2009年03月01日

首都大学東京労組、「全員任期制」 教員の任期評価、再任判定の確定期にあたって

首都大学東京労組
 ∟●2009年春闘方針(案)

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1.教員の任期評価、再任判定の確定期にあたって

 組合は一貫して、「全員任期制」という雇用制度そのものに反対していますが、現に任期を付されている教員が多数を占めており、その職が不当に剥奪されないこと、また安定した教育がなされる必要性から、一昨年、昨年の秋季闘争の中で、任期付き教員の再任審査基準の策定に関して「原則全員再任」を最重要課題として位置づけ、基本的に達成できました。
 現在、具体的な任期評価、再任基準の検討が「人事制度等検討委員会」で行なわれる段階になりましたが、わたし達組合の基本的要求は以下のとおりです。
① 「再任に基本的考え方」が「大学教員としてふさわしい能力を有し、意欲を持って職務に取り組んでいる者については、原則として再任されます」であること、「再任基準」は「再任される基準は、任期評価5を実施した結果、総合評価が4段階のCでないこと」であるということを改めて強調しておきます。これらを各部局の教員組織が責任をもって具体化するよう要請します。組合がとくに重視するのは、評価の考え方や基準、手続き等に関して文字通り部局のすべての教員の間で共通認識、理解が形成され、周知されるよう、主として管理職教員が努力することです。
② 任期問題で忘れてはならないのが、たとえ立派に再任を果たしても、任期付き助教の任期はその後3年(プラス求職期間=特例任期)だけだということです。現実の問題として、ポスト管理がなされている以上、いくら努力し、成果を上げても昇格が果たせずに大学を去らなければならい事態が起こる可能性があるのです。組合は「任期評価」「再任判定」の議論と並行して、優秀な若手教員の長期安定雇用に向けた方策の検討を始めることを法人に要求します。また、大学の新執行部がこの問題について積極的な姿勢をとるよう強く要請します。
③ 任期評価、再任判定と一体の問題として、組合が重点的に取り組まねばならないのが、任期なし教員の処遇、とくに給与格差の是正の問題です。任期の有無による昇給格差はすでに職務基礎額4号給となっています。このまま行けば、第2期中期計画の始まる2011 年4月には10 号給の差となり、年間で十数万~三十数万の格差を生みます。これに加えて、現在の教員給与規則では、任期なし教員の唯一の昇給分、基本給の1 号昇給すらも2010 年度で停止されてしまうことです。昨年の秋季闘争で当局は、任期の有無による働き方の差がないことを公式に認めています。したがって、任期の付いていないことを理由とした、基本給と職務基礎額の差別支給はなんの根拠もありません。組合はあらためて「再任時昇給」以外の給与の同一化を求めます。
④ 任期なし教員の処遇をめぐって、法人当局から、「任期付き」への労働契約変更の申出窓口を開く提案が行なわれようとしています。しかしながらすぐわかるように、これは、差別給与制度を改善せず逆に利用して、本法人の最大の問題点である「全教員任期制」の枠組みを維持、拡大するものです。この4年間の任期制が、本学の教育研究、社会的評価、労働環境・条件に与えた影響を、法人当局が真摯に総括し、「だから全員任期制が優れている」という論拠を示さない限り、私たち組合はこの提案には反対せざるを得ません。少なくとも、「優れた教員が長期に腰を据えた教育、研究に取り組む」ための措置および上記③の是正と一体のものとして提案されるべきです。
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Posted by : 掲載日時 2009年03月01日 23:21 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2009年01月08日

新自由主義と大学教員の任期制、横浜市立大学は全教員任期制を廃止すべきである

大学改革日誌
 ∟●最新日誌(2008年1月5日)

 横浜市立大学の全教員任期制は,2003年改正労基法第14条を根拠に導入されたものであった。その意味で同大学の任期制は新自由主義原理に基づく「大学改革」の典型事例とみなしてよい。この新自由主義がいま全般的に破綻しつつある中で,大学の教育現場を荒廃させている職員の非正規化(有期雇用,派遣労働の大規模化)を含め,教員の任期制について,その撤廃に向けた全国的な運動として取り組む必要があるであろう。
 現状では,一部の大学労組のみが個別的に対応しているに過ぎない。大学界の単産である全大教,あるいは日本私大教連はそうした運動を正面から掲げて取り組まない現状をどのように認識すべきであろうか。

1月5日 謹賀新年

 グローバル化と新自由主義の結果、働くものの職場の不安定性がこの10年ほどで一挙に拡大した。非正規労働者が3分の一に上るとか。その問題性が明確化するなか、かつての新自由主義の主唱者・先導者の一人・中谷巌氏も、今日の朝日新聞記事によれば、「転向」を表明しているとか。アメリカのオバマ大統領の登場も、この線上にあるだろう。

 グローバル化・新自由主義・「成果主義」の跋扈による雇用の不安定化の波にのって強行されたのが、大学における全員任期制なるものの導入であった。この間、教員組合の必死の努力で不安定化を阻止するための交渉が続けられている。

 しかし、それにもかかわらず、当局の態度は変わらない。根本から問題を見直そうとはしていない。

 現在、社会で問題になっているのは、不安定雇用が3分の1にまで増えた、そのひどさということであるが、本法人では「全員任期制」を基本方針とする態度を変えていないからである。その基本方針の元で、微修正に応じる、というのがこの間の態度であろう。そうでないなら、全員任期制の方針を廃止し、大学教員に関する任期制の法律に基づいた適正な制度(限定的な制度)に変更すべきである。

 任期制による採用(あるいは昇進における差別・・・昇任審査の前に管理職を通して、任期制への同意不同意の状況が確認されるというやり方・・・これまでの実績では不同意者は昇任が先延ばしになった)が行われており、任期制教員が増えれば、大学との結びつきの弱体化が進むであろう。当局が好む統計によれば、本学最大の組織である医学部における任期制教員の圧倒的多さからして、本学の任期制=不安定雇用化は全国最先端、ということになろう。(なぜ、本学では医学部が、また全国的にも医学部が文科系などの学部よりも、「任期制」を受け入れやすいのかは身分保障・生活保障のあり方をみなければならない。)唯一首都大学だけが、同じような「最先端性」を誇示している、ということになろうか。

 任期制への同意不同意などという基準は教育研究の実力・貢献とは関係がない。むしろ、不正常な関係・ゆがんだ状態さえ生み出す[1]。昇進においてはそのようなハードルは廃止して、教育研究の実績(ピアレヴュー=学界等の教育研究上の同僚・学問的同僚による外部評価による実績)に基づく制度に、根本から改めることが可及的速やかに求められるであろう。

 大学経営において、教育研究に従事するものの仕事へのインセンティヴが決定的に重要だと思われるが、その点からみて、この「改革」の中間決算はどうなるのであろうか?

 ともあれ、現在この場にいるものには、その持ち場で大学の再活性化のために、微々たるもの、牛のように遅々たるものであっても、可能な限りで尽力するほかないであろう。

 基礎からChangeを実現していくためには、昨年行われた4年次生へのアンケート結果の集約と速やかな全面的公表が待たれる。


Posted by : 掲載日時 2009年01月08日 01:23 | コメント (0) | トラックバック (0)
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