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2003年10月
掲載事項(記事)一覧


2003年10月25日

横浜市大、教員に「任期・年俸制」 大学改革案まとめる

朝日新聞(2003年10月25日)

 横浜市立大学(横浜市金沢区、小川恵一学長)は、05年度から独立行政法人化し、教授など全教員に任期制、年俸制を導入する大学改革案を24日までにまとめた。今月中に中田宏市長に提出される。両制度の全教員への適用は、四つの都立大学を統合して05年度に開学予定の東京都の新大学でも検討されているが、導入が決まれば、既存の大学では初めてという。
 各分野の実務の専門家を公募しやすくし、業績主義を進めて大学教育や研究の質を高めるのが狙い。現在、同大学の教授、助教授、講師など教員は641人いる。任期と年俸の設定方法については、学内に人事委員会を新設し、教育、研究実績などに基づいて、同委員会で判定して決める方向で検討している。

 任期制や年俸制の導入は、1140億円(01年度末)の負債を抱える同大学の経営改革を検討していた市長の諮問機関が、2月に出した答申の中で、求めていた。

 このほか、改革案では経営改善のため経営組織と教育・研究組織を分け、それぞれ責任者として理事長、学長を置くことも盛り込まれている。

 国公立大学の改革を巡っては97年、大学の判断で任期制を導入できる法律が成立。文部科学省によると、02年10月時点で172の国公立大学のうち77大学で、医学部や研究所を中心に一部教員に導入されている。年俸制は国家公務員法により、現状では導入できないが、独立行政法人化されると可能になる。


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URL : http://labor.main.jp/blog/archives/2003/10/post_70.html

2003年10月03日

横浜市立大、現職全教員に任期制を導入することに反対する声明

学問の自由と大学の自治の危機問題
 ∟●学問の自由と大学の自治の危機問題 2002年~2005年3月
  ∟●現職全教員に任期制を導入することに反対する声明

現職全教員に任期制を導入することに反対する声明

2003年10月3日
横浜市立大学教員組合

「プラン策定委員会」幹事会が9月26日に提出した「大学改革の大枠整理(追加)について」においては、「原則として全教員を対象とする」任期制の導入を提案している。

教員組合は公立大学行政法人には反対の立場であるが、よしんば法人化を仮定したとしても、地方独立行政法人法においては従来の教員身分は法人に承継されることになっている。したがって、移行に当たっては基本的な労働条件の不利益変更は許されない。然るに、全教員に対する任期制の導入は、有期雇用への雇用形態の変更であり、労働条件の重大な不利益変更となる。

横浜市立大学教員組合は、任期制の安易な導入には反対である。「大学の教員等の任期に関する法律」(以下、「任期法」)は、「任期を定めることができる場合」を限定しているのであり、この法律によって任期制を無限定的に導入できるわけではない。「1 先端的、学際的又は総合的研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野又は方法の特性にかんがみ、多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき。2 助手の職で自ら研究目標を定めて研究を行うことを職務の主たる内容とするものに就けるとき。3 大学が定め又は参画する特定の計画に基づき期間を定めて教育研究を行う職に就けるとき」に限定される。現行「任期法」は限定的任期制であり、これを現職の全教員にまで拡大して無限定的任期制を採用することはこの法に違反することになる。事実、全国の大学において全学部の全教員に対して任期制を導入している大学は皆無である。                     

さらに、この法律には、「任期制の導入によって、学問の自由及び大学の自治の尊重を担保している教員の身分保障の精神が損なわれることがないよう充分配慮する」との附帯決議が付されており、その運用にあたって「身分保障」に関しての極めて厳しい条件が課されている。

教員組合は、現職全教員への任期制の導入は、教員身分に関する重大な不利益変更であり、これを断じて認めることはできない。事態の展開如何では、我々は、法的な対抗措置を講じることをも辞さない。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2003年10月03日 11:21 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2003年10月02日

横浜市立大、 大学改革案における教員任期制の導入に関する商学部教授会意見

大学改革案における教員任期制の導入に関する商学部教授会意見

2003年10月2日
商学部教授会

 プロジェクトR委員会は、9月26日に提出した『大学改革案の大枠整理(追加)について』と題する文書において、全教員を対象とする任期制の導入を提案しているが、任期制を導入することのメリットおよびデメリットに関する議論はともかくとして、そもそも教員全員について任期制を導入することは、現行法上ほとんど不可能であり、大学改革案においてかかる提案を行うことは、現行法における公立大学教員の任用に関する規制に抵触すると考えられる。その理由は、次の通りである。

1.現行法上、大学(学校教育法第1条に規定する大学をいう)の教員(大学の教授、助教授、講師および助手をいう)について任期制を導入することに関して法的規制を設けているのは、「大学の教員等の任期に関する法律」(以下、大学教員任期法と称する)である。この大学教員任期法は、平成9年に制定されたもので、その趣旨は、大学において多様な知識または経験を有する教員相互の学問的交流が不断に行われる状況を創出することが大学における教育研究の活性化にとって重要であることから、任期を定めることができる場合その他教員の任期について必要な事項を定めることにより、大学への多様な人材の受入れを図り、もって大学における教育研究の進展に寄与することにある、とされている(同法1条)。このような立法趣旨に鑑みれば、同法は、大学の教員について任期を定めない任用を行っている現行制度を前提としたうえで、以下に述べるような個別具体的な場合(大学教員任期法第4条1項1号~3号)に限り、例外的に任期を定めた任用を行うことができることを明らかにしたものである(2003年5月16日衆議院における政府答弁)。

 2.大学教員任期法第3条によれば、公立の大学の学長は、教育公務員特例法第2条4項に規定する評議会の議に基づき、当該大学の教員(常時勤務の者に限る)について、次に述べる第4条の規定による任期を定めた任用を行う必要があると認めるときは、教員の任期に関する規則を定めなければならない。すなわち、任期制を導入しようとする場合には、まず、評議会の議に基づいて任期に関する規則を定めることが必要となるわけである。
そして、このような教員の任期に関する規則が定められた場合でも、任命権者が、教育公務員特例法第10条の規定に基づきその教員を任用するときは、次の3つの事由のいずれかに該当しない限り、任期を定めることができないのである。これは、すなわち、①先端的、学際的または総合的な教育研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野または方法の特性にかんがみ、多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき、②助手の職で自ら研究目標を定めて研究を行うことをその職務の主たる内容とするものに就けるとき、③大学が定め又は参画する特定の計画に基づき期間を定めて教育研究を行う職に就けるとき、である(大学教員任期法第4条1項)。また、任命権者は、このうちのいずれかの事由に該当するとして、任期を定めて教員を任用する場合には、当該任用される者の同意を得なければならない、とされている(同法4条2項)。

 以上の各規定から明らかなように、任命権者が公立の大学の教員について任期を定めるためには、前述のように評議会の議に基づき任期に関する規則を定めなければならないほか、さらに前記①~③の事由のいずれかに該当すること、および任用される者の個別的同意が必要であり、いずれの要件を欠いても、公立の大学の教員について任期を定めることができないことになっている。そして、前記①~③の各事由の内容の解釈からも明らかなように、大学の教員全員について任期を導入することは、ほとんど不可能であり、教員全員について任期を定めた任用を行うことは、任期を定めない任用を原則としつつ、例外的に任期を定めた任用を許容するという大学教員任期法における公立大学教員の任用に関する規制に反する。

3.大学の教員全員が前記①~③の事由のいずれかに該当し、かつ任期を定めることについて全員の同意が得られた場合には、大学全体について任期制を導入することは、理論的にはあり得る。しかし、現在ある学部または研究組織の全ての職を、例えば①の事由に該当するとして、教員全員について任期制を導入するとすれば、それは、①の事由の拡大解釈であり、このような拡大解釈は、「多様な人材の確保が特に求められる」という法文の趣旨に反するのみならず、任期を定めない任用を原則としつつ、例外的に任期を定めた任用を許容するという大学教員任期法の立法趣旨にも反することになる。また、①の事由の拡大解釈は、任期制の導入によって教員の身分保障の精神が損なわれることがないよう充分配慮するとする衆参両院の付帯決議にも違反する。

 4.来年度以降、公立大学法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第68条1項に規定する公立大学法人をいう)は、その設置する大学の教員についても、労働契約において任期を定めることができることになるが、その場合も、当該大学に係る教員の任期に関する規則を定める必要があるほか(大学教員任期法第5条2項)、前記第4条1項所定の①~③の各事由のいずれかに該当することが必要とされている(大学教員任期法第5条1項)。また、前述したのと同様の理由から、公立大学法人の設置する大学の教員の全員について任期を定めることは、ほとんど不可能であると解される。

 以上のように、プロジェクトR委員会が提案した横浜市立大学の全教員を対象とする任期制の導入は、現行法の解釈論としては認められないものである。もちろん、大学教員任期法第4条所定の3つの事由のいずれかに該当するときは、任期を定めることが可能であるが、これはいうまでもなく、当該3つの事由のいずれかに該当する教員について任期を定めることができるに過ぎず、プロジェクトR委員会の提案した教員全員を対象とする任期制の導入ではない。プロジェクトR委員会の提案は、公立の大学または公立大学法人の設置する大学の教員について任期を定めない任用を原則としつつ、例外的な場合にのみ任期を定めた任用を許容するという現行法上の規制に反するものと考えられる。よって、商学部教授会は、プロジェクトR委員会に対し、教員の任期制の導入に関して、関係する各法令をよく調査したうえで、慎重に検討するよう要望する。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2003年10月02日 18:45 | コメント (0) | トラックバック (0)
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