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2005年02月
掲載事項(記事)一覧


2005年02月25日

横浜市立大教員組合、「わたしたちの権利について」

大学改革日誌(永岑三千輝教授)
 ∟●最新日誌(2月24日)

(組合員各位
 下記のようなビラを教員に配布しますので、配信します。
 どうぞお読みください。         執行委員会)

教員のみなさんへ!
 事前にもう一度はっきり認識しておきましょう。

・身分は承継
・任期制は本人の同意が必要
・同意しなくても雇用は継続
・不利益変更はいっさいできない

組合員ならびに非組合員の教員のみなさん!

 今月24日、25日、28日に当局は、新法人における勤務条件についての教員説明会を行なう予定であり、その後、労働条件の変更について教員の同意を得ようとすることが予想されます。
 そのまえに、わたしたちの権利について、また、当局は何ができないかについて、もう一度確認しておきましょう。

(1)身分は承継
 当局側の人々からはときに、新法人への移行にあたっては新たな労働契約がなければ身分が承継されないかのごとき、あやまった発言がなされています。
 しかし、地方独立行政法人法によって、新法人への移行にあたっては、かならず身分が承継されることが定められています。横浜市大についても、当局自身がこのことを、すでに昨夏に確認しております(当組合週報2004年8月23日号)。
 したがって、当局が何を言おうと、新たな労働契約がなくとも雇用は自動的に継続されますし、当局はそれ以外の措置を取ることはできません。

(2)任期制は本人の同意が必要、同意しなくても雇用は継続
 現在ほとんどの教員は、期限の定めのない雇用契約において労働していますが、これを任期付雇用に切り換える場合には、本人の同意が必要であります。本人が、この同意をしない場合には、身分が承継されること自体は変更のしようもありませんから、当然に雇用は継続されます。給与も、労基法の定めにより、4月5日付で当然支払われますし、5月以降も同様です。

(3)不利益変更はいっさいできない
 任期制に同意しない場合、新たな労働契約を結ばない場合、それとは無関係に身分が承継されるだけでなく、労働条件の不利益変更はいっさいできません。
 そんなことをした場合、あるいは、するぞと脅す、あるいは婉曲に、そのようなことを当局がしそうであると思い込ませるような言辞を吐くことは、いずれも違法な不当労働行為となります。もちろん実行はできません。
 すでにこれに近い暴言のたぐいは現れています。当局側がそのような不当労働行為を行なっていないかどうか、常に監視とチェックを怠らないでください。そのような事態が起きた場合には、なるべく詳しい記録を取って、当組合にお知らせください。ご自分と仲間の身を守るために役立ちます。

2005年2月24日
横浜市立大学教員組合


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月25日 01:25 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年02月21日

筑波大、体育科学系 新任講師に任期制

筑波大学新聞
 ∟●体育科学系 第新任講師に任期制(12.13 2004) 

体育科学系 新任講師に任期制

 研究を活性化するため体育科学系が、来年度から新たに採用する講師に任期制を導入する。11月の教育研究評議会で承認された。任期は5年で、再任が可能。再任する場合の任期は3年で、合計8年まで勤務できる。来年4月1日に採用する予定の講師1人から適用する。助教授と教授については現在、任期制を導入する予定はないという。
 任期制の導入によって、教員の流動性が高まる。体育科系では、他大学で助教授を務めた教員を降格させ、講師に採用することが多い。そのため、他大学に比べて教授、助教授に昇任する年齢が高いという問題がある。こうした閉塞感を除き、若手教員をより多く採用したいという。
 5年の任期終了後は、任期中の実績を同学系の教員会議で評価する。学内では、基礎医学系が全学に先駆け02年度に導入している。


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2005年02月18日

横浜市立大、組合第1次見解要求(1月14日)に対する当局回答要旨

横浜市立大学教員組合
 ∟●横浜市立大、組合第1次見解要求(1月14日)に対する当局回答要旨(2005年2月10日)より一部抜粋

組合第1次見解要求(1月14日)に対する当局回答要旨

(2005年2月10日)

……

5 原則全教員への任期制適用について

1)全教員を対象とする任期制が大学の教育・研究のあり方に真にふさわしい制度であるという論拠は全く示されていない。
 全教員を対象とする任期制の導入が「優れた人材を確保する」といえる根拠は何か?
 「大学の教員等の任期に関する法律」(以下、「教員任期法」)が大学における任期制の適用を限定的に扱っていることとの関係で、今回提示された任期制案が大学における「教育研究を進展させる」といえる根拠は何か?

回答:任期制は、公正かつ総合的な教員評価制度及び新たな給与制度(年俸制など)と併せて運用することにより、教育・研究活動の活性化を図ることを趣旨としたものである。また、優れた人材を確保するとともに、多様な知識や経験を有する教員等の交流の活発化を図り、もって、教育研究を進展させるため、原則として全教員を対象に任期を定めて任用する制度としたものである。

2)重大な不利益変更を伴う任期付き教員への移行を正当化する根拠、理由は存在しない。
 任期の定めのない職員としての身分承継を否定し有期雇用契約に切り換える根本的で重大な不利益変更を行う、合理的でやむをえざる理由は存在しない。また、当局案には、全教員の有期雇用契約への切り替えが不利益変更には当たらないとする論拠、制度根拠は示されていない。

回答:任期制の導入は、他大学でも進めているところであり、教育研究の活性化に資するものだ。

3)仮に任期制を導入する場合、法理から言って「教員任期法」に拠らなければならず、労働基準法第14条に基づくことはできないはずである。

回答:平成16年の労基法改正により有期契約期間の上限制限とその適用範囲が改正されたことにより、労基法に基づく導入が可能となった。

・また、当局案が依拠する労基法14条の有期労働契約における期間上限延長は、「有期労働契約が労使双方から良好な雇用形態の一つとして活用されるようにすることを目的としている」。教員にとって従来の「期間の定めのない雇用」と比し、今回当局提案のどこが「良好な雇用形態」であるのか?

回答:なし

4)有期労働契約が合意にいたらず、「期間の定めのない雇用」が継続する場合の勤務条件は「公立大学法人横浜市立大学職員の勤務条件(教員)」文書における「任期」の項を「期間の定めのない雇用」に変更すると解しうるが、それ以外に変更がある場合にはその内容と理由を説明せよ。

回答:「公立大学法人横浜市立大学職員の勤務条件(教員)」に示された内容については、そのとおりだ。なお、詳細については別途示していきたい。

5)当局案(「教員の任期制について」)に示された任期制の制度設計は、雇用形態の変更という最も重大な労働条件の変更を提案しているにもかかわらず、以下に指摘するように、あまりに曖昧で具体性を欠く。以下の指摘は細部にわたるものではなく、制度設計の基本にかかわるものであり、それぞれについて具体的回答を求めるものである。
・「教員任期法の精神にのっとる」とは具体的にどういうことか。

回答:教員任期法の目的は、「大学等への多様な人材の受け入れを図り、もって大学等における教育研究の進展に寄与する」ことだ。

・「再任の考え方」の「最低限クリアしてほしいこと」とは、具体的にはどのような水準を規定しているのか。再任用件の内容として「取組姿勢、能力、実績など」としているが、「取組姿勢」の主観的で恣意的でない基準としてどのような指標を規定しているのか?
 また「取組」の具体的内容は何か?複数の要素にわたる場合、それらの相互関係はどのように規定されているのか?
 さらに、「能力」の具体的内容は何か?「実績」として判定されない「能力」として何を想定しているのか?

回答:再任及び昇任については、別途基準を示していきたい。

・「再任の考え方」にある「新たな市立大学の教員として」の「新たな」とは、現在の学部、短期大学部等は想定していないという意味か?
・助手、準教授、教授の職位にあることの可否と教員身分にあることの可否が同一視されている。
 再任審査において当該職位にあることの審査基準・内容と、教員身分にあることの審査基準・内容とにちがいはないと考えるのか? あるとすればどのようなちがいを想定しているのか? 市立大学教員として「最低限クリアしてほしいこと」と助手、準教授、教授それぞれの果たすべき職務が同じでないとする以上、再任の可否は直接にはそれぞれの職位にあることへの可否を意味するはずである。
 大学教員としての責務、市立大学教員としての責務、職位に応じた職務それぞれの内容についてあきらかにしたうえで、それらの相互関係を踏まえた再任要件規定が示されなければ説明としての一貫性を欠く。
・再任審査にかんする厳密で透明性のある手続規程が明示されていない。
「教員評価制度の評価結果など」を用いるとしているが、教員評価制度を再任審査に用いることの理由、根拠はまったくあきらかでない。どのような理由・根拠から教員評価制度を再任審査に利用するのか?

回答:なし

・「教員評価制度の評価結果など」を用いるとしているが、教員評価制度を再任審査に用いることの理由、根拠はまったくあきらかでない。どのような理由・根拠から教員評価制度を再任審査に利用するのか?

回答:すでに、「公立大学法人横浜市立大学職員任期規程」に示したとおりだ。

・「教員評価制度の評価結果など」の「など」とは何か?
・教員評価制度の評価結果を具体的にどのように用いるのか?
・単年度評価である教員評価制度をどのようにして3年ないし5年任期の任期制における評価と連動させるのか?

回答:再任及び昇任については、別途基準を示していきたい。

・「人事委員会で審査し」とされているが、審査内容と結果について透明性を確保する具体的保障が存在するのか?

回答:審査の基準を定めることや、学外委員を含め構成することにより、透明性を確保している。

・再任拒否にたいする異議申し立て制度を必要なしと考えでいるのか?

回答:評価結果にたいする異議申し立て制度を検討している。

・テニュア制度の導入を謳っているが、その具体的制度内容があきらかにされていない。テニュアの資格要件、テニュアヘの移行条件をどのように想定しているのか?

回答:教授の職位のうち、テニュア資格を有する教授として創設したもので、審査に合格した場合は、定年までの雇用契約を締結することができる終身雇用の教授だ。なお、テニュア教授への昇任については、別途基準を示していきたい。
・助手、準教授における再任回数制限の根拠が示されていない.この基準を仮に現行の助手、助教授に適用してみると、限度年限を越えるケースが存在する。特に、助手について3年任期の1回の更新しか認めない場合には、きわめて深刻な事態が予想される。このことを承知しているか?
 承知しているならば、予想される明白で重大な不利益を承知しながら当局案のような再任回数制限を設けているのはなぜか?

回答:助手については教員等の相互の学問的交流の促進を図り、教育研究の活性化を図る趣旨から任期は3年、再任は1回とするものだ。6年という期間の中で、是非とも成果を挙げてもらい、「上位の職への昇任に積極的にチャレンジしていただく」といった動機付けとしても考えている。

・3年任期の有期雇用契約は大学教員の職務にふさわしくない。

 大学教育にそくして教員の職務を評価する場合であれ、中期計画にもとづいて評価する場合であれ、3年任期の設定が大学にふさわしくないことはあきらかである。大学教育のあり方を無視している。大学における評価の整合性という観点から3年任期がふさわしいと考える根拠は何か?
 また、準教授について「簡易な審査」によりさらに2年の契約を行うとしているが、この場合、「簡易な審査」の内容は何か?

回答:なし

・昇任に関する制度内容は具体的にどのようなものか?任期制の再任審査と昇任制度との関連が指摘されているにもかかわらず昇任制度の説明が欠けている。

回答:昇任審査の資格要件などは別途示していきたい。

・再任と年俸との関係について曖昧な説明が行われている。
 再任にあたって年俸が同額、増額、減額の場合があるとしているが、年俸設定はその年度にかんして行われるものであり、3年ないし5年の任期最終年度における年俸増減をなぜ行うのか合理的説明がない。年俸設定が当該年度の教員評価にもとづくとするならば、「夏頃まで」の再任判断において年俸の増減を云々することは年俸制の趣旨に外れている。

回答:なし

・ローン設定を困難にするなど、「期間の定めのない雇用」から期限付き雇用への移行によって生じると予測されるさまざまな不利益について当局はどのような検討を行ったのか?

回答:既に、病院に勤務する教員の一部に任期制を導入しているが、そのような問題があることは聞いていないが、今度の制度構築の中で留意していきたい。なお、主要取引銀行に選定された横浜銀行は、任期制であることをもって、ローン設定を困難にするということはないとのことだ。……


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月18日 01:37 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年02月10日

「福岡県立三大学の地方独立行政法人化について」、任期制・年俸制も検討

福岡県立三大学の地方独立行政法人化について(発表日:平成17年2月8日)

 福岡県では、主体的・自律的に大学を運営し、柔軟に教育研究活動が展開できる大学づくりを進めていくため、平成18年4月を目途に県立三大学(九州歯科大学、福岡女子大学、福岡県立大学)を地方独立行政法人へ移行することとしました。

県立三大学の法人化基本方針(PDF)

[一部抜粋]

5 人事給与制度
(1)採用等
ア 優秀な教員を確保し、教育研究の活性化を図るため、教員の採用については、大学の教育研究目標に沿った人事の方針を設定することとする。併せて任期制を導入するものとし、具体的な方法について検討を進める。
イ 大学の職員についてはプロパー職員で構成することが望ましいが、法人化後の円滑な運営という観点から、当分の間は県からの人的支援を行う。

(2)給与
ア 教職員の職務に対するインセンティブを付与するため、個人業績評価の結果を給与に反映させる制度を検討する。その際、国や県の公務員制度改革の動向、民間、他大学の動向も踏まえて検討を進める。
イ優秀な人材を確保するための方策の一つとして年俸制の導入について検討を進める。

(3)服務
大学においては、産学官連携などの推進を図るため、兼職・兼業については、本務に支障をきたさないことを前提に柔軟に認める方向で許可の基準や手続等を明確にする。

県立3大学、地方独立行政法人に-九州歯科大・福岡女子大・県立大

毎日新聞(2/09)

 ◇来年4月めど

 県は8日、九州歯科大、福岡女子大、福岡県立大の県立3大学を06年4月をめどに、地方独立行政法人に移行すると発表した。少子化で学生数確保の競争にさらされる大学を、県の行政組織から切り離し、機動的・戦略的な運営を可能にするのが目的。九州・山口地区では今年4月に、長崎県が2県立大の同法人化を予定しているほか、北九州市立大も同法人化する。

 県立大学は県の行政組織の一部で、教員の身分が地方公務員になることなどから、組織運営や人事・給与、予算面で制約が多く、柔軟な運営を妨げる要因になっている。

 法人化に伴い、大学運営の重要事項に関する意思決定機関として理事会を設置。理事長には学長が就任、学外の経営に関する専門家を副理事長にし、効率的な予算配分や人事配置などを進める。学内外の意見を広く聴くため、経営協議会と教育研究協議会も設ける。教授会の負担は軽減され、教育・研究に専念できる環境も整うという。

 人材育成や教育環境の改善、業務運営の効率化などについて、知事が6年間の中期目標を設定。それに基づき、大学が中期計画を定める。大学の活動は県の機関である評価委員会が評価し、運営の改善に反映させる。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月10日 09:46 | コメント (0) | トラックバック (0)
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横浜市立大学の全教員任期制、「個別同意に応じると大変」「期限の定めのない雇用が一番」

大学改革日誌(永岑三千輝教授)
 ∟●最新日誌(2月9日)

 労働法・労働組合問題・労使紛争に詳しい人から、本学の就業規則案や教員説明会の当局側説明に関する感想が寄せられたので、紹介しておこう。

下記の意見のようであるならば、まさに独立行政法人化は、「噴飯もの」の就業規則と整理解雇の恐怖を背景にして、大学の自治・学問の自由の破壊、教員の精神的奴隷化を進めるものとなろう。批判(がましいこと)は就業規則をたてに「引っ掛けられる」となれば、私も含めて、多くの人は今以上に沈黙の度を深くする(せざるをえない)であろう。それは真の意味の大学活性化とは正反対のものとなろう。戦々恐々とした大学人とは、いったいなんだろうか? 憲法の保障は、就業規則の脅かしで換骨奪胎状態になるのか? 現在は、三菱自動車、NHK問題でもそうだが、むしろ、内部告発を守るのが民間企業でも大切になってきているのではないのか? さまざまの意味での権力をもったものが批判を封じることを簡単に可能にすれば、最終的には社会(市民・国民)が巨大な被害をこうむるのではないか?

就業規則案と教員説明会の言動だけでも、かなり多くの教員はいやけがさし、萎縮し、精神的自由を失ったのではなかろうか? 

教員組合が問題視するような、任期制に同意を迫るためになされる労働諸法律から見て「間違った」説明、曖昧な説明にうかうか同意すると、大変なことになる。京都大学事件はそれを示している、と。

現在、説明をしている当局側の人々は、来年以降大学(法人)にいるかどうか、わからない。口頭説明などは、形として、証拠資料として残らない。京都大学井上事件で明らかなように、事務局が同意書に署名捺印させるために発した言葉はどこにも残っていない、同意した文書だけが残っているのではないか?「任期に同意」という文書だけが残されることになるとすれば、恐るべきことではないか?

「引っ掛けられないように」と親身になって忠告していただき、感謝。

--メール・タイトル「滅茶苦茶ですね」----

 基本的には組合の見解に賛同します。ただ一点だけ気になることがあるのでそれについて書いておきます。それは「任期の定めのない雇用契約の場合、1年経過後には任期[雇用?]としては打ち切られることになる。」の所です。特に「1年経過後」とは何を意味しているのかさっぱりわかりません。一般的には解雇は何年雇用したかということとは関係ないからです。勤続20年で解雇されることもあれば、半年や一ヶ月で解雇されることだってあります。ですから、これは解雇法理の一般論を説明しているわけではないのです。

 理解できない発言を無理やり理解しようとすると、総務部長は解雇法理の説明にダブらせながら、法人化後の横浜市大の雇用方針について話をしている可能性が高いということになります。つまり「1年経過後」に整理解雇を実施する意図があることを言外にほのめかしているのではないかということです。「法人化された後の横浜市大では1年後に整理解雇を行う予定である。任期制を選択した教員はその対象外であるから、よりましな選択だ。」という脅し(メッセージ)がその中に含まれていると考えなければならないということです。
 となると、この脅しがどの程度実行される可能性があるかを評価するかということになりますが、これについてはまったく判断がつきかねます。市から繰入金の削減、カリキュラム改変等々、法人化後の状況は恣意的に人員整理が必要であるかのような状況を作り出せるからです。特に、市が「あり方懇」の5年で収支均衡という路線を堅持しているのならば、その可能性は高いことになるでしょう。

 では、当局の言うように任期付きを選択したほうが安全なのでしょうか。それこそ当局の思うつぼです。3年もしくは5年後には必ず人員整理問題をもちだすでしょう。その時には、当局の気に入らない教員(「業績のない教員」ではありません)は有無を言わさず再任なしということになり、かつそれには抗いようがないからです(京大の事件はまさにこの問題を端的に示しています。周知のように、あの事件は、再任されなかった理由について争っているのではなく、間違った説明で任期制の職につけられたことを争っているからです。あれだけの業績があっても「再任されなかった理由」について争えないのが任期制=有期雇用の法理なのです)。
 これに対して「期限の定めのない」労働者の整理解雇に関しては解雇の必要性の存在、回避努力義務、解雇者の人選の合理性、誠意ある協議という四条件を果して初めて正当な解雇として認められる整理解雇の四要件が定着しており、組合が言うように簡単に実施できるというものではないのです。人員整理の可能性が高いから「期限の定めのない雇用」を選択すべきなのです。・・・

 ところで、昨年末に出された就業規則案ですが、ひどいですね。組合でも議論されたことと思いますが、まったく噴飯ものの案ですね。特に懲戒の理由に「法人の名誉や信用を著しく傷つけた場合」とは別に「法人に対する誹謗中傷等によって法人の名誉を傷づけ」というのがあります。これは拡大解釈で、教員・職員による大学批判を封じる条項になりかねません。先生のように意見(異見)を自由に公にされることに引っ掛けてくるかと思います。くれぐれもお気をつけください。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月10日 00:55 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年02月09日

横浜市立大教員組合、「教員説明会(1月27日)における福島部長の暴論を糺す」

横浜市立大教員組合
 ∟●組合ウィークリー(2005.2.8)
大学改革日誌(永岑三千輝教授)-最新日誌(2月8日(3))
学問の自由と大学の自治の危機問題(佐藤真彦教授)

教員説明会(1月27日)における福島部長の暴論を糺す

 1月27日医学部で行われた教員説明会での質問に答え、福島部長は以下の発言を行っています。
 「任期の定めのある雇用契約ですと、基本的には、任期の期間中は雇用を保障されるということになると思います。任期の定めのない雇用契約の場合、1年経過後には任期[雇用?]としては打ち切られることになる。解雇要件になりますが、これは労基法に基づくため、非常にきびしく限定して運用されることになるが、原則的にはそういう不安定な雇用になる、と考えている」
 この発言は、人事・労務専門家の発言としてきわめて重大な問題を孕んでおり、暴論と言わねばなりません。以下に暴論である理由を述べ、その責任をきびしく糺すものです。
 福島発言の核心を取り出すと、「有期雇用の方が雇用は安定していて、任期を定めない雇用は不安定だ」ということになります。しかし、これはとんでもなく逆立ちした主張です。
 期間の定めのない雇用について、民法627条は、その契約を解約する申し入れがいつでもできると規定しています。しかし、それだから解雇が自由化といえば、決してそうではありません。解雇が正当と認められるためにはきびしい条件が付されることは判例や通説で明確に確認されています。解雇するには正当事由が必要であり、使用者がいつでも解約を申し出られるわけではありません。
 有期雇用の場合、組合が繰り返し主張してきたように、そうした解雇要件を満たしていなくても、契約期間終了時には契約更新を拒否される可能性がありその点で雇用は不安定なのです。更新拒否(雇い止め)の要件を解雇要件よりも「緩く」設定できてしまうところから、こうした不安定性が出てきます。
 雇用形態のこのちがいを逆立ちさせ、期間の定めのない雇用を不安定と強弁するのは、不見識をとおりこし、意図的で悪質な主張と言わざるをえません。
 福島部長の発言が正しいとすれば、任期付き教員でない大半の私学大学教員は「不安定な雇用」にさらされている、ということになるでしょう。もちろん大学教員のみならず、期間の定めのない雇用の下にある労働者は有期雇用の労働者とくらべ不安定だ、ということになります。誰がどうみても現実に反し、常識に反するそういう主張を公に述べること自体、信じがたいことです。
 福島部長は、「有期雇用への移行は雇用形態上有利な変更であり、不利益変更にはならない」と主張したいのでしょうか。だとしたら、任期付き教員への移行が有利な変更であることを堂々と述べたうえで、期間を定めない雇用よりも三年任期、五年任期の雇用制度の方がどれだけ有利なのかを具体的に示すべきです。当局提案の任期制が現行の雇用形態とくらべてどれだけ有利で魅力的かを示す証拠はありません。「有期雇用だからより有利だ」と言わんばかりの誤った説明で当局案を正当化することできません。
 言うまでもなく、有期雇用への移行が「有利」かどうかは、雇用者である教員がそう判断できるかどうかにかかるものであり、使用者側が一方的に「有利だから、のめ」と言えるようなものではないことも、あらためて確認しておきます。
 有期雇用ならば数年間は雇用が保障されるけれども、期間の定めのない雇用は不安定という福島発言は、雇用期間にかんする労働法理を歪めているだけでなく、そうすることで、「もし任期制に同意しなければ雇用が不安定になる」という印象を醸し出しています。「同意しなければ不利になる」とあからさまに述べていなくとも、不安定な雇用形態になること(これが誤った主張であることは上に述べたとおりですが)を想定しておいた方がよいと匂わせているのです。
 その意図はないと後でいくら弁明されても、発言全体が教員の不安を煽るレトリックとなっていることは否定できないはずです。
 労使交渉を誠実に果たすべき役割と責任を持つ人事・労務担当者がこうした発言を行うことは大学当局への深刻な不信感をもたらすものであり、座視することができません。何が何でも任期制に同意させるための誘導とみられても仕方のない発言は厳に慎むべきです。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月09日 09:55 | コメント (0) | トラックバック (0)
URL : http://labor.main.jp/blog/archives/2005/02/127.html

2005年02月05日

横浜市立大の全教員任期制、大学を死滅させる!

大学改革日誌(永岑三千輝教授)
 ∟●最新日誌(2月4日)

2月4日 本日誌読者から久しぶりにメールを頂戴した。昨日の教授会でも話題になった受験者数のデータに関してである。外部の人がどのように見ているか、昨日教授会で話題となった視角とほとんど同じであるが、以下にコピーしておこう。この客観的データをもとに、社会の反応をどのように分析し、どのように説明するか。市行政当局・大学改革推進本部は下記のような評価に、どのように反論するであろうか?[1] 

私は、任期制や成果主義賃金の導入に関しては、慎重にも慎重に検討を重ねる必要があると考えている。無理押しは、面従腹背の教員を多くし、今年度中にも、さらには来年度以降も引き続いて、脱出を試みる教員を増やすだけだろうと考える。それは、大学活性化とは反対の方向だろうと思う。

任期制の導入は、東大等でもやっているように、全教員(助手、講師、助教授、教授の多様な層がいるが)に対してではなくて、全ポストに対して(科目に関わりなく、すなわち科目による差別なく-思想信条・学問の自由に関わるのでいかなる科目でも可能性ありとするのは憲法にかなっている)可能にすることは制度として考えられる。その場合、具体的なあるポストをいつの時点で活性化のために優遇した条件にするか、そしてその特別優遇のポストに誰をつけるか、ということはしかるべき社会的評価(学界等外部の第三者による客観的評価の検証可能なもの・・・内部のお手盛り的評価は許されない)の上で行う、ということは考えられる。任期制に移行するときに、その担当ポストが時代の最先端を行くとか、しかるべき大学教員任期法が定める資格要件を満たす必要はあろう。それが大学教員任期法の趣旨であり精神だと考える。首切りの脅かしのための全員任期法などというのは(他方では、「普通にやっていれば」問題ないなどという曖昧な、どのようにでも解釈でき内部的な恣意がまかり通る可能性がある規定)、それを就業規則案として公にしたことすら、本学の大学教員全体に対する侮辱ではないかと感じる。

私の得ている情報に間違いがなければ、東大の場合、60歳定年の原則(慣行)が確立してきたため、任期制ポスト(5年任期)への就任は、55歳の時点であり、5年後の定年退職を見越した導入であったという。その後、傾斜的な定年延長があり、任期制導入時点が現在どうなっているのか(定年延長にあわせて、57歳、58歳となっているのかどうかなど)はつまびらかにしないが、こうした事例も参考にはなろう。 

ドイツでも、普通の教授に対して(たとえばA教授というのか?)、Cクラスの教授とか言うのがあるそうである。これまであまり興味がなかったので調べたことはなく、人が話しているのを耳にしただけである。たとえば、「あの教授は一番上のランクのCクラスで、月給はこれくらいだそうですよ、われわれと比べると・・・・」、云々と。ドイツの場合、教授にもランクをつけているのであり、教授になってたとえば5年間で、教授クラスの上の段階(Bクラス)に上がるかどうかを審査する、そしてさらに5年後に最高のCクラスになれる人がなるということで、業績を評価しているというわけである。それならば、活性化につながるかもしれない。助教授にも、3クラス(5年刻みで)くらい設定することも可能かもしれない。問題はランク別の給料などではない。経営の厳しいときに格差があまりないのは当然であろう。意味があるのはランクそのものの設定だろう。

人によっては、5年間に更なる大きな前進を遂げる人もいれば、種種の理由からそうでない人もいるであろう。しかしだからといってひとたび教授(あるいは助教授)になった人が特別の事情のない限り、解雇や差別の恐怖におびえる(同僚・先輩教授、非専門家の管理職教授の顔色をうかがわなければならない)というのは許されないであろう。5年間にしかるべき前進を示さず業績を積まない人(あるいはそれを種種の理由から対外的には示さない人)は、現ランクにとどまればいいのである。

本学の場合でいえば、「有期契約3年・5年」で示されたような差別(妥当かどうかは疑問だが)を維持するとすれば、博士号等の特別の資格を有する人は、理論上(実際の個別事例・個々の教員に関してははわからない)、他からの引き抜きや流出の可能性がそうでない場合よりも大きいという一定の合理的な推定が働くので、それを抑止するために60歳になった時点で他の同じ年齢の教授よりは一ランク上に位置付けその任期を5年とする、博士号等の特別の資格を持っていない人は(それがその人の学問的業績の水準とはまったくべつであるし、最近のように文科系でも博士号が多発される時代とかつてのように何十年かにほんのわずかの人が取得できたという時代とでは博士の重みがまったく違う、博士号はそれ自体としては今後ますます重みがなくなろう・・その限界を見据えた上で)、62歳になった時点で一ランク上の3年の任期制ポスト教授に移行するか、そのまま定年まで普通の教授にとどまるかを審査選択してもらう、というやり方も考えられるであろう。

以上は単なる思い付きに過ぎないが、いずれにせよ、具体的ポストに関するきちんとした大学らしい検討抜きの全員任期制は大学を本当に死滅させるであろう。現在示されている就業規則案は法の精神と法体系を無視し、大学教員任期法の適用を回避するための労働基準法適用も姑息な手段だと考える。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月05日 01:28 | コメント (0) | トラックバック (0)
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都立大・短大教職員組合、大学管理本部は多数の「回答保留」を真摯に受けとめ17年度教員給与制度を、現行の制度のまま移行せよ!

東京都立大学・短期大学教職員組合
 ∟●「大学管理本部は多数の「回答保留」を真摯に受けとめ17年度教員給与制度を、現行の制度のまま移行せよ!」(手から手へ(第2328号))(2005年2月3日web掲載)

大学管理本部は多数の「回答保留」を真摯に受けとめ
17年度教員給与制度を、現行の制度のまま移行せよ!

2005年2月2日 年東京都立大学・短期大学教職員組合中央執行委員会

 大学管理本部が私たち教職員組合と四大学教職員の意向を無視して強行した新法人のもとでの「任用・給与制度の選択」に関する照会は、 この照会を受けた教員の半数以上が回答を保留したまま、管理本部の設定した回答期限をすでに越えた。任期制・年俸制による 「新制度」を選択した者は四大学全体の中でも今のところ少数にとどまっている。こうした回答状況は、四大学教職員の多数が、 「新制度」「旧制度」とも現時点において納得していないという厳然たる事実を示したものにほかならない。

 教職員組合は、このような事実を踏まえ、2月1日、管理本部との団体交渉の場において、教員の雇用・給与制度については現行のまま 新法人に移行することを求める「新法人における賃金制度に関する緊急要求」4項目をあらためて提出した。
 「緊急要求」前文にも示した通り、当局の称する「新制度」は、どうしたら昇給できるのかという昇給システムも明らかにされておらず、 職務給や業績給についてはすべて検討中で、18年度以降の賃金がいくら支払われるかさえ定かではない。「任期制」については、再任 基準も示されていない。「旧制度」に至っては、どんなに努力をし、成果をあげても「昇給も昇任もしない」という制度であり、懲罰的な制度と 言わざるを得ない。そうした現行に対する重大な不利益変更であるばかりか、そもそも提案内容そのものが「制度」なるものの最低の基本的要件 さえ満たしていない提案に、多数の教員が納得できないのは当然である。

 組合が提出した4項目の要求に対して、団交の場で大学管理本部は、コメントと称して、「1から3については、われわれとしては、全く考えて いない。4については、17年度の昇任者については、従来通りの考え方で算出した額の直近上位、18年度以降の昇任者、採用者について は、別の考え方で行う。その内容は、検討中である」との全く不当な発言を行った。

 大学管理本部は、大多数の教員が「新制度」を選択せず、およそ半数の教員が「照会」に対する回答を保留している現実を、まず真摯に受け止める べきである。そして当局の提案には未決定の事柄が多く、多くの検討事項が存在することを認めてこれを撤回し、成案ができてから改めて「新制度」 の提案を行うべきである。組合は、このように未決定事項が多い「新制度」の実施は、困難であるばかりか、 18年以降にさらなる混乱を招くことを 強く指摘する。
 法人化後の賃金制度や「任期制」などの雇用制度は、いうまでもなく、組合との交渉事項である。大学管理本部が、自らの案の実施を強行しようと するのであれば、組合はあらゆる合法的な手段で対抗することを表明する。
 法人発足まで、残された時間はわずかである。円滑な法人への移行を行うためには、大学管理本部は、「17年度の教員給与制度については、17年4 月昇任者を含め現行の制度のまま移行すること」という組合の提案を受け入れるのが当然である。
 私たちは、大学管理本部に対して、「緊急要求」を受け入れることを強く求めるとともに、四大学教員の皆さんに、納得できない提案には「納得できな い」との態度を毅然と貫き、不当な「新制度」「旧制度」を跳ね返すため、広く団結して行動することを、再度呼びかけるものである。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月05日 01:27 | コメント (0) | トラックバック (0)
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都立大・短大教職員組合、「新法人における賃金制度に関する緊急要求」

東京都立大学・短期大学教職員組合
 ∟●「新法人における賃金制度に関する緊急要求」(手から手へ(第2328号))(2005年2月3日web掲載)

2005年2月1日

大学管理本部長・新大学設立本部長 村山寛司 殿
経営準備室長 髙橋 宏 殿

東京都立大学・短期大学教職員組合
中央執行委員長 浜津 良輔

新法人における賃金制度に関する緊急要求

  任期制・年俸制の「新制度」か昇給・昇任なしの「旧制度」という、どちらを選択しても不利益な制度選択に関する「照会」回答の管理本部への提出が締め切られました。伝えられるところによれば、「新制度」を選択した者は半数にはるか満たず、およそ半数の者は、「照会」に対して、その態度を未だに保留しているようです。
 「新制度を選択しても、一年に限り旧制度に戻ることができる」という「特例措置」 や「提示された年俸と年収の飛びつき幅によって、昇給」させる、「基本給決定の経過措置」が、締め切りが間近に迫る1月14日になって、突然出され、かえって混乱を増大させました。1月18日、19日に行われた説明会では、出席者から出された疑問に対して、十分に納得できる回答がなされたとは言い難いものでした。そうしたことが、「照会」に対する反応として表れています。選択を迫られた教員にとっては、十分に考える時間すらなく、説明会での質問に対しては、「検討中」の回答ばかりが目立つのですから、こうした結果は当然です。
 なによりも、昇給もあり、昇任も可能で、任期がつかない「現行の制度のどこに問題があるのか」という疑問に対する回答がありません。また、「新制度」では、確かに17年度の賃金は増加しますが、19年度以降については、最大で4割近くが業績評価や職務内容によって変動します。問題は、「職務給」や「業績給」の決定方法が、未だに明らかでないことです。
 組合の試算によれば、「新制度」においても、3年に1度の昇給がなければ、現行の賃金を下回るものです。しかしながら、「新制度」における昇給のシステムも明らかにされていないのが現状です。
 「旧制度」については、論ずる必要すらありません。どんなに努力をし、成果をあげても「昇給も昇任もしない」という制度をとっている大学があるでしょうか。
 組合は、このように未決定事項が多い「新制度」の実施は、困難であるばかりか、18年度以降にさらなる混乱を招くと判断しています。また、「新制度」も「旧制度」も、現行の制度からの不利益変更です。
 こうした変更は、移行型地方独立行政法人の移行に際しては、行ってはならないことです。
 よって、組合は新法人への移行にあたって、管理本部に対して、下記のことを強く要求します。


1.17年度の教員給与制度については、17年4月昇任者を含め現行の制度のまま移行すること。
2.「新制度」については、詳細が明らかになった時点で、改めて提案すること。
3.「任期制」の導入にあたっては、「大学教員任期法」に則り、教授会の議を経て、慎重かつ限定的に実施すること。
4.昇任者、新規採用者の給与決定にあたっては、従来通りの基準で算出すること。

Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月05日 01:26 | コメント (0) | トラックバック (0)
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