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2003年02月
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2003年02月18日

外部評価委は可、協議員会は拒否 京大教授再任求め仮処分申請へ

朝日新聞(2003年02月18日)

 5年任期で採用され、4月末に任期切れを迎える京都大再生医科学研究所の井上一知教授(57)が、同研究所の行った再任拒否決定は無効であるとし、近く、地位保全の仮処分を京都地裁に申し立てる。文部科学省によると、任期制教授職の再任審議の正当性を問う訴えは初めて。
 申立書などによると、井上教授は98年5月、京大医学部助教授から同研究所の教授に5年任期で採用された。井上教授は、研究所内部の人事決定機関である協議員会の申し合わせ(内規)が決める手続きに従い、昨年4月、再任の審議を申請した。

 内規によると協議員会は、外部評価委員会の評価に基づいて再任の可否を審議決定する。学外の専門家ら7人による外部評価委員会は「再任を可とすることに全委員が一致して賛成」と報告した。しかし、協議員会はその後、無記名投票で再任拒否を決めた。

 協議員会の委員長である山岡義生・同研究所長に異議を申し立て、理由説明を求めているが、返事は来ていないという。

 井上教授は「しかるべき理由もなく外部評価委員会の評価と正反対の決定が下されるのは納得できない」と話している。

 一方、協議員会のメンバーの一人は「外部評価委員会の報告には井上教授の研究について質問点などが指摘されており、協議員会で本人から説明を受けた結果、再任は否決された」と説明する。

 消化器外科医の井上教授は、インスリンを分泌する膵島(すいとう)細胞の移植などについて研究している。一昨年、日本再生医療学会の創設に加わり、初代会長を務めた。

 文科省によると、任期制大学教員は現在、全国に約3千人いる。来春の国立大学独立法人化後にはさらに増える見通しだ。再任の可否を審査するシステムは各大学に任されている。


 <山岡・同研究所長の話> よく吟味した上で対応を検討したい。

Posted by 管理者 : 掲載日時 2003年02月18日 10:18 | コメント (0) | トラックバック (0)
URL : http://labor.main.jp/blog/archives/2003/02/post_77.html

2003年02月14日

九州大学教職員組合、適法性を欠く農学・工学両研究院の任期制導入を九州大学として承認しないよう求める申し入れ

(出所)「適法性を欠く農学・工学両研究院の任期制導入を九州大学として承認しないよう求める申し入れ」

2003年2月14日 

九州大学学長 梶山 千里 殿
九州大学教職員組合  執行委員長 中江 洋

適法性を欠く農学・工学両研究院の任期制導入を九州大学として承認しないよう求める申し入れ

 去る1月に,農学研究院,工学研究院の教授会のそれぞれにおいて全教員一律の任期制導入を決定したとされ,九州大学評議会において,導入実施のための「九州大学教員の任期に関する規則」改訂の審議を求めるとされています。
 しかしながら,今回両研究院で導入しようとしている任期制は「大学の教員等の任期に関する法律」(平成9年6月13日法律第82号,以下「任期法」)に照らしても適法性を欠くと判断されるため,単に「各部局の決定・判断を尊重する」として扱うことは到底できないと考えられます。したがって九州大学教職員組合として本件について反対を表明するとともに,学長および評議会におかれては当該任期制導入を承認しないよう申し入れます。

1.「研究院の全部門・全職種が任期法に該当する」ことの適法性について

 任期法は第4条第1項第一~三号において「任期を定めることができる」3つの場合を特定している。両研究院長はそれぞれの研究院の全部門・全職種が,このうちの第一号,すなわち「先端的,学際的または総合的な教育研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野または方法の特性にかんがみ,多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき」に該当すると説明している。
 しかし任期法は本来「限定的に導入されるものと立法の趣旨はなっている」(平成9年5月29日参議院文教委員会・文部省高等教育局長答弁)のであって,そもそも部局を丸ごと任期制にあてはめることが「立法の趣旨」に適合しているかどうかが,極めて疑わしい。にもかかわらず導入するというのであれば,全部門・全職種が「先端的,学際的または総合的な・・・特性」を有し「多様な人材の確保が特に求められる職」であることを,明確で具体的な根拠と基準にもとづいて検討・審議・論証し,さらにその結果を関連する全教員はもちろん国民全体に対して示す説明責任がある。
 「大学の教員等の任期に関する法律等の施行について」(平成9年8月22日文部事務次官通達・文高企第149号)が「当該教育研究組織を構成する全ての職を任期付きとすることも,一部の職のみを任期付きとすることも可能である」としているとは言っても,それは上述のような論証や説明責任を果たさずに「可能」なわけではないことは明白である。
 しかるに,両研究院においてかかる点が検討・審議・論証され,さらに社会に対する説明責任が果たされたとは到底判断しがたい。したがって両研究院における任期制導入は,法の趣旨に反し、適法性を欠くと言わざるを得ない。もしこのまま導入が実施されることになれば,それは「任期制の適用の対象や範囲,再任審査等において,その運用が恣意的にならないよう,本法の趣旨に沿った制度の適正な運用が確保されるよう努めること」という衆参両院文教委員会付帯決議に反する「恣意的運用」にほかならない。

2.既に当該職に就いている教員に任期を付すことの法的有効性について

 任期法第4条は「任命権者は,(中略)教育公務員特例法第十条の規定に基づきその教員を任用する場合において,(中略)任期を定めることができる。」としている。国立大学教員を「任用」するとは,国家公務員法(第四款「任用」第50条,第55条など)および教育公務員特例法(第二章「任免,分限,懲戒および服務」第4条,第10条など)によれば,「採用」「雇用」「昇任」「転任」のいずれかを指している。 したがって法条文に照らせば,改組もない,昇任もない,まして新規採用でもない両研究院の現職教員について,「任用」行為は存在せず,したがって「任期を定めることができ」ない。これは「同意書」を提出するかしないかとは関係のないことである(仮に「同意書」と銘打った文書が作成,提出されたとしても,それは任期法に言うところの「同意書」には該当しない)。
にもかからわず,両研究院が現職全教員に現職のまま任期を付すことは,法条文に即して判断すれば無効と考えざるを得ない。こうした重大な問題を放置したまま導入を強行すれば,これまた「適用の対象や範囲」についての「恣意的運用」にほかならない。しかも、法的に身分を保障された現職教員に任期を付すことは、国家公務員法ならびに教育公務員特例法上に規定された教員の権利を著しく侵害するものである。

以上の理由から,以下を申し入れます。

一.適法性を欠く農学研究院,工学研究院の全教員への任期制導入について,承認しないこと。

二.両研究院長は「適法性,法的有効性について事務局でも確認している」旨を公の場で説明しているが,事務局としてそのような確認をしたのかどうかを明らかにすること。もし「確認した」のであれば,それはいかなる法律,命令,規則に依拠し,またいつ,誰(官職名と氏名等)の法令解釈によるのかを,文書で明示・公開すること。
 また評議会で本件について取り扱う場合は,当然のことながらその点を文書で明示した上で審議すること。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2003年02月14日 14:54 | コメント (0) | トラックバック (0)
URL : http://labor.main.jp/blog/archives/2003/02/post_108.html