。

同意する必要はありません

 この文書に応じて同意する必要はありません。
 任期制度案の内容が変わって、労働者として十分に納得できるものになり、かつ当局の行動のしかたが誠実なものへと変化すれば別ですが、当面、同意することは不利ですし、以下に示すように、同意を拒否しても不利になる可能性はそれほど高くはありません。
 また、当局は来年度途中での同意書提出も可としていますから、今後も様子を見ながら、ゆっくり検討すればよいのです。

多数が同意せず

 実数は把握できませんが、多くの教員が昨日の締切までには同意書を提出していないと思われます。同意を保留するための委任状も、しだいに組合に提出する教員が増えてきました(前の記事参照)。

返事をしない・撤回する

 引き続き、返事をしない、同意はしない、少なくとも保留、という方針を貫きましょう。
 また、こんなこととは知らずについ同意書を出してしまったという人は、同意が無効ですので、撤回することは法的に可能です。「しまった、撤回したい」と思ったら、組合に連絡を取ってください。
 以下、当局文書の問題点と、わたしたちとして注意すべきと思われる点を示します。

○同意を求めたこと自体不当

 当局が、現時点で個別に任期制への同意を取り付ける作業に入ったこと自体、不当であります。任期制を含む労働条件の変更については、当組合と交渉中、というよりは、ようやく交渉の前提としての条件案提示を当局が終えたばかりです。当局に対する当組合の要求は、誠実な交渉をすることをめざして、可能なかぎり早期に提出しています(3月8日)。それにもかかわらず、当局は交渉のプロセスを無視して、今回の行動に踏み切ったのであります。これは、単に道義的に不当であるばかりではなく、労働諸法令の定める、誠実交渉義務を無視する、不誠実な行動であり、当組合として断固、抗議します。
 また、このように交渉が進んでいないこととあわせて、当局の提示する制度内容は、曖昧であり、さまざまな問題点をどのように解決するのか、示されていません。条件が曖昧なまま提出された同意書は、労働契約として不完全であり、その有効性に重大な瑕疵があります。

○医学部における配布のしかた

 この文書は、金沢八景キャンパスでは、各教員自宅宛てに簡易書留郵便で送られ、看護短大では各教員の研究室に事務側から直接届けられた。それに反して、医学部では「所属」の教授をとおして各教員に手渡すという方法が取られました。なにゆえ、医学部においてのみこのようなしかたになったのか疑問です。すでに解体されたはずの「講座制」を利用しようとするもののようにもみえ、不透明なありかたです。

○同意を求める文書の性質に問題

 同意書には、松浦最高経営責任者名による「任期の定めのある雇用契約への同意について」という、同意を求める文書とともに、同最高経営責任者名の「任期制運用の基本的な考え方について」(以下、「考え方」)、ならびに個人別の年俸推計額表を同封しています。
 このことにも、以下のように重大な問題があります。

○任期制への誘導・同意しない者についての不利益変更による脅しは許されない

 「考え方」において、当局は、さまざまな点で、任期制を受け入れると有利になると宣伝しています。しかし、このような宣伝は、逆に言うと、任期制に同意しない者は不利益になると脅して、同意へと誘導する行為である。不利な労働条件を押し付けることによって、同意へと誘導することは、法の趣旨に反し、違法性があり、不当です。
 他方、以下に示すように、任期制の有利な点として示された事項も、実現しえないか、不当であって、到底容認しえないものばかりなのです。そのような事項は、当組合が粘り強く抵抗するので、その実現は当局にとってきわめて難しくなります。

・裁量労働制を利用する差別は不当、不可能
 任期付雇用の教員についてのみ、専門業務型裁量労働制を導入するとしています。しかし、裁量労働制を導入するかどうかということと、任期付雇用か否かということは無関係であり、両者を結びつける根拠に欠けます。裁量労働制を使って差別を設けようとするのであれば、不当であります。
 なお、裁量労働制については、労使協定を結ばないと導入できないことになっており、労働者の過半数代表者もしくは過半数労働組合との合意が必要です。一方的に、使用者が裁量労働制を適用することはできません。ちなみに、金沢八景キャンパスでは当組合が過半数労働組合となる見込みです。
 裁量労働制を取らない教員については、現状どおりの時間管理制度を実施するよう組合は要求していますし、現状よりも不利な制度に変更することは法的に許されません。

・兼業についても不利益変更は不可能
 裁量労働制とのかかわりで、任期付雇用のほうが、「兼業の機会もひろがることが考え」られるとしていますが、任期付雇用を選ばない場合に兼業をしにくくすることは、不利益変更であり、不可能です。兼業については従来どおり認めることは先月末の教員説明会で当局も述べています。そもそも、その根拠としている裁量労働制は上記のとおり、一方的には導入できません。

・給料増額における差別は不可能
 任期制を受け入れた者は、再任時に給料相当分の「増額の機会が広がる」ことが考えられるとしています。しかし、再任のさいには増額しない、あるいは減額となることもありうるので、なんの約束にもなっていません。また、任期付雇用のもとにない教員の給与については、当組合と使用者側の労使交渉を通じて決まるものであり、増額しないと当局が一方的に決定することはできません。

・昇任にさいしての任期制同意強制も違法
 説明会では、任期付雇用を受け入れないと昇任がないと当局は述べていましたが、今回の文書では、やや変更し、昇任のさいには任期制による労働契約を結ばせるとしています。これは、任期制に同意しないかぎり昇任させないということを結局は意味しており、今まで昇任の可能であった雇用条件を、昇任のない労働条件に変更するという不利益変更であり、違法です。

・海外出張・長期研修・研究費の面での差別は許されない
 当局はまた、海外出張・長期研修・研究費の面でも差を設けるとしていますが、このようなこともすべて不利益変更にあたり、許されません。
 また、任期制を受け入れることと、研究費等の事項は無関係です。後者は本人の利益のために行なうのではなく、研究・教育の向上のために行なうものであり、任期制を受け入れるかどうかと関連づけることは、大学の健全な研究・教育の発展を阻害することにもなります。研究・教育を任務とする大学の根本的な理念に配置する措置であり、到底、許されません。

○給与推計額は同意と無関係

 年俸制を導入した場合を想定した給与推計額を示す表が同封されていますが、給与額は任期制の同意・非同意と無関係です。
 なお、年俸制についても当組合との交渉を経ていない現在、年俸制導入を決定することは不当であります。

○当局案の任期制はキケン

 本紙において当組合が何度も示してきたように、任期制には大きな危険性がつきまといます。とりわけ、現在の当局案は、どのような基準で再任があるのか、どのようなプロセスで再任審査をするのかなど、重要な部分で不分明な点があまりに大きく、任期付教員が不当に雇い止めにされてしまうおそれがあります。
 「考え方」において当局は、任期制は「任期の期間の雇用を約束するもので、教員のリストラを第一義の目的としたものではありません。」と述べて、この制度がリストラにも利用できるものであることを、かえって示してしまっています。
 教員各位におかれては、任期制に同意する前にこうした問題と危険性をよくよく考えられるよう、切にお勧めします。


看護短大学習会ひらかれる

 8日、看護短期大学部において、野村執行委員(看護短大)の準備により、看護短期大学部に所属する非組合員を含めた教員を対象に、学習会が開催されました。
 看護短大の教員から多数の参加を得て、活発な議論がなされました。
 特に関心の集中した点は、任期制および、任期制非同意の問題、組合の委任状の意味、育児介護休業制度に関連する問題点などでした。いずれについても具体的で、重要な論点が提出され、教員をとりまく状況が明らかになりました。
 今後も看護短大や他の部局で、部局単位のこのような学習会を持ちたいと執行部では考えています。

大学人の会、声明発表

 昨日、「横浜市立大学を考える大学人の会」(呼びかけ人、久保新一氏ほか)は、声明「横浜市立大学の教員全員任期制・年俸制・評価制導入の撤回を求める 研究・教育の劣化を押しとどめるために」を発表し、中田市長、小川学長、宝田理事長予定者、松浦大学改革推進本部最高経営責任者に対して提出しました。
 全員任期制・年俸制・評価制の問題点を指摘し、その撤回を求めています。


メディアが注目 各紙、市大問題を報道

 本紙でも『朝日新聞』に市大の問題を報じる記事があったことを伝えましたが、今週に入り、各紙が市大問題に注目して報道しています。
 22日付け『毎日新聞』神奈版は、「横浜市大:教員の任期制導入で混乱」と、全員任期制導入にともなって現在、生じている問題を報じ、昨日付け『東京新聞』は、「競争力つくはずが・・・ 横浜市大 改革の責任誰に?」と、受験生志願倍率低下の問題と、教員流出の問題を報じています。
 わたしたちの直面する問題が、社会に広く認識されるようになってきたといえるでしょう。

「2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求Ⅱ」全文(添付)


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2005年03月19日

横浜市立大学、新たな差別を生み出す任期(有期雇用)契約への同意書

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●横浜市 大学改革推進本部 最高経営責任者 松浦敬紀:(1)「任期制運用の基本的な考え方について」(3月15日付)、(2)同「任期の定めのある雇用契約への同意について」(同日付)、(3)当該個人の平成17年度年俸額推計表(省略) 05-3-18

 2つの目標・側面から大学の社会的意義を訴え,それを達成する上で任期制が必要である旨説明する文章としては,見事なほど官僚的であり,無内容に感じる。教員は事前に説明を受けたとはいえ,これを読んで新たな有期雇用契約に同意することには,大変な抵抗感をもつだろうと想像する。
 民間会社をアナロジーにとれば,雇用期間の定めのない正社員全員を一旦契約社員に変え,そのなかで一定期間内に業績をあげた者を元の正社員の身分に戻すといった取り扱いである。これを「リストラ」と言わずして,何というのだろうか。そもそも営利企業でさえあり得ないこのような極端な人事政策が,大学の世界であたかも活力を生み出す手段であるかのように主張されるのには驚く。

 2つ目の文書である「任期制運用の基本的な考え方について」は,有期雇用契約に対する個別同意の有無がもたらす差別待遇が主張されている。ここでは,個々人にとって「メリット」とも「デメリット」とも受け取れるような内容が見られる。例えば,任期付き雇用者には,「専門業務型裁量労働制を導入され」,おまけに医師には「1か月変形労働時間制」が無条件に導入される。明示的ではないが,個別同意に応じなかった者は,裁量労働制は適用されない?(実際の運用において,労働時間管理を任期のありなしで別の取り扱いができるのか大変疑問である)。これらの制度は基本的に残業規制の緩和を目的とする時間管理であり,有期雇用契約に同意する者にとっては,何らかの歯止めがない限り踏んだり蹴ったりの措置であろう(因みに,「専門業務型裁量労働制」を導入するためには,労働者の過半数を代表する者の書面協定が必要である。横浜市大ではそのような労使協定はあるのだろうか)。
 他方,任期契約に同意するか否かで,賃金増の機会拡大,管理職就任の可能性,海外出張や長期研修などの際の優先度,教育研究費の付加給付など,明確な待遇条件上の差別が主張されている。これらは任期契約同意への労働条件上の誘導というよりも,拒否者に対する恫喝に近い。

平成17年3月15日

教員各位
横浜市大学改革推進本部
最高経営責任者 松浦敬紀

任期の定めのある雇用契約への同意について

 新たな大学においては、市が有する意義ある大学として、市民が誇りうる、市民に貢献する大学となること、さらには、発展する国際都市・横浜とともに歩み、教育に重点を置き、幅広い教養と高い専門能力の育成を目指す実践的な国際教養大学となることを目標としております。
 この2つの目標を実現するため、「教育重視・学生中心・地域貢献」という基本方針のもと、大学を自主的・自立的に運営し、教育・診療・研究の活性化及びその水準の向上を図ることを目指しております。
 横浜市立大学の公立大学法人化は、単なる公立大学法人への衣替えではなく、併せて教育システムの大胆な改革を一体的に推進するなど、新しいしくみに対応する制度設計も同時に行い、教育面及ぴ運営面を一体として改革を推進し、大学自らが、時代の要請に、より迅速に応えることができる、活力ある大学にして行こうとしているものであります。
 新しい法人では、こうした新たな大学の目標を達成すぺく、総合的な教員評価制度のもと、年俸制や任期制という3つの制度を一体とする新たな人事制度の構築を進めております。
 この新たな人事制度の大きな柱の一つが任期制であると考えております。
 さて、公立大学法人横浜市立大学における勤務条件につきましては、これまで、就業規則(案)等をお示しするとともに、1月及び2月に開催したキャンパス別の説明会でお話ししてきたところですが、新たに導入する人事制度のうち、任期の定めのある雇用契約を締結するためには、教員の皆さん一人ひとりの同意が必要とされています。
 つきましては、別紙「任期制運用の基本的な考え方について」及び「平成17年度年俸推計額」をご覧の上、これまで私が、皆さんにご説明申し上げてきたことなども考慮していただき、別紙の同意書に自署または押印の上、次の期限までに、大学改革推進本部事務局(大学改革推進課)へ提出してください。

1 提出期限
平成17年3月22目(火)

2 提出先
大学改革推進本部事務局(大学改革推進課)
※病院に所属されている方については、病院管理部を経由して提出していただいても結構です。
(代表問合先)
電話787-2412担当中山・倉本

3 その他
(1)今回は、あくまでも任期制の適用に同意をいただけるかどうかを確認するものです。
(2)したがって、期限までに回答がない場合は、任期の定めのある雇用契約に同意していただけなかったものとみなして扱います。
(3)なお、移行初年度の扱いとして当面の間、年度途中でも任期の定めのある雇用契約への変更を受けることとします。この場合の任期の始期は、平成!7年4月とします。

平成17年3月15日

教員各位

横浜市大学改革推進本部
最高経営責任者 松浦敬紀

任期制運用の基本的な考え方について

 新しい法人では、教員評価制度のもと、年俸制、任期制という3つの制度を一体とする新たな人事制度の構築を進めております。
 説明会においてもお話したとおり、個々の教員ばかりではなく、大学全体として、教育・診療・研究の活性化及びその水準の向上という目標の達成に向けた、この新たな人事制度の大きな柱の一つが任期制となっております。
 法人との間において、一定の期問を定めて雇用契約を締結する、いわゆる「任期制」につきましては、優れた人材を確保するとともに、多様な知識や経験を有する教員等の交流の活性化を図るなど、大学全体としての教育・診療・研究を進展させることを期待しております。
 このため、教員の皆さん一人ひとりにつきましては、任期という一定の期間に目標の達成をはじめ成果や業績をあげていただけるよう期待しております。
 私としても、皆さんが任期の期間において、目標の達成をはじめ成果や業績をあげていただけるように、支援等を行っていきたいと考えております。そのことを十分に考慮していただいて、任期の定めのある雇用契約への同意をいただきたいと考えております。

<任期制運用の基本的な考え方>
 任期制は、教員評価制度をはじめ、年俸制と一体として運用することにより、教員一人ひとりの教育・診療・研究活動の水準を上げ、専門分野・キャリア開発の契機としていただくとともに、組織の様々な活動への参画、目標達成への努力等によって、大学における教育・診療・研究の地域社会への貢献等の水準の向上や質の向上に寄与できるものと期待しております。
 任期制は、その運用にあたり、一定の任期の中で、目標の達成をはじめ成果や業績をあげていただき、その評価を再任の手続きに反映していく仕組みでありますが、これまでも説明してきたとおり、「普通にやっていれば再任される」制度として運用していく考えであります。
 任期制は、任期の期間の雇用を約束するもので、教員のリストラを第一義の目的としたものではありません。

 新しい大学においては、勤務時間管理等、新たな人事制度のもと、適正な制度運用を図ってまいりますが、任期制に同意していただいた方に対しては、大学の目標・計画に沿づて一体となって活動いただく点や任期期間中に一定の成果・業績をあげることが求められることから、制度運用の中で、様々な形で支援してまいります。

例えば、

○任期付雇用の方は、教員自身の行動計画に併せた時間管理を行いやすくするため、労基法第38条の3第1項第1号に該当する業務を行う方を対象に専門業務型裁量労働制を導入します。なお,任期の有無に関わらず附属病院及び附属市民総合医療センターにおいて,医師として職務を行う方については,1か月変形労働時間制を導入します。

○任期付雇用の方は、任期の更新時に年俸額の給料相当分についても見直しが行われるので、給料相当分の増額の機会がひろがることが考えられます。

○裁量労働制や変形労働時間制の中で、時間管理が行いやすくなった結果として、兼業の機会もひろがることが考えられます。

○任期付雇用の方は、大学の管理職に就任し学内貢献をしていただく機会がひろがることが考えられます。

○任期付雇用の方は、いろいろな面で評価の機会がひろがりますので、自ずと評価結果に反映され,テニュア教授への就任も含めた昇任等の機会がひろがることが考えられます。
なお、昇任審査は本人の意向を確認の上、行いますが、現職が期間の定めのある契約か期間の定めのない契約かどうかに関わらず、昇任となった場合については、新たな職位において、新たな職位の任期の期間に基づく新たな労働契約を締結することになります。

○任期付雇用の方は、海外出張や長期研修などの際にも、優先度を上げて承認等をしていくことが考えられます。

○基本的な教育研究費の支給に差は設けませんが、上積みとしての付加給付の交付に当たっては、任期付雇用の方には、優先度を上げて交付していくことが考えられます。

 新しい組織に生まれ変わる横浜市立大学が、横浜市にとって必要な存在意義を有し、市民に理解され、横浜市とともに発展していくために、教員の皆さんも責任感と危機感を持ち、共通の目標に向けて教育・診療・研究に取り組んでいただきたいと思います。
 新しい法人では、同じ船に乗る者として、新しい人事制度の定着を図り、法人化後の基礎、土台をしっかりと構築し、予想される大学教育界の激しい変化を、ともに乗り切っていきたいと考えております。ご理解、ご協力を賜りたいと思います。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月19日 03:19 | コメント (0) | トラックバック (0)
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横浜市立大教員組合、「待ってください! 任期制に同意する必要はありません」

横浜市立大学教員組合
 ∟●組合ウィークリー(2005.3.18)

待ってください! 任期制に同意する必要はありません。

15日、当局(横浜市大学改革推進本部)は、任期の定めのある雇用契約への同意を取りつけるために、同意書用紙を、松浦最高経営責任者名による説明文書など[1]を同封して、各教員に配布しました。[2]

 任期制導入を含む労働条件の変更については、当組合との交渉が始まったばかりであり、いまだじゅうぶんな交渉を経ないまま、当局が同意書用紙配布によって任期制導入の手続きに入ったことは、きわめて不当であり、誠実交渉を行なっていないと言わざるをえません。当局に対してここに抗議します。
 また、このような文書が来たからといって、任期制に同意する必要はありません。署名捺印するまえに、この新聞を読んで考えてみてください。

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 [1] 横浜市大学改革推進本部最高経営責任者松浦敬紀「任期制運用の基本的な考え方について」(3月15日付)、同「任期の定めのある雇用契約への同意について」(同日付)、当該個人の平成17年度年俸額推計表。このような文書の配布に法的問題がないか検討中です。
 [2] 八景キャンパスでは各教員自宅まで簡易書留で郵送されました。福浦の
 医学部では、所属の教授を介して配布が行なわれ、看護短大では各教員の研究室に届けられました。医学部での配布方法についても、今後問題になるでしょう。
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任期制に同意しなくてもよい

 あらためて確認しますが、任期制は本人の自由な判断にもとづく同意があった場合にのみ導入できます。そのさい労働条件を不利益変更してはならないですから、任期制に同意しなくても、雇用は継続され、給与も支払われるのです(当局も2005年度については、今年度の給与水準と変わらないとしています)。

あまりにも多い不備 ―いま同意する必要はない

 当組合が、要求書においても述べているように、現在当局が提示している任期制の内容は、さまざまな問題点が解決されておらず、あらかじめ明らかにされなければならない事項も明らかになっていません。任期制を受け入れる用意のある人にとっても、現在の案のまま同意するのは危険すぎます。

 制度内容の重要な点が明らかになっていない以上、少なくともじゅうぶんに制度の内容が明らかになるまで、同意については保留する人が多いことは当然です。当局もこのことを認めざるをえず、同意書提出の一応の期限を22日に設定しているものの、年度途中にも受け付けるとしています。今は同意しないでおいて、ゆっくり様子を見てもなんの問題もありません。

差別待遇・不利益変更は許されない

 当局は同封の文書において、任期付雇用を選んだ教員に、いくつかの点で有利な条件のあるとしています。しかし、これは任期制に同意しない教員を差別し、不利益を与えることであり、法制度上も許されることではありません。また、なかにはそもそも法制度上、実施不可能な事項もあります。このような差別は、組合に結集して闘うことによって阻むことができます。(詳細は次頁)

とにかく出さないでおくほうが

 このように、どう考えても、いま同意する必要はありません。同意してしまうと不利ですし、同意しなくても不利にはなりません。
 同意は待ってください。
 ここに挙げたようなことをよく検討したうえで、それでも同意したほうがよいと判断された場合には問題ありませんが、少しでも悩んでいる場合には、諾、否いずれの返事もする必要はありません。とにかく今は、同意書は出さないでおくほうがよいでしょう。

組合は委任状を受け付け中

 いまは回答を保留したいのに、有力な職員・教員が圧力をかけてくるということも考えられます。そのような不安のあるかたは、是非、組合執行委員長に、任期制への合意に関する委任状を提出してください(説明は本紙3月2日号にあります)。回答をしないですますことができます。

(裏面のQ&Aもごらんください。)


任期制についての素朴な疑問 Q&A

<シリーズ第1弾>

 「同意書」は22日までにあわてて回答する必要はありません。教員がまとまって行動すれば不備な条件を改善・撤廃させる力になります。ぜひ教員組合に委任状を出しましょう。

Q1「同意書」が郵送されてきましたが、もし任期に同意しない場合、雇用はどうなるのでしょうか?

 法人化によって従来の身分はそのままで(有期雇用ではなしに)公立大学法人横浜市立大学に移行することが法律によって認められています。当局も、本人の同意のない場合には従来のままでの身分移行であることは認めています。ですから、任期への同意のない場合には、身分は自動的に移行されます。
 他方、任期に同意しますと有期雇用に変更されます。その場合には、自動的に再任されるわけでなく、雇用主である法人によって再任が拒否される可能性が生じてきます。つぎのQ2で触れますが、学会でも学問的力量が認められ、社会的にも嘱望されて「普通」以上に仕事をしていた京都大学の井上先生が、任期に「同意」していたとして再任を拒否される事件が起きています。

Q2「普通にやっていれば再任する」と言っていますが、本当に大丈夫ですか?

 「普通にやっていれば再任する」と当局はさかんに言っていますが、この言葉はある事件を思い起こさせます。「普通に、まともに仕事していれば、定年まで何度でも再任される」と説明を受けて任期に「同意」させられ、このことを根拠に任期満了と言うことで再任を拒否された事件です。現在、裁判が続けられています。京都大学再生医学研究所の井上一知教授は、日本再生医療学会の初代会長を務め、再生医療の研究業績で国際的に高い評価を受ける研究者です。
 一流の専門家7人によってつくられた外部評価委員会で再任の審査が行われ、委員全員の一致で再任が認められたのです。しかし、研究所は再任を不当に拒否したのです。この事件は、その経過においてきわめて不明瞭・不当な性格のものですが、しかし、任期制という制度の危険性を世間に知らしめてあまりあるものです。

Q3 井上事件の時には、専門家の外部評価委員会が一致して可としたのにそれでも再任拒否となってしまいました。提案されている審査制度で大丈夫でしょうか?

 「普通にやっていれば再任する仕組み」にすると当局はずっと言って来ました。ですから、教員のそれぞれが任期に同意するかどうかを判断しようするときに、この「普通」ということをどのように判断するかは大変に重要な意味を持つ訳です。
 しかし、任期規程には審査の「事項」は列挙されていても審査基準は明示されていません。
 そうなると誰が何を「普通」と判断するのか。
 身分に関わる判断が明確な基準の規程にではなく、「教員人事委員会」の判断に委ねられてしまうという恣意的なものになってしまうのです。しかも、この「教員人事委員会」の構成などについても任期規程にはまったく触れられていません。ですから、任期規程においては本質的に重要な機能を担うべきこの委員会はまったく恣意的に構成され、そのうえ「普通」がさらに恣意的に判断される危険性をもっているのです。
 しかも、当局は「任期の再任審査について」という説明文書では「5段階の相対評価」を行うと言っています。となりますと、相対評価ですから、「普通」をクリアーできない教員の存在が必ず想定されることになります。つまり、再任不可の教員層が一定数常に想定されてしまうことになるのです。これは、当局の主張との整合性という点でも、きわめて不合理な制度設計といわざるを得ません。

* シリーズ第2弾では、<再任不可の時、異議申し立てはどうなるのか?><同意しないと不利になることはないのか?><任期途中での転職はできるのか?><任期付きの場合、育児や介護休業はちゃんととれるのか?><任期制で昇任はどうなるのか?>・・・等々の疑問を考えてみます。
* 任期問題、その他の雇用条件に関して具体的な疑問を沢山お持ちと思います。
どのようなことでもぜひ遠慮なく教員組合までお寄せください。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月19日 03:18 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年03月18日

横浜市立大、最高経営責任者 松浦敬紀:(1)「任期制運用の基本的な考え方について」 (2)同「任期の定めのある雇用契約への同意について」(同日付)

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●学問の自由と大学の自治の危機問題 2002年~2005年3月
  ∟●横浜市 大学改革推進本部 最高経営責任者 松浦敬紀:(1)「任期制運用の基本的な考え方について」(3月15日付)、(2)同「任期の定めのある雇用契約への同意について」(同日付)、(3)当該個人の平成17年度年俸額推計表(省略)(2005.3.18)

横浜市 大学改革推進本部 最高経営責任者 松浦敬紀:(1)「任期制運用の基本的な考え方について」(3月15日付)、(2)同「任期の定めのある雇用契約への同意について」(同日付)、(3)当該個人の平成17年度年俸額推計表(省略)(2005.3.18)

Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月18日 11:33 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年03月17日

横浜市立大教員組合、任期制についての委任状を組合に!  任期制に同意する必要はありません

横浜市立大教員組合
 ∟●任期制についての委任状を組合に!
 ∟●委任状提出方法のご案内(PDF版)
 ∟●「委任状」(PDF版)

横浜市大教員のみなさんへ 任期制についての委任状を組合に!
任期制に同意する必要はありません。

 任期制は、期間満了をもって雇用が終わってしまうという、きわめて危険性の高い制度です。
 現在、当局が提示している任期制の制度内容は、導入の理由の合理性、制度内容の合理性、法的根拠が明らかではなく、かつ教員の労働条件を不利益に変更するものであり、認めることはできません。また、さまざまな大小の問題点や不明な点があり、制度の説明自体、いまだ十分ではなく、組合としても要求のなかで質問しているところです。
 このような状況にあっては、当局が求めても任期制への同意に応じる必要はありません。

 しかし、同意を求めるために当局側がさまざまな圧力を個人にかけることが、危惧されます。そのような不当な圧迫を防ぐために、中西執行委員長まで委任状を提出しましょう。委任状を提出しておけば、同意を求められても、「組合執行委員長に委任してあるので回答できない」として回答を留保することができます。

 ぜひ、ご検討のうえ、委任状を組合に提出してください。
 非組合員の教員のかたについても、委任状を受け付けます。

 この委任状は回答を留保することが目的ですので、委任状をもって組合が任期制に同意してしまうことはありません。本人が同意を決定した場合は、手続きを取っていただいたうえで、委任状を返却します。
 なお、任期制に同意しない場合には、「期間の定めのない雇用」が続くことになり、この点は現在と変わりありません。
 また、任期制に同意しないことをもって、労働条件を不利益に変更することは法律上許されません。当局は、同意した教員と同意しない教員の処遇等に格差を設けるとしていますが、これも許されることではありません。組合を中心とする教員の運動によって撤回させましょう。


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2005年03月09日

横浜市立大学教員組合、小川学長宛「2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求」

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●「要求書を当局に提出 誠実交渉を! 制度変更を強行するな! 年俸制・任期制について要求と質問」横浜市立大学教員組合週報/ウィークリー(2005.3.8)

要求書を当局に提出 誠実交渉を! 制度変更を強行するな! 年俸制・任期制について要求と質問

 先月までに当局が就業規則案と諸規定類を提示したことを受け、組合は、本日、市大事務当局に対して要求書を提出しました。

 組合は、当局に対し、組合との交渉も始まっていないにもかかわらず、労働条件の変更を行おうとしていることに抗議し、誠実な交渉を行うこと、
 交渉をじゅうぶんに行わないうちに制度変更を強行しないこと、
 制度変更の実施以前においては現行の制度に拠ること
を要求しました。
 さらに、賃金についても、少なくとも2005年度については現行の制度にもとづいて支給することを要求し、年俸制についての多くの重大な問題―相対評価により必ず減給を受ける者が生ずるなど―を質しました。
 任期制についても、交渉を続けること、交渉ぬきに任期制導入を強行しないことを要求し、また、任期制への同意をしない教員について労働条件の不利益変更をしないことを強く求めました。
 最後の点に関連して、期間の定めのない雇用に留まる教員は昇任の対象としないとする、福島大学改革推進本部部長の発言の撤回を求めました。また、再任制度、昇任制度を含む任期制に関連するしくみのさまざまな問題を質しています。
(任期制については、第14面に参考記事「資料」)
 勤務時間その他の労働条件と就業規則については、今後、別途要求してきます。

(次頁以下、要求書全文掲載)

横浜市立大学学長
小川惠一殿

横浜市立大学教員組合
執行委員長 中西新太郎

2月15日当局提示就業規則案及び関連規程類にたいする見解と要求

 大学当局は2月上旬から中旬にかけ、教員組合が要求してきた教員の雇用・労働条件にかかわる規程類を組合に提示するとともに、1月14日付教員組合の「見解と要求」に対し口頭での回答を寄せた。

 雇用・賃金条件のきわめて重大な制度変更を表明した大学当局、横浜市大学改革推進本部に対し、教員組合はその制度内容を早期に示した上で教員組合との十分な協議、交渉をすすめるよう繰り返し要求してきた。

 当局は昨年9月に提案を行うとしてきたが、実際には、今回ようやく規程等をふくめた内容提示を行ったものであり、それらにしても、後述するように、いまだ制度概要にすぎない曖昧な点、相互に矛盾する点などが多くふくまれている。しかも、組合への就業規則及び関連規程類提示後に行われた教員説明会(2月末)において、これまで説明されてこなかった制度内容が口頭でのみつたえられるなど、当局の制度提案はあまりにも杜撰である。法人職員としての身分の根幹にかかわる任期制や雇用条件の内で最も重要な事項である賃金制度について、整備された制度内容を提示し周知したとはとうてい言えない状況であり、組合員と非組合員とを問わず、教員からは数多くの疑問が寄せられている。

 このような状況の下で教員に対し制度変更について同意を求めることは、拙速という以前に、不当かつ違法な振る舞いと言わねばならない。教員組合は、教員が意欲を持って働けるような勤務条件を求めるとともに、横浜市大がそこで学ぶ学生の要求や市民の期待に応え、真に魅力ある大学たりうる環境を求めてきた。そのために必要な課題の検討、遂行についてはこれまでも努力を惜しまなかったし、これからもそうである。しかし、現在当局が強引にすすめようとしている制度改変は、その手続きの点でも内容においても、大学運営に混乱をもたらし、教員の失望を誘い、横浜市大の魅力も品位も失墜させるものとなっている。何よりも恐れるのは、このような事態の進行によって、教育・研究機関としての大学の機能と役割が著しく低下することである。

 この悲しむべき状況に鑑み、大学にふさわしくかつ公正で法理に則った雇用・労働条件の確立を要求する立場から、当局提示の就業規則案及び規程類案に対する組合の見解と要求を示し、あわせて、雇用・労働条件の重大な変更事項の扱いに関する要求を示す。

 なお、就業規則案については、雇用・労働条件を規律する重要な内容であることから、個別条項について細目の要求を別途行う予定である。……

以下,各章の表題,および「4 任期制導入に関する見解と要求のみ」転載。(続きを読むへ)

1 雇用・労働条件に関して一方的に制度変更を行うことは許されない
2 制度変更の確定と実施以前の雇用・労働条件は現行制度に拠ること
3 年俸制の導入に関する見解と要求

4 任期制導入に関する見解と要求

① 協議・折衝を誠実につづけること、不利益変更をしないこと
 任期付教員への移行は労使双方にとって良好な雇用形態であることが合意され、教員の同意がある場合にのみ実施される。教員が「良好な雇用形態」であるかどうか判断する前提として、任期制の制度内容が適正かつ明確に設計されていることはもちろん、それが周知されかつ教員組合、各教員の疑問に答え、十分な協議、折衝を行うことが当然である。「期間の定めのない教員」を任期付教員に移行させることは、雇用形態における最も重大な不利益変更をもたらしうることから、これは当然の手続きである。こうした手続きを無視して拙速に任期制導入を実施すべきではない。
○任期制の制度内容について組合の疑問と要求とに誠実に答え、協議・折衝を続けるよう要求する。
○任期付教員への移行について、教員からの疑問に誠実に回答すること
 言うまでもなく、任期制の制度内容に関して疑問が解消されぬ場合には、かりに当局が同意を求めても教員には回答を留保する権利がある。
○任期付教員への移行を選択せず「期間の定めのない雇用」にとどまることを理由にした雇用・労働条件の不利益変更を行うべきではないこと
◎「昇任の対象は任期付教員のみ」という2月28日教員説明会での福島部長発言は不当かつ違法であり撤回を求める。
 福島発言は、「期間の定めのない雇用」を有期雇用契約に切り換えるために差別的処遇を明言したものであり、このような差別処遇は労働基準局長通達に明記された労基法第14条の趣旨に反する違法措置である。正当化されえない処遇にたいしては、組合は法的手段をふくめ必要な対抗措置をとる。
 2月28日教員説明会において、福島部長は、「期間の定めのない雇用」形態にある教員は昇任の対象としないと言明した。この発言は、24、25日説明会ではあきらかにされず、規程としてまったくあきらかにされていなかったものである。説明会資料にも記載されず、1箇所での説明会で突然こうした重大な、しかも明確に差別的な処遇を持ち出すことは、きわめて不穏当であり、制度設計の拙速、曖昧さを示すものである。制度変更に関する十分な周知と協議以前に、どのような雇用・労働条件が想定されているかさえ定かでない状況の下では、その適否についての判断も留保せざるをえない。
 「期間の定めのない雇用」に関する教員組合の質問にたいし、当局は2月15日付回答では、「公立大学法人横浜市立大学職員の勤務条件(教員)」に示された内容については任期付教員と同様としている。当然のことながら、職位は年俸水準等、勤務条件に密接にかかわるものであり、「期間の定めのない雇用」教員を昇任対象としないことは雇用・労働条件に関する明確な差別となる。また、現行制度における職位ごとの給与制度を考えるなら、28日説明会における発言は、雇用・労働条件に関するきわめて重大な不利益変更を表明したことになる。このような変更が許されないことはあまりにも明白である。

② 再任審査制度・昇任制度に関する文書の性格、規程としての明示
 任期制に関する必要事項についての学則案の提示
 任期制及びこれとかかわる再任審査制度・昇任制度について当局が直接触れている規程は、就業規則、任期規程(案)、「任期の再任審査について」「昇任等の審査について」(いずれも、2月15日市労連説明―以下、「説明文書」)である。説明文書についてはその性格があきらかではない。任期制は教員の教育研究評価にかかわるものであり、これらは学則として必要な事項を明示的に定めるべきことがらである。
○「説明文書」について、その性格をあきらかにするとともに、「異議申し立て」制度のような規程として明示すべき部分については規程に組み入れるよう要求する。
○必要事項についての学則案を提示するよう要求する。

③ 任期制及び昇任制度の制度内容に関する見解と要求
A 再任審査手続きと審査体制について
 任期制における再任審査手続きと審査体制について、審査の客観性、公正性、透明性を保障する観点から以下の点を要求する。
○審査機関が審査内容と審査基準とにもとづいて構成で客観的審査が行える資格を備えており、かつ審査が公正に行われたかどうかを検証できることが再任審査の条件である。この当然の原則を確認していただきたい。
○「教員人事委員会」の構成及び再任審査決定手続きについての規程、学則案を提示するよう要求する。
○また、説明文書「任期の再任審査」では、「必要に応じて人事委員会のもとに部会を設置し、審査する」とあるが、部会の設置要件、構成、組織及び審査権限、手続き等に関する考え方及び規程、学則案を提示するよう要求する。
○「教員人事委員会」は学長の諮問機関とされるが、学長は「教員人事委員会」メンバーに加わるのか?
○「学長は人事委員会からの再任の適否の判定結果を確認し、理事長に申し出る」(「説明文書」)とされているが、「確認」の意味は、「教員人事委員会」による適否の判定結果を翻すことなく自動的に理事長に申し出るということか?
○「教員人事委員会」は再任に関してその適否のみを決定するのか?
 教員説明会において「教員人事委員会」は教学組織より2名、経営管理組織より2名、学外より2名の組織となると説明されている。しかし、「教員人事委員会」の構成、審査手続き等については提示されておらず、再任適否の決定権限を持つと想定される重要な委員会についてその制度機構があきらかにされていない。
 また、教員の業績評価について説明された「教員人事委員会」が客観的評価を適正になしうるかはきわめて疑問である。説明された「教員人事委員会」の構成が大学自治の原則にてらし、教学の自律性を確保するとともに、公正かつ客観的機関たりうるかどうか疑問である。この点は、教員評価の結果をどのように扱うかにかかわり、また、「部会」の位置づけ、権限にかかわる。これらの点についてあきらかにすることが必要である。
○学長による審査手続きの省略は恣意的な再任拒否を許す制度上の危険をもつものであり、容認できない。このような規定をなぜ設けているのか理由をあきらかにするよう求める。
 任期規程案では、「学長が特に認めた場合は、教員人事委員会における審査の一部又は全部を省略できる」としている。主観的意図はどうあれ、この規定は、学長が一切の審査手続きを省略して再任の適否だけを人事委員会に求められるようにしており、再任審査の恣意的運用を制度上で可能にしてしまう。
○再任の適否に関する判定理由を再任申請者の求めに応じて遅滞なく示すこと。
 なお、判定理由の提示を求める請求は「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」第3条にもとづき、再任否の場合、請求理由を付す必要はない。そもそも再任の判定理由は教員の大学における職務・業績をみるものとして、本人の求めに応じ適否にかかわらず示すべきものである。
 また、後述するように、再任審査は降任や新たな任期期間における年俸の増減にかかわるものであり、その審査内容の透明性が厳密に保障されるべきである。
○この点から、判定理由の提示内容には、任期規程案に示された審査項目の全内容がふくまれるべきである。
○言うまでもないが、以上の開示内容は文書において示されるべきである。
○説明文書「任期の再任審査について 4 異議の申し出」における「審査の結果を知り得た日」とは曖昧であり、再任申請者にたいする審査結果通告日を規定すべきである。
○前項「異議の申し出」について調査・確認及び報告を行う組織が「教員人事委員会」とされているのは不適切であり、審査結果及び判定理由の適切・公正を検証するためには別個の組織によって異議申し出の審議がなされるべきである。
 2月28日教員説明会において、「教員人事委員会」での調査・確認を経た上で別途審議を考えると説明されたが、そうであれば、異議申し出を扱う組織、プロセス全体を示すべきである。
○再任審査の申請時期、期限及び再任審査期限(「最終年度の夏頃」)の整合性と妥当性をはかること

B 審査内容と基準

◎任期規程案及び説明文書「任期の再任審査について」における審査項目相互の関係、ウエイト、設定理由があきらかでない。
 教員評価結果以外の審査項目を付加することによって、業績を評価しうる「現場」から離れた「評価」によって審査結果が左右される可能性が増す。
○「本人が関係している組織の長」は教員評価における2次評価者であり、その評価は教員評価に反映されている。2次評価者にあたる組織の長の「意見」と2次評価とはどのように関係しているのか? 評価のダブルカウントではないか?
○「本人が関係している組織の長」は複数存在しており、その意見は「評点」としてどのようにカウントされるのか?
○「本人が関係している組織の長」の「意見」はその職責において管轄する事項について評点化しうるような段階をつけて記述されるのか?
○「教員評価の結果についての学長の意見」とは、教員評価のS~Dのランク付とどのように関係するのか?
○再任審査の性格にてらし審査項目、審査基準はあらかじめ明示的に示されるべきであり、「その他学長が指定する事項」を設けることは審査項目の恣意的操作を可能にする。このような審査項目を設ける理由は何か?
○また、任期規程案では、「学長が特に認めた場合は、審査する事項の一部又は全部を省略することができる」としており、審査項目全体が学長裁量により自由に操作できる規定となっている。再任の可否がもたらす重大な結果を考えるなら、このような規定のもつ危険性を座視することはできない。
○再任の判断基準が任期期間中において「普通にやって来られたかどうか」であるならば、任期期間中の業績評価が問われるべきであり、「次期任期に向けた取組計画」を審査項目に加えることは、業績評価に拠らず、検証されていない項目をふくむことになる。再任審査を歪めることになり不適切である。
○各審査項目間の関係、評点としてのウエイトはどのように考えているか?
◎再任可否の判断基準を任期規程に明記するよう要求する。
 再任可否の判断基準を規程上で明示することは有期労働契約において使用者側に課せられた義務である。(「使用者が当該契約を更新する場合がある旨明示したときは、使用者は、労働者に対して当該契約を更新する場合又はしない場合の判断の基準を明示しなければならない」「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」厚生労働省告示第357号)「普通にやっていれば再任する」という基準を任期規程において明記しなければ、この告示に背馳することになる。
◎説明文書「任期の再任審査について 3 再任基準等」について以下の諸点の説明を求めるとともに整合性を質す。
○「一定水準以上を得点した者を再任適任者とする」とあるが、「一定水準」とはどのような水準か? 「普通にやっていれば再任」という考え方にてらし、水準の内容を明確に示すよう要求する。
○また、その水準は得点として表示されるとしているが、そうであるとすれば、あらかじめ各審査項目の評点配置、得点基準が示されるべきである。
○教員評価の評価結果以外の評点は相対評価で行われるのか?
 絶対評価で行われるとすれば、教員評価の評価結果を相対評価とすることと不整合になるのではないか?
○教員評価の評価結果をS~Dの相対評価で示すことと再任の可否を一定の基準によって判定することとはどのように関係しているか?
○相対評価による評点化は上位から下位の枠づけられた分布を実現するものであり、一定水準をその枠内に設定するかぎり必ず再任不可の者が生じることになる。「普通になっていれば再任」という考え方と相対評価による再任の可否判定は矛盾するが、制度上での整合性ある説明を求める。
○「職位別に一定水準以上を得点した者を再任適任者とする」としているが、この場合に判定されるのは、その職位において再任可ということである。逆に、その職位において再任否となった場合には、教授、準教授においては「降任」判定を意味することになるのか?

C 期間と再任回数

○助手、準教授について再任回数をかぎる合理的根拠は存在しない。現行制度から不利益変更にあたるこうした限定についてその根拠を説明するよう要求する。
 とりわけ、助手の再任回数を原則1回とし、しかも任期3年以内としていることは容認できない。また、助手において、博士号取得の有無にかかわらず任期3年以内としていることも差別的処遇である。当局案による再任審査のスケジュールによれば、任期最終年度の評価はできないため、2年間の評価によって再任の可否が判断されることになり、このような制度設計では助手が大学において業績を積む環境は著しく阻害される。
○博士号を持たない準教授、教授が簡易審査によって3年任期を5年に任期に延長できるとする法律上の根拠について説明を求める。
○任期規程案3条、4条における休職中、育児休業又は介護休業中の任期付教員の再任回数について、恣意的運用を避けるために別途規程を設けるべきである。

D 再契約における条件設定

○新たな任期期間中の年俸等の条件はどのような基準にもとづいてどのように決定されるのか? またこの条件設定と再任審査とはどのように関係しているか?
○「普通にやっていれば再任」という考え方に立つならば、再任にさいしての減俸とされる根拠は何か?
 減俸しての再任は「普通にやっていても」賃金を減額することになり、再任の考え方と矛盾することになる。
○再任決定にもとづく新たな労働契約の締結は、教員が著しく不利な雇用・労働条件に同意せざるをえない恐れがある。再任決定にもとづく労働契約においては、あらかじめ規程上で明示された事項を除き、再任時における雇用・労働条件を引き下げぬよう定めるべきである。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月09日 00:58 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年03月08日

北九州市立大教員組合、教員評価制や任期制の導入に反発

4月、法人移行の北九州市立大 “全入時代”生き残りかけ 昼夜制見直し、文系再編…170項目に及ぶ計画案

西日本新聞(3/06)

 四月に地方独立行政法人に移行する北九州市立大(同市小倉南区)。一年間にわたる法人設立準備委員会の審議が二月で終わり、今後六年間の中期目標・計画の原案がまとまった。新年度早々にも原案を基に中期計画が最終決定される予定だ。少子化の進行で、全国の大学・短大の定員と志願者数がほぼ同数になる“大学全入時代”が二〇〇九年度にも到来する見通しの中で、約六千四百人の学生を抱える大学が生き残りをかけ、どのように変わろうとしているのか。 (北九州西支局・野村大輔)
 ■学内活性化目指す
 「産業技術の蓄積」「環境重視」「アジアとの交流」という基本理念を掲げた中期目標案。それを受けて中期計画の原案には(1)教育(2)研究(3)社会貢献(4)組織運営の四分野に計約百七十項目が盛り込まれた。
 その目玉の一つが「昼夜開講制の見直し」。夜間コースの廃止、あるいは入学要件を社会人に限定することや、学部横断的なものに衣替えする案などが考えられている。また、文系四学部の統廃合を念頭に、〇七年度をめどに大学院を含めた学部・学科を再編する構えだ。学生による授業評価や教員の任期制の導入についても検討し、学内活性化を図るという。
 法人化後の学長就任が内定している矢田俊文・元九州大副学長は、公開講座の充実などで「地域に根ざし、地域を変革する大学にしたい」と将来像を描く。
 ■民間の発想に期待
 「いろいろなことを取り上げているが、優先順位をつけてほしい」。法人化後に大学運営をチェックする第三者機関・北九州市地方独立行政法人評価委員会の初会合(二月)では、総花的な印象も受ける中期計画案について委員の一人からこんな注文も聞かれた。
 そもそも、法人化のメリットは何か。市や大学側は「運営は理事長、教育・研究は学長と、権限と責任を明確化し、トップダウンの流れを作ることで意思決定を迅速化できる」と期待。さらに(1)役員会や経営審議会に学外者を入れることで民間の発想が注入される(2)予算が地方自治法の適用外となり、柔軟に使える―などの点を挙げる。
 一年早く法人化した九州工業大(同市戸畑区)では、産学連携事業などに資金を集中配分できるようになった一方で、外部資金の調達など“経営力”の重要性が増してきたという。九工大の下村輝夫学長は「大学と教員が自己責任の意識を持つようになった」と一年の変化を振り返る。
 ■内部の納得も課題
 ただ、北九州市立大の教員組合は、教員評価制や任期制の導入が検討されることについて「教員を統一基準で評価するのは困難。任期制で教員の流動性を高めるというが、北九州のような地方都市では流出につながるのではないか」と反発。学生約四千人が加入している学友会は「始めに法人化ありきで、大学側から十分な説明がなかった。市からの繰入金が減って学費が上がり、学部が縮小されるのでは」と危機感を募らせる。
 大学間競争が激しさを増し、各大学はこれまで以上に新たな魅力や個性づくりが求められる。その中で、開校六十年を迎えた北九州市立大は、どんなカラーを打ち出すのか。学生や教員が納得のいく形で施策を進められるかが、改革実現のカギを握っているといえる。
    ×      ×
 ●中期計画案の主要例
(1)教  育
  ・2007年度をめどに、学部・学科を再編し、昼夜開
   講制の見直しを図る
  ・文系学部でも早期卒業制度の導入を図る
  ・学生による授業評価の実施。教員による授業自己
   評価、相互評価の導入を検討
  ・07年度をめどに、法科大学院(ロースクール)や
   経営大学院(ビジネススクール)などの専門職大
   学院の開設を検討
(2)研  究
  ・教員再任用制度(任期制)を活用し、国内外の優
   れた教員の確保を図る
  ・独自の東アジア研究を大学の特色とし、東アジア
   の発展を担う人材育成と研究拠点の形成を図る
  ・「環境未来都市づくり」など北九州地域が目指す
   方向や問題を研究課題として積極的に取り上げる
(3)社会貢献
  ・市民のスキルアップを支援するため各種講座の開
   講を図る
  ・高校生が授業を聴講できる「体験入学制度」を検討
  ・中高生を対象とした出前授業などの実施を検討
(4)組織運営
  ・理事長と学長のリーダーシップの下で、計画的で
   機動的な大学運営を実施
  ・教員評価制度を導入し、評価結果の研究費への反
   映を図り、昇任や賞与などへの反映も検討


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月08日 01:40 | コメント (0) | トラックバック (0)
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全大教、横浜市大・都立4大学の問題について総務省へ要望書を提出し会見

横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー (2005.3.7)より

全大教、総務省と会見

横浜市大・都立4大学の問題について市・都への指導を要請

総務省、「労使の意思疎通は重要」

 先月25日、当組合の加盟する全大教(全国大学高専教職員組合)は、総務省と会見し、横浜市大と都立4大学の問題について申し入れを行いました。当組合からは中西執行委員長が参加しました。
 横浜市大と都立四大学では、今年4月の独立法人化にさいして、横浜市と東京都が、ともに任期制・年俸制など重大な問題をはらんだ諸制度を導入しようとしています。
 それぞれの制度の内容と、それら制度の導入過程は、いずれも地方独立法人法や同法案についての国会附帯決議など、関連諸法とルールに違反したものです。
 このことに関して、全大教は、当組合と東京都立大学・短期大学教職員組合の要請を受け、横浜市、および東京都に対し、是正指導をするよう申し入れました。
 これに対し総務省側は、「国会の附帯決議や総務大臣の答弁にもあるように、法人移行に当たっての労使の意思疎通は当然重要なことである」とし、「要請の趣旨は両自治体に伝える」と表明しました。
 現在、市大では、当局が当組合との交渉を経ないまま、不当にも任期制・年俸制等を導入しようとしています。当組合は、このような不正常で法の趣旨に反したやりかたを許さず、誠実な交渉を行うよう要求しています。
 総務省の回答は、当然のルールの確認であるとはいえ、あらためて当組合の要求の正しさを証左するものとなりました。

(次頁に、全大教書記長による報告)

2005年3月4日
各単組委員長殿

全国大学高専教職員組合
書記長 森田和哉

東京都立四大学と横浜市立大学の法人化に伴う総務省会見報告

 全大教は、東京都立大学・短期大学教職員組合と横浜市立大学教員組合の要請を受け、2月25日、要望書(別紙参照)に基づき総務省会見を行いました。
 これは、4月に迫った東京都立四大学と横浜市立大学の法人移行に際して東京都と横浜市が行おうとしている教員雇用制度が地方独立行政法人法及びその成立時の附帯決議の趣旨を大きく踏み外した乱暴なものであることを訴え、公立大学の法人化に責任を負う官庁として適切で迅速な指導を要請し、また見解を質しました。
 この会見には全大教森田書記長、藤田書記次長、東京都立大学・短期大学教職員組合から浜津委員長、田代副委員長、横浜市大から中西委員長が参加し、約1時間にわたって行われました。総務省側は自治行政局公務員部公務員課の溝口洋理事官等が対応しました。
 
 まず全大教森田書記長が、現在の東京都と横浜市が強行しようとしている法人化に伴う教員雇用制度の変更は、地方独立行政法人法の国会審議の際になされた衆参両院での附帯決議を大きく逸脱していることを深く認識してほしい旨の表明が行われ、次いで両組合から各々の要請書に基づき説明と要請がなされました。
 都立大学・短期大学教職員組合は、当局の発した文書、組合の要求への回答などを資料として、基準も示されないまま任期と年俸制をセットにした「新制度」と、永久に昇任・昇給のない「旧制度」という、どちらを選んでも不利益な変更である雇用制度の不当性を訴えました。さらにこの両制度が二者択一で提示されたが、教員の過半数がどちらの選択も拒否しており、このままでは労使が対立したまま4月を迎えることになる現状を説明しました。
 横浜市立大学教員組合は、市当局によって「大学教員任期法」ではなく労基法14条に基づく全教員の任期制と東京都同様算定基準も明らかにされない年俸制とが押しつけられようとしている状況を訴えました。現在の給与制度からの明らかな不利益変更であるこれらの雇用制度は、制度としての公正性、透明性が保障されておらず、また、ほとんど組合との交渉もなしに強行されようとしていることに対して、総務省としての是正指導を要請しました。
 東京都立四大学、横浜市立大学とも、職務や業績評価の基準も再任基準も明示されずに「とにかく教員に任期を付け、年俸制にする」ということのみできわめて酷似した「制度」です。
 これらの訴えに対して、総務省は、「国会の附帯決議や総務大臣の答弁にもあるように、法人移行に当たっての労使の意思疎通は当然重要なことである、要請の趣旨は両自治体に伝える」と表明しました。しかし、同時に「大学のことは熟知しておらず、法人下での勤務条件の中身は労使で決めることで、個々の事象について総務省として口を出すのは難しい。」とも述べました。それに対して組合側から、総務省が唱えた地方独立行政法人法によって公立大学を法人化する上での趣旨を達成するためには、東京都立四大学でも横浜市立大学でも総務省からの積極的な指導が必要な状況であることが重ねて要請され、総務省は「頂いた文書等をよく勉強します」と答えました。
 最後に、全大教として、第1に、東京と横浜で起こっている事態は、一般的な指導、援助では済まず、国会附帯決議をふまえた十分な指導が必要であること、第2に、そうした事態が全国の公立大学に波及する可能性があり、現場での良好な労使関係を進めるためにも、全大教と適宜会見を行うこと、を要求しました。
 これに対して、総務省は基本的に了承するとして、今回の会見は終了しました。

(次頁に全大教、総務省宛要請文)

2005年2月25日
総務大臣
麻生太郎殿

全国大学高専教職員組合
中央執行委員長 関本英太郎

東京都立四大学並びに横浜市立大学の独立行政法人化に伴う教員の雇用制度等に関する要望書

 公立大学振興のための日頃からのご尽力に敬意を表します。
 地方独立行政法人法の下で、東京都と横浜市はそれぞれが設置する大学について、本年4月よりの独立行政法人への移行・改組を進めております。その際、法人への移行に当たって、東京都および横浜市は、それぞれの大学に勤務する教員に対して、これまでの任用条件からの大幅な変更を伴う雇用条件を提示しています。
 東京都は現在都立四大学に勤務し本年4月以降も首都大学東京並びに現四大学に引き続き勤務する予定の教員に対して、法人への移行に当たって任期制・年俸制に基づく「新制度」または任期の定めがなく昇給・昇任のない「旧制度」のいずれかを選択するよう求めています。また横浜市は現在横浜市立大学に勤務し4月以降も勤務を続ける予定の教員全員に対して、法人への移行に当たって任期制・年俸制の雇用制度に切り替えることを提示しています。
 それぞれの教員はこれまで、「教員任期法」に基づく任期制が適用されていた一部の助手を除き、任期の定めのない条件で任用され、いわゆる「定期昇給」の制度が適用され、個人の業績や所属する学部・学科等の事情により異なるとはいえ昇任の機会も与えられていました。これに対して、東京都並びに横浜市が今回提示している法人への移行に当たっての雇用条件は、これまでの任用条件からの重大な変更であるとともに、明らかな不利益変更です。
 地方独立行政法人法では「移行型一般地方独立行政法人の成立の際、現に設立団体の内部組織で当該移行型一般地方独立行政法人の業務に相当する業務を行うもののうち当該設立団体の条例で定めるものの職員である者は、別に辞令を発せられない限り、当該移行型一般地方独立行政法人の成立の日において、当該移行型一般地方独立行政法人の職員となるものとする」(地方独立行政法人法59条2項)と規定しています。
 森清・総務省自治行政局公務部長(当時)は、この法律が審議された国会答弁において、「これは、設立団体の業務と同一の業務に従事する者につきましては、当該地方独立行政法人の職員として引き続いて身分を自動的に保有しつづけることができるという形を法律上措置したものでございます」(参議院総務委員会2003年7月1日)とした上で、後述する附帯決議等において、身分の承継にあたり、移行にあたっては関係者の充分な話し合いと意思疎通が求められることも明確にされています。
 条文上「別に辞令を発せられない限り」というのはその意義が限定されており、「①(独立行政法人に承継せず)〇〇省内で他の部局・機関へ移動させるという〇〇省の辞令、②独立行政法人には承継されるが、「相当の職員」にはならない場合の独立行政法人の辞令」(独立行政法人制度の解説・独立行政法人制度研究会編 松尾剛彦内閣中央省庁等改革推進本部事務局参事官補佐)の二種とされており、雇用・身分の承継については揺るぎのないところであるといえます。
 このような法の趣旨に照らした場合、雇用条件も基本的には継承されるのが当然です。
 労使の充分な交渉・協議を欠いたまま東京都や横浜市が提示しているような重大な不利益変更を伴う雇用条件変更を行うことは許されません。事実、この間独立行政法人に移行した各機関や昨年4月に法人への移行を果たした国立大学は、それ以前の雇用条件を基本的に継承しています。
 以上のことから、現在東京都並びに横浜市が進めていることは、地方独立行政法人法の趣旨からの重大な逸脱であるといえます。
 地方独立行政法人法成立時の参議院総務委員会における附帯決議においても、政府に対し、「地方独立行政法人への移行等に際しては、雇用問題、労働条件について配慮し、関係職員団体又は関係労働組合と十分な意思疎通が行われるよう、必要な助言等を行うこと。」を決議しています。
 地方独立行政法人を指導・助言する立場にある貴省として、これらの事柄についての見解を求めるとともに、必要な指導・助言にあたられることを求めるものです。


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2005年03月03日

横浜市立大学教員組合、「有期雇用契約(任期制)に同意する必要はありません! 組合に委任状提出を!」

■横浜市立大学教員組合週報/組合ウィ-クリー(2005.3.2)
大学改革日誌(永岑三千輝教授)-最新日誌(3月2日)
学問の自由と大学の自治の危機問題(佐藤真彦教授)

最新日誌(3月2日)より

教員組合から本日付の週報が届いた。多くの教員に、現状では任期制への同意をしないことを勧めるものであり、不当な圧力に屈しないためには、教員組合に委任状を出すことを提案し、呼びかけている。

2月28日の教員説明会で、ある教員が外国の過去の事情などもあげながら、「大学の教員は強そうに言っていても、非常に弱くもろい」といっていた。まさにそうだと思われる。たくさんのひどい労働問題・労使関係を知っている吉田さん(香川大学)は、まさに「脱出」したではないか。精神的に奴隷化されることの危険性に敏感な吉田さんのHPをよく読んでみる必要があろう。

研究教育に没頭することだけを希望してこの道を選んだものが圧倒的多数のこの世界において、当局(さまざまな意味での財力・権力などをもつもの)に対して、きちんと対峙できるような百戦錬磨の闘士がいるわけがない。

いや、憲法の保障する「学問の自由」、「大学の自治」は、まさに真理探究を主眼としている大学教員が行政的(本学の場合で言えば市当局)な圧力におびえなくてもいいように保障しているものであろう。それは、個々の教員が弱いことを踏まえた上で、そうした弱みに「力」を持つものがつけけ込んではならないことを求めているものであろう。以下、委任状に関するニュースを掲げておきたい。

「そもそも「普通にやっている」かどうかを決めるのは、教員(=労働者)自身ではありません。」とあるが、まさに、現在、大学自治の根幹に関わる部分で、それが破壊される危険性がある。人事の問題、教員評価の問題は、一体誰が行うのか? すくなくとも、この間、新規採用の人事においては、教授会審議は行われていない。新しい法人の人事であり、現在の教授会は関係ないからだ、といった論理で押し通している。

はたしてそれは、妥当か?深刻な問題を抱えているのではないかと考える。新規採用と同じことが、昇任等で行われるとどういうことになるか? 学問の教育研究に素人の人間が決定権を握るようになる可能性がある。そうしたシステムとなっているのではないか?

-------

横浜市立大学教員組合週報/組合ウィ-クリー(2005.3.2)

もくじ
●有期雇用契約(任期制)に同意する必要はありません! 組合に委任状提出を!
●委任状について
●当局第2回教員説明会
--------------------------------------

●有期雇用契約(任期制)に 同意する必要はありません! 組合に委任状提出を!

任期制教員となって、もしも再任されない場合、裁判で勝てるか?
 「普通にやっていれば再任される」と当局は言っていますが、「普通かそれ以上」でも再任されないことがあります。任期制とは、例えば任期5年の場合、法的には「5年間は雇います。その後はそのときまた考えましょう」というものです。任期制は基本的に、任期の終了時、使用者は自由に労働者を解雇(=再任拒否)することができるのです。
 そもそも「普通にやっている」かどうかを決めるのは、教員(=労働者)自身ではありません。また、「普通にやっている」と判断されたとしても、次の中期計画などで、その分野やコースあるいは担当科目が大学として不要だということにされてしまうと、再任されない可能性が大いにあります。教員が任期中にノーベル賞をとったとしても、このような事情で再任されない恐れもあります。
 再任されなかった場合に、労働者側が裁判で勝てるという保障はないのです。

任期制に同意しないことこそ、「普通にやっていればクビにならない」ための条件
 任期制に同意しなければ、自動的に「期間の定めのない雇用」となります。この場合に使用者が労働者を解雇することについては、労働法制上極めて厳しい条件が付いていますので、こちらの方こそが「普通にやっていればクビにならない」労働契約です。
 任期付教員にならない教員、つまり「期間の定めのない雇用」の教員は、「任期に同意した教員」と比べて不利益な扱いを受けるのではないか、と心配する人もいるかもしれません。しかし、両者の間で労働条件に差をつけると法律に触れるので、そういったことはできません。今回の説明会で、同意しない人とした人とを勤務条件(労働条件)で差別できないことは、当局も認めています(3~4面に関連記事)。
 何より重要なことは、任期付の契約に同意しないことです。つまり任期制教員になることを拒否し続けることです。任期付契約に同意しない教員が多ければ多いほど、われわれ教員は有利になります。
 また、任期制に同意しないで期限の定めのない雇用になったからといって、昇給がないということにはなりません。法人化以降、すなわち4月1日以降、われわれ横浜市立大学の教員は公務員ではなくなります。公務員の場合、労働条件は市の条例で定められますが、法人化以降は、労使間の交渉によって決まります。民間企業の組合がストを構えて春闘を行うのと同じです。
 任期付契約に同意しない教員が多ければ多いほど、そして教員組合の組合員数が多ければ多いほど、まともな労働条件で働くことができるのです。

組合に委任状提出を!
 「普通にやっていれば再任されるのだから、任期付契約に同意して下さい」とか、「任期付教員にならないと、研究費の面で不利益になりますよ」などと圧力をかけられるおそれがあります。
 このような不当・違法な圧力をはね返すために一番良いのは、教員組合に委任状をあずけることです。当局や「上司」に対して、「この件については、組合委員長に委任してありますから、回答できなせん」と言うのです。ぜひ、委任状を提出して下さい(下記参照)。

●委任状について

 労働条件、特に任期制に関する合意について組合に委任しましょう
 組合は、本学のすべての教員に、労働条件、特に任期制に関する合意について、執行委員長、中西氏に委任することを呼びかけます。委任状を提出しましょう。

非組合員の教員についても、委任状を受け付けます
 組合員各位には、非組合員の教員への呼びかけもされるようお願いします。

提出方法
 委任申込用紙とご案内は、すでに各組合員のもとに届いているはずです。
 委任状の提出は下記の方法のいずれかで行なってください。
  1 組合事務室に持参する
  2 組合事務室に、郵便、宅急便もしくは庁内便にて送付する
  3 最寄りの執行委員に預ける
 ご提出後、1週間程度で、委任状のお預かり証をお届けします。
 執行委員長と執行委員会は、責任をもって委任状を受けます。誰が委任したかについては秘密を厳守します。
 お問い合わせは、本号4面の連絡先までお願いいたします。

●当局第2回教員説明会

 先月24日、25日、28日、福浦、浦船、金沢八景の各キャンパスにおいて、当局によって、労働条件に関する第2回の教員説明会が催されました。おもに松浦大学改革推進本部最高経営責任者(副理事長予定者)と福島大学改革推進担部長から説明がありました。
 当局の説明とそれに直接関連する質疑応答において明らかにされたのは、おもに以下の点です。組合のコメントを括弧で示します。
 当局案全体についての論評と要求は、あらためて別に発表します。

当局のスケジュール
・4月1日より、任期制・年俸制・教員評価制度を導入する。
(当組合との交渉も本格的に行なわないで導入を一方的に決めるのは、不当であり、脱法行為です。)
・新法人に移行したくない者はなるべく3月4日までに、退職を申し出てほしい。
(同上。)

任期制
・任期制については個人の同意が必要であり、3月4日以降ないし3月中旬に手続きに入る。
(同上。)
・任期制を拒否する教員についても、雇用を継続し、期間の定めのない雇用とする。
労働条件の不利益変更は行なわない。
(当然です。そうでなければ違法です。)
・ただし、任期制を受け入れない教員については以下のような格差を設ける。
  1 裁量労働制を導入しない
  2 昇任がない(28日にはじめて言い出しました。24、25日には触れていません。)
(きわめて重大な不利益変更であり、不当、違法であるとともに、当局の上の言明と矛盾します。)

教員評価制度
・教員評価制度を年俸制、再任審査に連動させる。得点は5段階の相対評価により決める。
(全員頑張ると「普通に」、あるいは一生懸命に働いていて高い成果を得ても最低の評価になりえます。)

年俸制
・給料相当分(全体の6割程度)を任期期間中固定とする。再任時に見直す。ベースアップ、経済状況にみあった変化はありうる。
(昇級の保障はなく、減給になる可能性もあります。)
・職務給・職務業績給(4割程度)を評価に基づいて変動させる。変動幅は10%、すなわち全年俸の4%程度。
(同上)
・17年度分の年俸は、16年度のものに、定期昇給分を加味したものとする。

兼業制度
・兼業に従事する時間は、「法人の利益に資するものとして」特に理事長が認めた場合を除いては、賃金を減額、または報酬を法人に納付させる。
(何が「法人の利益に資するもの」なのかの客観的基準の有無、それを決定する権限が理事長にあってよいのかが問題です。)

過半数代表
・就業規則決定のために、労働者側からの過半数代表の選出が必要である。
 (当組合も準備を進めます。)

 その他、勤務時間制度、退職手当などについて説明と質疑応答がありましたが、ここでは割愛します。

当局の姿勢、改革失敗の責任追求
 さらに質疑応答では、改革において教員のみが痛みを負い、当局側が痛みを分かち合おうとしない姿勢、一方で教員に責任を負わせ、他方で教員管理を強化することの不当性が糾されました。
 当局の応答は、論点を回避するものでした。
 また、今回の改革全体について、入試志願倍率のいちじるしい低下をみても、客観的に失敗であるとの判定が下ったのであって、改革担当責任者の事務職員・教員は、責任を取るべきであるという、正当な主張と追求が教員の側からなされました。
 当局側は、個々に今後の業績いかんでは責任を取るという明言する者はいたものの、入試制度の不備を挙げるなど、論点をすりかえ、現時点で責任を取るとは述べませんでした。
 あらためて、教員・学生・一般職員の声と合意形成を無視した、上意下達型の一方的改革の無責任体制ぶりが明らかになったと言えるでしょう。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月03日 00:51 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年03月02日

横浜市立大、第2回教員説明会 「任期制に同意しない者は昇任対象としない」

大学改革日誌(永岑三千輝教授)
 ∟●最新日誌(3月1日)

 昨日(28日夕方6時から9時20分ころまで)、第二回教員説明会があった。最高経営責任者(予定者)及び大学改革推進本部労務担当部長の説明は、1時間近く行われ、その後2時間余にわたって会場参加者からの意見表明・質問とそれに対する回答があった。一番重要な任期制問題では、すでに行われた医学部の説明会での答弁と28日の八景キャンパスでの答弁とが違うことをはじめ、制度設計の全般にわたって重大な問題点がつぎつぎと指摘され、満足な回答は得られなかった。

 しかも、そのように重大な身分上の変更に関わる提案(説明)を、2月15日になって行い、十分な規定等の整備抜きで、今回の説明会において、「任期制」への同意だけを迫る態度を示したこと(会場発言の言葉を使えば、「卑怯なやり方」)は、労使関係の根本的なあり方としても、重大な問題をはらんでいることが、教員組合委員長をはじめとする参加者から繰り返し出された。

 いずれ教員組合も、昨日の重大な論点については整理し、文章化して法律問題、誠実な交渉義務の問題、就業規則提示の時期の問題、就業規則実施に伴う諸制度・そ規定の不備(欠如)の問題などを指摘することになろう。すくなくとも、現段階で任期制に同意をもとめられても、その判断材料が適正かつ公明な形で提示されていない以上、明確になるのは不利益がほとんどという状況では、問題外というのが多くの人の気持ちだったのではなかろうか。

 昨日の最高経営責任者・労務担当部長の発言で一番の問題は、任期制に同意しない者は昇任対象としないという部分であろう。すなわち、任期制と昇任とを結合させ、現在の公務員としての「期限の定めなき雇用」形態から、有期雇用の形態に何が何でも押し込んでしまおうとする態度をしめしたことだろう。これは、明らかな不利益措置であり、関係諸法律に違反するものといわなければならないだろう。

 そもそも昇任(助手から准教授へ、准教授から教授へ)とは何を基準にするのか、その根本が問題になる。昇任とは研究教育業績を積み、大学の使命(学則に示される真理探究など)の実現度・その実績に応じたものではないのか? 任期に同意するかどうかを昇任の基準とし、差別基準とするのは、これは根本的に(憲法的な意味で)重大な問題をはらんでいるのではないか?そうした任期制の制度設計は、大学の研究教育の活性化とどのように関係するのか、まさにその説明責任こそが問題となる。すべては教員組合がすでに繰り返し指摘してきた論点であろう。昨日の説明会の態度は、それにまともに答えない態度だということである。

 こうした昨日の説明会の問題点については、教員組合執行部がしっかり法律論をはじめとして、論点をまとめ、提起してくださるであろう。

 「大学教員任期法」の精神にも、労働基準法の有期契約の精神(労使双方の良好な関係・労使双方に有利な契約という精神)にも違反しているような制度をこの時点になって最高経営責任者と労務担当者から聞こうとはと、愕然とする。いったいこれで、どれだけの人が「よしこれならやろう」という意欲をもてたのか(ほとんどの人は不利益・不安しか感じなかったのではないか、特に若い人々、助手、講師、助教授の人々はそうではないか)、これが昨日の総括的印象である。

 もうひとつ、繰り返し提起された問題は、新しい学部の応募者・受験生の「激減」の責任を誰がどのように取るのかという問題であった。来年もこのようであれば、「私が責任を取ります」というのが最高経営責任者の言葉であった。大学改革推進本部が学長以下の入試管理委員会の組織を使って行っている入試であり、昨年までの入試とは違って教授会による審議(入学者判定教授会)は行われていない。ポイントはこの教授会審議の欠如という点である。学校教育法にもとづく重要審議事項として教授会が持ってきた責任と権限をどのように実行するのか、まさにこの点が最も重要な問題であろう。従って、今回の入試システム自体の持つ根本的問題(少なくとも学則による教授会審議事項の無視)も、その責任の所在を明らかにする上では重要な論点となろう。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月02日 01:54 | コメント (0) | トラックバック (0)
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