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2002年01月
掲載事項(記事)一覧


2002年01月29日

金大が任期制導入 理系学部の一部で今月から 文系は不参加

北國新聞(2002年1月29日)

 金大は今月から、一部組織で任期制を導入した。大学教員任期制法の成立から五年、国立大では五十四番目の導入となる。教員の人事に流動性をもたせて活性化を図ることが狙いだが、痛みを伴う改革だけに、手を上げたのは大学院医学系研究科など一部の理系学部だけで、文系学部の参加はない。育児休暇の取り扱いに触れていないなど、学内規程の不備を指摘する声もあり、足並みに乱れが生じている。

 大学院医学系研究科、同自然科学研究科博士後期課程、医学部附属病院などで、新たに採用される助手に対して五年の任期を設けた。がん研では、任期制に同意した現職の助手 ―教授も含めて五年任期とした。以上はいずれも再任可能。薬学部では、企業などの研究者を助手、助教授として招いて研究の活性化を図ろうと、三年任期の再任されないポストも設けた。業績評価は▽教育▽ 研究▽大学及び社会への貢献―などによる。

 金大では二年前から学内の教官任用専門委で審議を重ね、二〇〇〇(平成十二)年末に教員任期規程を整備した。一年間、各部局で検討がなされ、理系の一部が導入することになった。

 北陸先端科技大学院大は一九九八(平成十)年にいち早く導入し、富大も二年前から始めているが、金大では「身分にかかわることなので慎重に審議してきた」(人事課)としている。

 しかし、任期制に一貫して反対を表明してきた金大教職員組合は「全学的に研究、教育、地域連携を図る努力が十分とはいえない中、活性化対策という大義名分の下、任期制ばかりが論じられている」と反発を強める。

 また、前田達男法学部教授(労働法)は、任期中の出産・育児休暇の期間、評価に対する異議申し立ての方法などが学内の規程に明記されていない点などを挙げ「欠陥だらけの制度」と断ずる。前田教授は「研究大学を目指す以上、『任期制を採用していないのは都合が悪い』との気持ちは分かるが、制度不備のまま導入したのは拙速に過ぎる」と話している。


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2002年01月28日

「知の拠点」へ大学再編-武者修業が活力生む

日本経済新聞(2002/01/28)

 研究者はいくつもの研究所を渡り歩いて武者修行しなければならない――。昨年のノーベル化学賞に輝いた野依良治名古屋大学教授の研究室にはこんなルールがある。卒業生は大学に残って助手にならず他の大学や研究機関に出す。野依教授の後継者である北村雅人教授は理学部でなく農学部(農芸化学)の出身だ。
 野依教授が所属する理学部は内部昇格者が非常に少ない。助手を含めて約百八十人いる教官のうち名大で博士号を取ったのは三分の一ほど。化学系の物質理学専攻などは「意識して外部から人材を獲得している」(篠原久典教授)という。
 硬直的な人事制度が、大学と社会との溝を大きくする温床ともいわれる。研究者の流動化は大学が競争力ある研究機関に変ぼうしていくための課題だ。
 文部科学省によると、国立大で教官の任期制を採用しているのは五十五大学、千六百六十六人(二〇〇一年八月一日現在)。任期制を認める特例法ができた当初の三年前と比べ、大学数で約四倍、人数では約二十三倍にもなった。
 ただ、学部や研究所の判断で一部にだけ導入している大学が大半。国立大教員全体の三%にも満たない。北陸先端科学技術大学院大学は三研究科すべてで実施しているが、こうしたケースはまだ珍しい。
 昨年暮れに総合科学技術会議がまとめた「研究者の流動性向上に関する基本的指針」では、任期付き研究者に対し研究費の充実など待遇改善が必要だと提案している。

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2002年01月23日

助手に任期制導入、教員採用委を設置 相次いだ不祥事を受け県立大が改革案/岡山

毎日新聞(2002年1月23日)

 相次いだ不祥事を受け、体質改善を目指す県立大(総社市窪木)は21日、大学改革委員会(委員長、本田和男学長)を開催。02年度以降に採用する助手に任期制を導入する▽教員採用時に全学的な視点から学長に助言・勧告を行う「人事委員会」(仮称)の設置▽従来は教員が直接事務局に提出していた学生の採点票を学科長・学部長経由で行う――とする改革案をまとめた。2月21日に開かれる大学評議会で正式決定する。

 助手の任期制は、人事の活性化で教員相互の刺激を高め、レベルアップを図るのが主な狙いで、3学部と短期大学部に適用。採用時の任期を5年とし、その間の研究や教育活動の成果が優秀と認められれば1回限り、さらに5年間の延長を認める。採点票の提出方法の変更については、今年度の後期試験から実施する方針。


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2002年01月18日

九州大学教職員組合、教官の任期制導入についての申し入れ書

(出所)九大教職員組合「教員の任期制導入についての申し入れ」(2002.1.18)

2002年1月18日

九州大学学長
梶山 千里 殿
九州大学教職員組合
執行委員長 三好永作

教官の任期制導入についての申し入れ書

本学応用力学研究所および機能物質科学研究所において「教官の任期制」について導入する内規が教授会決定され評議会の議に付されようとしています。これまで、九州大学教職員組合は、安易な教官任期制の導入は研究・教育の発展に寄与するものではなく、むしろ悪影響を及ぼすものであると考え反対の意見を表明してきました。今回出されている案は「大学の教員等の任期に関する法律」(法律第82号)を根拠に九州大学で生体防御医学研究所に続いてのものですが、改組を伴わないで導入される任期制という点からみて、問題の多いものと考えざるを得ません。

1)まず、何故に任期制を導入するのか、それによって研究・教育の推進にどう効果が期待でき るのかといった重要な点の説明がありません。

2)在職者を含めて全教官を対象とした案となっていますが、この案の決定までの議論のプロセスがまったく明らかではありません。任期制のデメリットについての議論を十分行い,それをカバーする方策を十分検討されたのでしょうか?現在「教育公務員特例法」の適用対象である助教授・講師・助手層は議論に参加できたのでしょうか?十分に意見の集約はなされたのでしょうか?もしそうでないなら、研究・教育を自らの仕事として働いてきた者がまったく突然にその雇用の期限を切られることになりかねません。これは、同じ九州大学に働く者の労働組合としては見過ごす事はできません。

3)具体的な案の内容についても、あまりに問題が多すぎると考えます。
・具体的な任期については、それぞれの部局において
応用力学研究所 教授6年、助教授6年、講師6年、助手6年
機能物質科学研究所 教授6年、助教授6年、講師6年、助手6年となっていますが、その根拠について全く何の説明もないまま提出されています。
この間の全国的な任期制に関する動向の中で示された、東京大学工学研究科の「助教授以下は昇進のインセンティブ(刺激・誘因)があるとしてその対象から外し、教授だけへ55歳以降に2期十年の任期を導入する」とした案と比べてみても、今回の案の問題点は明らかだと思います。
・評価の内容についても単に評価事項を規定しているだけでその基準についても触れられていません。
・異議申し立てのあった場合、教授会の議を経て新たに審査委員会を設置して再審査を行うとありますが、この新しい審査委員会が再任を否決した審査委員会から独立性を保つことの保証がどこにもありません。このことは、今回の任期制が制度的な不備を持っていることを示しています。

私たちはこれらの点について検討され、今回の任期制を慎重審議された上で撤廃されるよう申し入れます。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2002年01月18日 14:31 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2002年01月11日

名大改革駆け出す英知(4)眠る資産企業に売り込め(新天地を拓く)

日本経済新聞(2002/01/11)

 柔軟な人事で競争力
 この四月、名古屋大学東山キャンパスに国立大学では珍しい企業インキュベーション(ふ化)施設が誕生する。産学でベンチャー企業を立ち上げる場合、企業側が大学側にプロポーズすることが多いが、新設の施設の役目は逆。学内の研究者が持ち込んだ技術やビジネスモデルを審査した上で大学が企業へ売り込む。
 「大学が企業からの誘いを待つだけの時代は去った。企業が及び腰ならば名大発で会社を作れる」。名大先端技術共同研究センター(先端研)のセンター長、早川尚夫(61)の鼻息は荒い。早川が率いる先端研には名大と企業との技術の橋渡し役だけでなく、ベンチャー創業を支援する機能も加わる。
 旧通産省の電子技術総合研究所の研究者だった早川は一九八六年、超電導の専門家として名大に招かれた。そこで早川の目に映ったのは名大と企業の「無機質な関係」だった。
 論文作成に没頭する多くの研究者。研究者に代わって特許申請手続きをし、特許収入など研究の果実を得る企業。「菓子折り一つで将来何千万円にも化ける可能性のある研究成果を企業に譲り渡していた」
 名大に埋もれる「財産」を外部にどうアピールし、研究に生かすか。センター長に就いた九六年春以来、早川はこの一点に心血を注いできた。
運営教授ポスト新設
 二〇〇四年度にも始まる大学の「法人化」。国の直轄から解放され人事権などの裁量が増す一方で、経営力が問われる。大学は従来以上に企業から研究費を集めなければならない。
 早川の挑戦は「マネジメント(運営)教授」というポスト新設から始まった。学内では研究分野を持たず、授業もしない。使命は研究成果を学外に送り出し、研究費を確保したり、学内の起業意識を高めること。忙しい学内の教授には任せられない。ならば外部から専門家を招くしかない――。
 奇策を練った早川は九六年夏、予算要求した。国は「教育も研究もしない教授ポストは認められない」とつれない。だが「学外の専門家の力が名大に不可欠」という早川の信念が揺らぐことはなかった。
 「これが秘けつか」。九六年一月、米スタンフォード大学を訪れた早川は衝撃を受けた。同大のCISといわれる組織は、産学共同研究やベンチャー創出実績で世界のトップを走る。その裏には猛烈な競争原理が働く仕掛けがあった。
 大学が一年間に教授に支払う給料は授業がある九カ月分だけ。残りは教授自身が企業などから資金を引っ張ってくるしかない。研究成果が評価されると金はついてくるが、認められなければ研究費すら出ない。この仕組みを支えるのが産学連携専門の運営スタッフだ。大学、企業双方の研究分野を収集し、企業化に向け両者の「お見合い」を取り持つ。
 CISの衝撃を胸に旧文部省へ通い、運営教授の必要性を訴え続けた早川。執念は二〇〇〇年に実り、名大は全国初となる二人の運営教授を迎え入れた。
 その一人が渡辺久士(59)。トヨタ自動車で二十七年、知的財産部に籍を置き弁理士資格を有する特許のプロだ。渡辺は「右手に論文、左手には特許」を合言葉に学内で三十回を超す説明会を開催、研究者の意識改革を説いて回る。
 もう一人の運営教授、枝川明敬(46)は起業講座の開設、企業経営者を招いたセミナー開催など、名大を核にしたベンチャーネットワーク作りに奔走する。
 ただ、産学連携を巡っては「研究の国内空洞化」という新たな懸念材料が持ち上がっている。企業の研究費の内外大学別の支出動向をみると国内大学向けは一九九〇年の千六十億円から九九年には九百七十億円に減少。半面、海外向けは六百八十億円から千五百六十億円と二倍強増加した(内閣府調べ)。中部企業が製造拠点の海外移転を急ぐ中、名大がどこまで企業を囲い込めるかが試されている。
活力高め臨戦態勢
 「超えよ限界、破れ常識」を信条とする早川。有力企業と共同研究を手がけるなど研究者としての実績は十分。今は「黒子」に徹しながら新たな限界に挑む。年内にも定年退官した教官の再雇用制度を導入する。OBに引き続き一線の研究に従事してもらい、名大全体の競争力を高める狙いだ。
 名大は昨年、ノーベル賞を受賞した野依良治教授の定年延長を決めた。個人の実績を明確に処遇に反映させるため、名大は定期的に処遇を見直す任期制導入など柔軟な人事制度作りに乗り出す。
 大学改革を進める文部科学省は「大学というムラ社会にこもるのでなく、人・研究両面で外部との交流を深めてこそ大学の価値は増す」(清水潔・高等教育担当審議官)という。大学大競争時代を見据え、名大は臨戦態勢を整え始めた。

Posted by 管理者 : 掲載日時 2002年01月11日 18:02 | コメント (0) | トラックバック (0)
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