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1997年02月
掲載事項(記事)一覧


1997年02月22日

任期制法制化に反対する東北地区大学教員共同アピール

大学教員の任期制法制化に反対します

 大学審議会は昨年10月29日に「大学教員の任期制について」という答申を決定し、それをうけて文部省は今国会に任期制の導入に必要な法案を提出する予定です。
 答申の趣旨は、大学教員に任期付雇用を付し、任期終了後再任されなければ教員の身分を失うという制度を導入し、それによって大学教員の流動化をはかり大学の研究教育を活性化しようとすることにあるとされています。  しかし、私たちには、任期制の法制化が大学の研究教育を活性化させるとは考えられません。むしろ大学の研究教育に混乱をもたらすおそれがつよいと考えます。
 任期制は事実上任期終了後の解雇を前提としたものであり、教員の身分はきわめて不安定になります。その結果、短期的に研究成果をあげようとする傾向を助長し、長期的視野にたった研究がないがしろにされるおそれがあります。本来、短期的に成果をあげえない研究分野もあり、任期制によってさらに基礎研究が衰退していく危険があります。
 また、答申は、任期制を導入するかどうかは各大学の自主的判断によるとしていますが、文部省の大学行政の最近の傾向をみるとき、いったん任期制の導入に必要な法制化がはかられるならば、大学の改変に関する許認可権や、大学の予算に関する裁量権を楯にした文部省による大学への干渉が強められることが懸念されます。
 大学の研究教育の活性化のために大切なことは、大学の多様で多面的な実情をもっとリアルに分析し、問題を一つ一つ洗い出し、それを解決していくことにあると考えます。私たちはそのための努力を重ねていく決意です。そして、このような視点からみて、慢性的な研究費の不足、学生定員増や大学職員の定員削減による大学教員の多忙化、設備の老朽化、大学間の格差などの問題の解決は活性化のために欠かせない条件であると考えます。
 私たちは、以上の立場から、大学教員の任期制法制化に反対します。

1997年2月
任期制法制化に反対する東北地区大学教員共同アピール呼びかけ人会

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1997年02月14日

埼玉大学職員組合、大学教員任期制の法制化に反対する

(出所)都大教ホームページより

大学教員任期制の法制化に反対する

埼玉大学職員組合執行委員会

 大学審議会は1996年10月に「大学教員の任期制について」という答申を出した。これは、前年に出された中間答申を基本的に継承し、任期制の「法制化」をより強化した内容になっている。埼玉大学職員組合は定期大会に於いて全会一致で「大学教員任期制の法制化」に反対の立場をとることを決議した。
 法制化に関して、大学審議会の構成員はシンポジウムなどで、「任期制を導入するに当たり現行法が妨げになるならば必要な法改正を行う。」、「現行法が任期制導入の妨げになるのならば、(導入しやすいように先行して)法制化を行うのがよいのではないか。」という程度の認識で答弁を行っている。また、「具体的にはどの法律をどのように改正するのか。どのようなことになるのか。」という問に対しては、「専門家でないのでよくわからない。しかるべきところで充分に議論されるだろう。」という無責任な態度である。とても「法制化」の持つ真の意味を考慮して議論したとは考えられない。
 東京大学・京都大学・筑波大学などの大学では、一部の部局において、現行法の下で任期を付けた大学教員の運用を実際に行っている。これらの大学の学長・元学長の中には大学審議会の構成員となっているにもかかわらず、この実例に関する詳細な内容は答申には認められない。「研究者の流動化」は大学教員の任期制導入の目的の一つである。一般企業において転職を考える際に最も妨げになっていることが、給与ならびに退職金の中断である。一般企業に比べて大学における研究者の異動が多い理由は、現行法における「身分保障」のためである。「法制化」はむしろ「研究者の流動化」を妨げることが充分に考えられる。大学審議会は、「大学教員の任期制について」という答申を出す際に最も重要であると考えられる、現行法での「任期制導入の事例」について触れることなく、法制化を行うために都合の良い答申を出したとしか考えられない。
 任期制導入の法案は1997年1月20日に開会された通常国会に「特別立法」の形で提出される見込みである。「法制化」に関しては多くの大学関係機関・団体から反対意見が出されているにもかかわらず、文部省は法案の内容を提出直前まで明らかにしないもようである。
 新聞報道によると、この「法制化」は国家公務員法・労働基準法などの大学教員の身分を保障した法律に関連し、いわゆる「大学教員の首切り法」となり得るとのことである。「再任を妨げない・・・」(答申)とあるが、大学審議会は、再任における審査機関や内容について具体的な答申すら行っていない。また、再任されても新任扱いとなる改正では、現行での大学教員の給与・退職金・年金の機能が全く失われる。大学教員を「一生活者」、「一労働者」と考えると、これは大学教員の「生活権」を奪うものである。また、大学や社会に対しては次のような問題点があげられる。
(1)大学自治の崩壊
 この「法制化」は大学自体にも危機をもたらす。大学は、教授会がその大学の運営に責任を持つという民主主義の機能する数少ない組織である。しかし、近年、この教授会自治もおびやかされてきている。「法制化」はこの教授会の構成員に直接およぶものであるので、さらに教授会自治を弱体化させる。大学が、アルバイト教員を雇い、教育・研究のみを行わせ、教官に大学運営を考える余地を与えなくなることで、「大学のコンビニエンス・ストア-化」や「理念の無い大学」を招くおそれがある。
(2)大学における学問の自由の喪失
 大学において、教員が自由にテーマを選び、自由な形態で研究を行ってきた背景には、大学教員の「身分保障」の担う部分が非常に大きい。学識経験者として、政府やいかなる権力にも屈することなく自由に意見を述べることができたのも、現行法による「身分保障」があってのことである。「身分保障」を失った大学教官は、「学問の自由」、そして社会に対しての「発言の自由」も失われてしまうおそれがある。「法制化」は、日本の将来の方向までをも左右すると言っても過言ではない。
(3)労働者全体への広がり
 日本の現行法において、その職務の遂行上の必要性から、身分が保障された大学教員に対する「首切り法」の導入は、大学教員を突破口にして労働者全体に波及することは充分に考えられる。現在、一般企業での「首切り」は「リストラ」という名の下に正当化されつつある。しかし、「首切り」は決して正当なものではない。大学では、教員の低い給与水準・少ない研究費・多種にわたる多忙な職務内容のもとで、「大学改革」という名の「リストラ」が進められつつある。「大学教員任期制の法制化」は、その「リストラ」に拍車をかけるようなものである。大学教員の「身分保障」は、労働者全体の身分保障の「砦」ともなるのである。
 埼玉大学職員組合執行委員会は、大学教員任期制の「法制化」が大学教員そして大学自体、さらには労働者全体・日本の将来にも大きな危機をもたらすことを広く訴えるとともに、「大学教員任期制の法制化」の反対運動を進めて行くことをここに表明する。

1997年2月14日


Posted by 管理者 : 掲載日時 1997年02月14日 11:57 | コメント (0) | トラックバック (0)
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